人類銀河帝国 コリント朝 功臣列伝資料 「サテライト8班リーダー ケニーの日記」(航宙軍士官、冒険者になる異伝)    作:ミスター仙人

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11月の日記②(人類銀河帝国 コリント朝元年)《ミーシャ男子出産と皇太子殿下》

 11月11日(人類銀河帝国 コリント朝元年)

 

 昨日からアスガルド城の客室に泊りがけで滞在し、アラン様や同僚達と話し合い、朝からは宮廷付きの医師から様々な説明を受けて、全員で一緒に朝食を摂った。

 クレリア様とミーシャ達は、どうやらお昼近くに出産らしく、朝の内から医務室に用意されている分娩室に入った様だ、

 様だというのは、アラン様以下自分を含む夫達は、魔法大国マージナルから帰還していた賢聖モーガン殿とケットシー128世の説明を朝食後から受けていた所為で、嫁達と朝の顔見せ以外引き離されていたからだ。

 

 賢聖モーガン殿とケットシー128世の説明とは、魔法大国マージナルでアラン様の『ジークフリート』の承認手続きが有った海中神殿で、予想通りの反応が有ったそうだ。

 自分には何の事かサッパリ判らなかったが、アラン様はある程度説明を事前にされていて、想定してたらしいから、賢聖モーガン殿とケットシー128世にはその確認をして貰っていたらしい。

 賢聖モーガン殿が、

 

 「・・・予想通り、『神機』に反応が有ったわ。

 悠久の彼方から、封じられてきた神々(調整者)の遺物である10機!

 この内の5機が龍脈(レイライン)を通して、脈動を開始したわ。

 恐らく貴方達の子供が産まれた瞬間に、かなりの反応を見せる筈。

 この5機は、この世界の方々に眠っているので、近いうちに回収に行かなくてはならないわ。

 貴方達は自分の子供の為にも、回収に向かってね!」

 

 と言われた。

 『神機』と云う言葉が何を指すのか、サッパリ判らないが自分の子供の為に、努力するのは当たり前なので了解した。

 そんな説明を受け終わって、宮廷の職員から呼び出されて分娩室横の待合室に案内された。

 其処には、ケットシー128世と奥さんのマドンナさんが子供の星猫5匹と待機していた。

 更に、内の母親マゼラと妹のカレンが合流し、同僚の親衛隊長で有るエルナ殿とサーシャ殿もやって来て、諸々の赤ちゃんが産まれて来た際の対処法と、嫁さんの産後の対処法を宮廷医師から説明を受け、段々と緊張して来てテンパってきた。

 そんな緊張感に耐えられず、頻繁にお茶を飲み、その所為でトイレに交代交代で行き合っていると、それまで大人しくしていた星猫5匹が、その可愛らしい背中の純白の羽根を羽ばたかせて、待合室から廊下に出た!

 それを契機に、皆がこぞって廊下に出るとまるで子猫の様な鳴き声が、幾つかの鳴き声となり聞こえて来た!

 その瞬間、明らかな光りがアスガルド城の地下から、天まで貫いた!

 その光りは、良く見ると5色有るようだったが、暫くすると落ち着いた様に光りが収まり、職員の指示通りに歩を進めてゆっくりと分娩室に入ると、光り輝く赤ん坊がそれぞれの嫁さん達の腕の中にくるまっていた。

 自分は、迷わずミーシャの側に近寄りベッドで背もたれごしに起き上がり、嬉しそうに腕の中で抱いている赤ん坊を見つめ続けるミーシャに見惚れた!

 赤ん坊は、明らかに青い色の光りを放っていたが、次第に光りは収まりスヤスヤと寝ている事が判った。

 

 《此れが、我が子か!》

 

 と無性に吠えたくなる気持ちをどうにか落ち着かせて、ミーシャに促されるままゆっくりと赤ん坊を抱き上げた。

 

 《なんて小さくて柔らかいんだ!》

 

 と感動しながら、ミーシャが寝ている横に赤ん坊を寝かせ、横にいた母親と妹に後を任せ、アラン様とクレリア様の元に行った。

 

 其処には宮廷医師や宮内庁のロベルト長官が跪いて拝跪しているのが先ず目に入り、シュバルツ殿とミツルギ殿そしてハリーが自分と一緒に近づき、ロベルト長官達と同じく拝跪した。

 

 すると、アラン様がおもむろに口を開き仰った。

 

 「皆、こんな場で跪くのは止めてくれ!

 そんな事より、クレリアが頑張ってくれて産んでくれた息子を見てやって欲しい!」

 

 と言われたので、皆、ゆっくりと顔を上げてアラン様が腕に抱えておられる、皇太子殿下を見せて貰った。

 

 その瞬間の感動をどの様に表現スべきか、皆、声を失った!

 我が子との対面は、ひたすらの喜びと嬉しさの感動が胸の中を駆け巡ったが、アラン様抱かれておられる皇太子殿下を見た瞬間、信じ難い興奮と遥か過去に失われた半身が蘇った様な、やるせない気持ちとして心の奥底を満たす。

 そしてアラン様が、クレリア様の寝ておられる横にゆっくりと皇太子殿下を置かれると、その皇太子殿下にゆっくりと星猫の一匹が近づく。

 すると、其れに気づいたのか皇太子殿下がゆっくりと目を見開かれた!

 そのアイスブルーの瞳の煌めきの深さの素晴らしさよ!

 思わず、アラン様に止める様に言われていたにも関わらず、この場に居た全員が土下座する様に拝跪してしまった。

 アラン様とクレリア様は、苦笑され再度我々を立ち上がらせると、

 アラン様が、発表された。

 

 「・・・此処に発表する!

 この子の名は、アポロニウスと云う!

 正式な名称は、『人類銀河帝国皇太子 アポロニウス・スターヴァイン・コリント』!」

 

 と宣言された。

 この赤ん坊こそが、次代の皇帝陛下となられると問答無用で、全員が理解する事が出来たのだった。

 

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