人類銀河帝国 コリント朝 功臣列伝資料 「サテライト8班リーダー ケニーの日記」(航宙軍士官、冒険者になる異伝) 作:ミスター仙人
12月1日(人類銀河帝国 コリント朝元年)
人類銀河帝国の構成国と准構成国が整理された。
移行期間等はバラバラでは有るが、凡そ30の小国家・衛星国家・従属国家が人類銀河帝国の構成国となり、帝国の総人口は約3億人に及び、教育事情を平均化する為に、帝国から小等部と中等部の教員をそれぞれの各国に派遣し、各教室では大型モニターをメインに一律の教育を行っている。
そして、高等教育に当たる高等部・大学部は帝都コリントに留学してもらい、各分野のエキスパートを目指し帝国の色々な職種に着いて貰う予定だそうだ。
12月5日(人類銀河帝国 コリント朝元年)
ほぼ人類銀河帝国の構成国と准構成国の主要都市に、カーゴシップでのドーム設置が終わり、徐々に魔導列車用の駅の設置とインフラの構築と整備を其処を起点になっている。
殆どの王族や貴族は、帝国の華族として帝都コリントでの生活を満喫しているので、今更古い旧態依然とした生活を望まない者がほとんどだ。
かなりの人数の若年層の華族は、帝国の上級官僚や士官候補生を目指し、日々努力をしているらしく、自分の空軍を志望している者も多いらしい。
帝都コリントに帰還してから、ベック、トール、キリコ達の中堅幹部連中は、新規に応募してきた空軍兵士の訓練内容の策定に時間が割かれ、自身のワイバーンとの訓練が疎かになっていると、泣き言を云っている。
来年には、ワイバーン全てがドラゴンへの進化予定なので、ガイやサバンナ達ドラゴン達との訓練を行う様に指示した。
12月10日(人類銀河帝国 コリント朝元年)
昨年の『帝国鉄道公社』の設立から1周年のこの日、代表で有る『クララ・ゼーゼマン』社長が、帝国の魔導列車の環状線が完成した事を帝国の公共放送を通じて発表した。
つまり、ベルタ公都→スターヴェーク公都→セシリオ公都→帝都コリント→ベルタ公都といった具合に、円環状に魔導列車が走る事になる。
この環状線は、往還4車線のレールを常時走っていて、貨物輸送に特化した魔導列車も走っている。
そしてそれに伴い、貨物輸送に使われるコンテナを各地で集配する為の組織で有る、『総合物流株式会社』はドンドン増員していて、凡そ50万人の従業員を抱え、100万人の従業員を抱える『帝国鉄道公社』の次に大きな組織で有る。
然も、関連組織で有るトレーラーギルドや、各地の商業ギルドを事実上傘下に置いているので、何れは各国の商会も糾合してしまうだろうから、現在一番発展している組織だろう。
一応、サイラス会長とタルス副会長が代表をしているが、実際の運営をしているのは、サイラス会長の一人娘で有るアリスタ社長と両腕のナタリー、カリナ両取締役が辣腕を振るっているのは、衆目一致している。
そしてそのアリスタ社長は、帝国の上層部や華族の方々にはバレバレだが、帝国の次の宰相候補で有る、運輸省、ギルド管理庁、企業庁を一人で兼任するカトル大臣と良い感じで付き合っているようだ。
毎日と云ってよいほど同じ場所で仕事として会っているし、夜遅くまで二人だけで一室にこもっているのもザラだ。
実際に、二人が並んで出歩いている姿と、息の合った様子を見せられる我々としては、何時正式に一緒になるのか、気を揉んでいる。
まあ、親であるサイラス会長とタルス副会長が、タイミングを図っているのだろうと云う観測が、皆の一致した思いだし、自分の家族の女性陣も同じ観測である。
12月15日(人類銀河帝国 コリント朝元年)
この日、ホシがナタリー取締役との婚約を発表した。
何でも、ナタリー取締役が出した幾つかの試練にホシが打ち勝つ事で、勝利したらしいが、正に美女と野獣の様なカップルに周りの人間は、ホシの奴が犯罪めいた事でもしたのでは無いか?と不安になったが、ホシの相棒のジョナサンとアルムおんじ、そして自分の親父のガトルが、正々堂々たる交際申し込みとそれを達成するための努力であったと、保証していたので他のナタリー取締役に懸想していた男共も一応納得したようだ。
12月25日(人類銀河帝国 コリント朝元年)
極一部の帝国上層部と、クレリア様主催の女子会メンバーだけが参加する形で、内輪の婚姻式が行われた。
新郎はアラン様で、新婦はセリーナ、シャロン両准将である。
この婚姻式は、特に秘密というわけでも無いが、ワザワザ帝国が広報する必要は無いという事で、内輪だけで開催された。
そもそもは、この婚姻式自体を当事者達は、するつもりが無かったそうだが、クレリア様がアラン様とセリーナ、シャロン両准将を説きつけて、開催される運びとなったらしい。
何でも、クレリア様とセリーナ、シャロン両准将が相談の上で、『アポロニウス皇太子殿下』の事が落ち着いたら、婚姻式をする事になっていた様だ。
アラン様は帝国軍の正装、セリーナ、シャロン両准将も帝国軍の正装で式に臨み、全然形式ばらずに簡素な婚姻式を済ませ、出席者全員が祝辞を述べる中、正式にセリーナ、シャロン両准将は、アラン様の側妃という立場になられた。
但し、あくまでもセリーナ、シャロン両准将は、帝国軍の立場が第一義で、側妃という立場は皇宮内の話しなので、今後優先される行事等は帝国軍の立場で出席する事になる様だ。
まあ、そんな野暮な話しは当人達にとってはどうでも良いらしく、セリーナ、シャロン両准将とクレリア様は、本当に嬉しそうだし、クレリア様の腕に抱かれた『アポロニウス皇太子殿下』も微笑まれていたので、形式などどうでも良くて、皆が幸せならばそれで良いでは無いかと納得した。