人類銀河帝国 コリント朝 功臣列伝資料 「サテライト8班リーダー ケニーの日記」(航宙軍士官、冒険者になる異伝)    作:ミスター仙人

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12月の日記②(人類銀河帝国 コリント朝元年)《コリント朝元年最後の日》

 12月30日(人類銀河帝国 コリント朝元年)

 

 様々な重要事件や変化の有った一年が終わろうとしている。

 人類銀河帝国にとっても多事多端であったが、自分個人にとっても非常に重要な変化が有り、思い出に耽ろうと思う。

 まずは、1月1日の人類銀河帝国発足とそれに続くアラン様とクレリア様の御成婚だろう。

 続けて自分の結婚とモーガン殿の来訪と、マジノ線での第一次スラブ連邦戦。

 その戦争後の西方教会圏への歴訪と世界武道大会。

 そして帝都コリントに帰還した後の、クライナ公国の要請による第二次スラブ連邦戦。

 スラブ連邦との戦争を終わらせてから、崑崙皇国とアラム聖国への使節外交。

 帝都コリントに帰還後の、自分の子供の誕生と、アポロニウス皇太子殿下の御生誕。

 そして色んな人の婚姻。

 

 かなり大雑把な起こった事の羅列で有るが、こうやって思い返すだけでも起こった事が多すぎると感じるな。

 来年も、アラン様から内示されている幾つかの命令は、今後の帝国の命運に関わる重要事項なだけに、引き締まる思いだ。

 

 12月31日(人類銀河帝国 コリント朝元年)

 

 今日までに、諸々の軍務に於ける事務作業は終えており、来年1月中旬頃に崑崙皇国に向けて出発する予定の諸準備は整っていて、後は幾つかの引き継ぎと物資を空軍の旗艦で有る『グラーフ・ツェッペリン』に積み込むだけだ。

 空軍用のドームを出て、我が家により妻子を連れ出し、アスガルド城から派遣された送迎車両に乗り込み、そのままアスガルド城の皇子宮に向かって貰った。

 午前中に行われた、明日の人類銀河帝国生誕1周年記念セレモニーのリハーサルを終えて、寛がれておられるアラン様とクレリア様、そして他の赤ん坊と一緒に戯れているアポロニウス皇太子殿下に、挨拶の礼を述べて息子のケントをアポロニウス皇太子殿下と他の赤ん坊の輪に連れて行った。

 このアポロニウス皇太子殿下と他の赤ん坊達は、息子のケントを含め、普段の家の中ではそれ程手の掛からない良い子なのだが、この様に5人が一堂に会すると突然活発になり、何時も大騒ぎである。

 まだ生後2ヶ月足らずなのに、盛んに意思表示を示し、部屋にある玩具の取り合いや、それぞれの相棒で有る星猫の尻尾を掴んで振り回したり、強烈な泣き声を張り上げたりと忙しなくなる。

 かと言って、5人の1人でも引き離そうとすると、赤ん坊全員が火を吹くようなギャン泣きをしてしまう為に、何時も5人全員が寝付くまで離す事が出来ないのだ。

 だから、アポロニウス皇太子殿下付きの専門職員(例のおばさん3人含む)は、元気過ぎる程の赤ちゃんズを目一杯遊ばせて体力を限界まで使わせて、一刻も早い就寝を目指す事を至上命題にしている様だ。

 そんな我が子達を横目に、アラン様とクレリア様を中心に昼食を摂る事になり、大きなテーブルを挟んでそれぞれの夫婦合計10人で昼食を楽しんだ。

 デザートのザッハトルテを頂いて一息着いてから、アラン様から明日の1周年記念セレモニーを終えた後の指針を示して貰った。

 ある程度は知らされていたが、現在崑崙皇国では妖怪(此方での魔物・魔獣の類らしい)の大量発生が有り、皇国各地で討伐の為の軍が編成されて、征伐しているそうだが、その間隙を突くように怪しい術師(此方での魔法使いの様な者らしい)が各地の軍閥を唆して、クーデターを起こそうと云う機運が高まっているそうだ。

 其処で、崑崙皇国上層部の要請とその後の正式な国交樹立を目指し、アラン様自身を中心としたトップ同士の外交を考えた使節団を派遣する事になったのだ。

 いきなりの人類銀河帝国皇帝の来訪は、常識的にあり得ないが、そもそもアラン様を傷つける者など想定出来ないし、例え危害を加えようとしても、いざとなればアラン様は神鎧『ジークフリート』で龍脈(レイライン)を使って、瞬間移動が可能なのだ。

 まあ、アラン様が神鎧『ジークフリート』を装着した段階で、敵対出来る者など存在しないのだが。

 そのような事を考えていたが、アラン様は此の場にいる男達に、崑崙皇国への随行を命じ、当然男共全員は即座に了承し、その場でそれぞれの嫁から了解を得る事に成功した。

 なぜなら、クレリア様がたっての希望で、必ず出張中に於ける1日1回の連絡と状況説明をこの皇子宮で行い、その状況を他の嫁達が見れる事にする事、そして東方の珍しい料理やデザートを一つでも多く持ち帰り、嫁たちと赤ちゃんズが満足する様な成果を上げる事と云う旨を、誓約させたからだ。

 しかし、この帝国どころか大陸に於いて敵無しと思えるアラン様だが、クレリア様とアポロニウス皇太子殿下の前では型無のようだ、帰り道でミーシャにその事を言ってみたら、笑いながら乳母車に入れてあやしているケントを指差し、「貴方だってケントの前では、型無じゃない!」と言われ、「全くその通りだ!」と相づちを打ち、そのまま笑ってしまい、送迎車両を運転する運転手にまで笑われてしまい、非常に幸せな気持ちに浸れた。

 

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