人類銀河帝国 コリント朝 功臣列伝資料 「サテライト8班リーダー ケニーの日記」(航宙軍士官、冒険者になる異伝)    作:ミスター仙人

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2月の日記②(人類銀河帝国 コリント朝2年)《対妖怪軍戦①》

 2月11日(人類銀河帝国 コリント朝2年)

 

 三日前から、様々な準備を行い妖怪軍『平天大聖』軍を超高性能ドローンを使い、編成・構成や規模を確認して、こちらの体勢と軍の編成を変更した。

 妖怪軍『平天大聖』軍は、総勢60万で数多の種類の妖怪で編成しているのが見て取れるが、主に牛の頭の妖怪が多い事が判った。

 陣の構築と装備の変更も終え、幾通りかのシミュレーションを繰り返し行った、『李世民』指揮官と『岳飛』将軍始め中級以上の部隊長の方々には、『ナノム玉』を飲んで貰い、利便性の説明をしてモニターでの教育も受けて貰った。

 夜には、宴会という程では無いが、シッカリとした食事を全軍に摂ってもらい、英気を養った。

 

 2月12日①(人類銀河帝国 コリント朝2年)

 

 朝靄の中、開けた荒野でかなりの距離を空けた戦場で両軍は向かい会った。

 先ず動きの有ったのは妖怪軍!足の早い妖怪達が群れを為して陣形を取って攻撃して来た、その数は凡そ20万。

 陣形は紡錘陣形で、明らかにこちらの中央を突破する意思が汲み取れた。

 だが、当然そんな事は想定内なので、『李世民』指揮官が指揮して独特の防御陣形が取られた。

 

 「・・・符術『土壁防御陣』!」

 

 との指示に従い、西方で云う処の魔術師(東方では方術師と言うらしい)が、四角い紙に筆で文字を書き、目の前に掲げると、高さ5メートルの土壁が横幅2キロメートルに亘って地面からせり上がった。

 此れは帝国軍の戦術教本にも存在し、去りし日のセシリオ王国軍のゾンビ軍を押し留めた氷壁と同じ要領で、事前にその場所に魔石の使い古した物に過剰に魔力を充填させ、先程の方術師の符術によって土壁を作り上げたのだ。

 案の定、土壁によって鋭鋒をくじかれて勢いの無くした妖怪軍20万は、大きく迂回する様に二つに分かれて左右からこちらの陣形に向かおうとする。

 だが、そんな妖怪軍の意図は簡単に崩れ去る。

 土壁の両端から顔を出した妖怪軍は、左に『ビスマルク』右に『グラーフ・ツェッペリン』の強力極まりない砲列が狙っていて、凄まじい魔法弾が妖怪軍を粉砕した。

 土壁で視線を遮られた妖怪軍の後列は、前列がどうなっているかも判らずに殺到し、そのまま壊滅して行く。

 その様子を見ていた、妖怪軍の主力たる中軍(30万)が、奇妙な角を生やした要塞の様な乗り物(全長500メートル程)を中心にゆっくりと進軍してくる。

 すると、その要塞の様な乗り物の先端に、女と思われる妖怪が現れ、やにわに巨大な扇の様な物を振りかざし大きく扇いだ。

 すると、空があっという間に雲に覆われて、2回目の大きな扇ぎで風が吹き荒れ始め、3回目の大きな扇ぎで雹や礫が我々に襲いかかってくる。

 

 「・・・羅刹女の芭蕉扇か・・・!」

 

 と『グラーフ・ツェッペリン』の艦橋で自分と一緒に、戦況を観察していた『李世民』指揮官呻くと、そのままマイクを掴み、『八大竜王』の難陀・跋難陀・娑伽羅・和修吉の四大竜王に命じた。

 

 「お主達は、直ちに芭蕉扇への対抗手段である水神『九頭龍大神』へと变化し、ありとあらゆる天候改変を阻止するのだ!」

 

 と命令が発せられ、四大竜王も、

 

 「「「「承知!」」」」

 

 と了解し、天空で四大竜王がもつれ合う様になると、9つの頭を持つ巨大な竜に变化した。

 

 「「「「「「おおおーーーー!」」」」」」

 

 と崑崙皇国軍と帝国軍が、感嘆を上げて暫くすると、芭蕉扇によって狂わされた天候が徐々に収まって行く。

 

 「今だ!方術師達よ、3段展開方術『水撃符・雷撃符・火撃符』連続投射!」

 

 という命令を『李世民』指揮官が発し、15万人という膨大な方術師達が帝国軍が提供した魔石カートリッジをベルトにくくり、方術を乱れ撃つ!

 その凄まじい方術攻撃で、無理矢理土壁を壊してやって来た妖怪軍を徹底的に叩きのめすと、妖怪軍の最後の軍である後軍が戦場に姿を見せた。

 その軍は、大型の妖怪が主軸で、行軍スピードが遅く漸く辿り着いたといった様子だ。

 その後軍に対しても、方術が乱れ撃たれたが、大型の妖怪達にはあまり効果が無い様だ。

 その様子を確認した『李世民』指揮官は、アラン様の乗る『ビスマルク』に要請した。

 

 「アラン皇帝陛下!

 打ち合わせ通りに、妖力を打ち消す魔法弾の砲撃を頼む!」

 

 との要請にアラン様は、

 

 「了解だ、李世民殿!

 『ヴァルキリージャベリン弾』、大型妖怪達に向け連続砲撃!」

 

 と命令されたので、『ビスマルク』の主砲である46センチ砲から、『ヴァルキリージャベリン弾』が大型妖怪達に向け連続砲撃された。

 流石に『ヴァルキリージャベリン弾』を打ち込まれた 大型妖怪達はもんどり打って倒れて行く。

 

 そのチャンスを見逃す、アラン様と李世民殿では無い!

 

 「『拳王ダルマ』と『剣王カイエン』は親衛隊を率い、妖怪軍の掃討戦に移れ、フォローはドローンがするので思う存分倒しまくれ!」

 

 「岳飛!

 『岳家軍』を率い妖怪軍の息の根を止めろ!

 一匹も逃すな!」

 

 と両指揮官が吠える様な命令を下したので、いよいよ戦場は妖怪対人間の接近戦の様相を帯びてきた。

 

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