人類銀河帝国 コリント朝 功臣列伝資料 「サテライト8班リーダー ケニーの日記」(航宙軍士官、冒険者になる異伝) 作:ミスター仙人
2月12日②(人類銀河帝国 コリント朝2年)
『拳王ダルマ』殿と『剣王カイエン』が親衛隊を率い、戦闘車両の後部に乗って妖怪軍の後軍に向かう。
その部隊と並走する形で、岳飛殿率いる岳家軍5万人が妖怪軍全ての掃討戦に向かう事になったが、帝国軍供与のプロテクターと、ドローンからの支援を受ける手筈なので、帝国愚保有の全てのドローンを戦場に散開させた。
戦場で、怪我を負いながらも向かってくる妖怪に向けて、『拳王ダルマ』殿と『剣王カイエン』が自分の親父に製作してもらった、武器を披露する場が整った!
先ずは、拳王ダルマ殿が戦闘車両の後部から、人間の跳躍力を遥かに越えたジャンプ力で空中を駆けて、妖怪の集団の中央に降り立った。
いや、降り立ったと云うのは語弊がある、なんと拳王ダルマ殿は足からでは無く、上下逆の逆立ちをする形で地面に降り立ったのだ!
妖怪達も面食らったのか、数瞬の躊躇があったが、直ぐに拳王ダルマ殿に向かって各々が持つ青龍刀や矛、槍などで打ちかかって来た。
「『逆倒結跏趺坐・紅蓮乱れ蹴り』!」
そう拳王ダルマ殿は呟かれ(レシーバーで聞こえている)て、凄まじい蹴り技が炎を纏って妖怪に乱れ撃たれた!
実は、拳王ダルマ殿は元々、蹴り技が得意であったのだが、ミツルギ殿に両足を壊されて、両腕を徹底的に鍛える事で、独自の技である『顛倒結跏趺坐』を編み出したのだが、『ナノム玉』を服用する事で両足も完治したので、鍛えた両腕を上手く活かす事で、上下逆転した足技を放てる様になり、自分の親父に発注した武器は、何と脚を覆う形の脚甲(レッグ・ウオーマー)で銘は『風炎脚』。
その名の通りに、風のスピードと炎の攻撃を持つ、武具だ。
妖怪達は、その紅蓮の炎を纏った蹴り技を受けて、尽く焼き尽くされて、消し炭と化していった。
一方、剣王カイエンは、戦闘車両から静かに降りると、疾風の速さで駆けて、目につく妖怪達を目にも止まらずに惨殺して行く。
然も、その長い刀の刀身を一目も見せずに「キンッ!」と云う鞘鳴りが聞こえるだけで、妖怪は真っ二つに斬り裂かれて行くのだ。
剣王カイエンが、自分の親父に発注した武器は、長刀でとても抜刀術には適さない長さである。
銘は『蛍丸』。
本来は、その美しい刀身を活かした幻術の技が、真骨頂なのだが、雑魚の妖怪などに見せるのが、勿体ないと感じているのか、手早く終わらせている。
この二人程では無いが、親衛隊の面々も『剣聖ヒエン様』と『拳聖ダンテ様』によって、帝都コリントでみっちり鍛えられているから、多少大きい程度の妖怪など敵では無く、鎧袖一触と言わんばかりに倒して行く。
その様子を見て、負けじと岳飛殿率いる岳家軍5万人が妖怪軍に襲いかかる!
中でも岳飛殿と岳家8将と呼ばれる方々の戦いぶりは、見事の一言に尽きた。
西方では見たこともない、武器であるヌンチャク・多節鞭・流星錘・峨嵋刺・六角棒・戟・鐧・朴刀を使い、次々と妖怪達を下していく。
時折危ない場面では、ドローンが光線(ライトアローの強力版)が敵である妖怪を足止めしてくれるので、殆ど危なげなく戦況は推移していった。
暫くその状況で宣教が推移していたが、いきなり奇妙な要塞の様な乗り物が動き出し、総旗艦『ビスマルク』に向けて突進して来る。
どうやら破れかぶれで特攻して来るつもりの様だ。
なので、想定の一つで有る変形型の釣り野伏をやってみる事になった。
相手の奇妙な要塞の様な乗り物も、何かの魔法を遠距離で放ってくるので、敢えて総旗艦『ビスマルク』は全体を覆うバリアーを強化して、ゆっくりと後退し敵を引き付ける。
その間に、『グラーフ・ツェッペリン』を左側に移動し、敵の有効攻撃範囲外に待機させ、李世民殿が指揮する方術師の軍団は、右側へ移動し埋伏する形で、先程の土壁の逆で塹壕を掘った。
充分に奇妙な要塞の様な乗り物を引き付けたと判断されたアラン様は、『ビスマルク』の副砲に装填していた煙幕魔法弾を、敵の乗り物に向けて上部から降り注ぐ形で、撃ち込む事で敵の視界を奪った。
次の瞬間には、探知魔法で完璧に把握している敵の乗り物に対して、『グラーフ・ツェッペリン』の砲撃とドローンからのファイアー・グレネードの飽和攻撃を仕掛けた。
その耳をつんざくような砲火によって、慌てて右側の李世民殿が指揮する方術師の軍団の方へ逃げて行き、充分に射程口撃に入った段階で、方術師の軍団からの凄まじい符術攻撃に曝された。
途端に足の止まった敵の妙な要塞の様な乗り物は、完全に動きを止めて防御に努めている様だが、その横っ腹に向かって、『ビスマルク』が突貫をかました。
『ビスマルク』の前面部分にあるドリルを回転させて、敵の妙な要塞の様な乗り物の側面を貫いた!
そしてその突入口から、親衛隊が突入し、羅刹女と複数の妖怪を捕らえ、羅刹女から降伏宣言を出させて戦闘を終結させた。
だが、あくまでもこの一軍との戦闘が終わっただけで有り、これからが妖怪との抗争の始まりなのだろう。