人類銀河帝国 コリント朝 功臣列伝資料 「サテライト8班リーダー ケニーの日記」(航宙軍士官、冒険者になる異伝)    作:ミスター仙人

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3月の日記③(人類銀河帝国 コリント朝2年)《対妖怪軍戦④饕餮との戦い》

 3月23日②(人類銀河帝国 コリント朝2年)

 

 長江での戦いもほぼ決着が着き、岳飛軍の勝利で落ち着こうとしている現在、そんな戦況とは一切関わりが無いかの如く、長江の北側の平原で大軍の戦闘が開始されようとしていた!

 ドローンでの情報を全軍で共有する為に、事前に一旦巨大空母『グラーフ・ツェッペリン』の大会議室に牛魔王を含む妖怪軍の幹部も集合させ、ドローンから随時戦況を把握出来る様にした。

 そしてそのまま作戦会議を行った。

 『饕餮』共は、300万と云う大軍だがどうもかなり指揮系統がシッカリとした様な、統率の効いた動きを示している。

 しかし、そもそも『饕餮』は、限りなく他の妖怪と違い魔獣と言って良い外観をしている上に、指示をしている様な中級部隊指揮官の様な存在は見当たらない。

 そこで、全員で注意して動画の観察をした結果、どうやらたった一匹の『饕餮』が全ての個体を統率しているのが、判った。

 その一匹の『饕餮』は、妖怪軍の最後尾に居るが、何らかの手段で直ぐに最前線にも直ぐに命令が届くらしい。

 そんな女王?とでも呼ぶべき個体の命令で、凡そ100万匹ずつの軍団が3つの塊となって丘を越える形で、進軍して来た。

 こちらの軍は数が少ないので魚鱗の陣を構え、前面に総旗艦『ビスマルク』を配置し、後方に巨大空母『グラーフ・ツェッペリン』を配置した。

 両脇の左に牛魔王を含む妖怪軍、右に趙匡胤軍を配置している。

 『グラーフ・ツェッペリン』に積載していた、量産型ドローン全機滞空させ、それを予め超高空に待機していた超高性能ドローンが統括して操作させる。

 作戦通り、先制攻撃の『カイザー砲』の拡散攻撃体勢となる。

 

 「『カイザー砲』エネルギー充填90パーセント、セーフティーロック解除、圧力、発射点へ上昇中。

エネルギー充填100パーセント、敵目標へ軸線合わせ、ターゲットスコープオープン、電影クロスゲージ明度20。

最終安全ロック解除、エネルギー充填120パーセント、対ショック、対閃光防御。

 

 『カイザー砲拡散攻撃』発射!」

 

 次の瞬間、十分なエネルギー充填を終えて、総旗艦『ビスマルク』の先端に有る、超巨大なアダマンタイト製のドリルから凄まじいエネルギーが、『饕餮』の中央の塊に向けて拡散状態で発射された!

 

 「ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!!!!」

 

 発射された凄まじいエネルギーは、凡そ20程のエネルギー弾に拡散し、『饕餮』共の空中から直撃し、半分程の『饕餮』を葬る事に成功した。

 続けて巨大空母『グラーフ・ツェッペリン』の全砲門が火を吹き、各種魔法弾が『饕餮』共に降り注ぐ。

 ドンドンと、『饕餮』を倒して行くが、あまりにも数が多すぎるので、牛魔王を含む妖怪軍と趙匡胤軍が、遠距離攻撃の符術攻撃を開始した。

 だが、こちらの攻撃が届くと云う事は、『饕餮』の攻撃が届くと云う事でも有る。

 曲射されてくる『饕餮』の口から吐き出す火球が我等に降り注ぐが、『グラーフ・ツェッペリン』が張るバリアーで防ぎきる。

 暫く、その状態で迎撃を繰り返ししていると、残余の『饕餮』共が一つの塊となって、我等に近い陣形となった。

 漸く、総旗艦『ビスマルク』のエネルギーが回復したので、魚鱗の陣のままに『饕餮』の塊に向けて突進を始めると、『饕餮』共もこちらに突進して来る!

 

 総旗艦『ビスマルク』のアダマンタイト製のドリルが凄まじい唸りを上げて回転を始め、超巨大な軍団魔法『イフリート』を展開して『饕餮』の塊にぶつかった!

 

 『饕餮』軍の先方は、簡単に蹴散らす事になったが、『饕餮』はしぶとく横から喰らいつく様に攻撃を仕掛けてきた。

 其れに対して、牛魔王を含む妖怪軍と趙匡胤軍が、得物を振り回して『饕餮』を殲滅して行く。

 牛魔王、金角、銀角は、己の妖力を駆使し、趙匡胤殿も大刀を光らせながら『饕餮』を斬りまくる。

 

 2時間程のぶつかり合いと、後方に控えていた『グラーフ・ツェッペリン』からの砲撃により、『饕餮』は殆ど殲滅出来たが、最後方に居続けた女王?と覚しき『饕餮』が丘の上に現れ、雄叫びを上げた!

 

 「sぇjgペツ8hガオオエシrhg!」

 

 何とも聞き辛い雄叫びだが、この雄叫びの直後、モゾリと死んだ筈の『饕餮』のそこら中に散乱している死体が動き、女王?と覚しき『饕餮』に向かって洪水の様に集まって行く。

 やがて、巨大な不定形の塊と化し蠢いている。

 暫くすると、その不定形の塊は形を整えて行き、やがて凄まじく巨大な醜い化け物となった。

 その姿は、巨大な顎が特徴的な身体はドラゴンに似ているが、何ともその眼が大き過ぎる、異様な風体をしている。

 『グラーフ・ツェッペリン』内の作戦司令室にいる自分の隣で、李世民殿が苦々しげな声を上げた。

 

 「・・・・・『トン(犭貪)』・・・・・!」

 

 あの李世民殿が、明らかに震えを帯びた声を上げる。

 その巨体は今までの帝国が戦ってきた、魔獣に匹敵する程の全長5キロメートルを越える巨体を誇り、その顎は遥かに今までの魔獣を越えていて、その眼はまるで飢えた獣の様に貪欲に全てを欲して居る様に見えた。

 

 その姿を目の当たりにした、崑崙皇国の兵士達は、妖怪を含めて怯え切ってしまい、戦意を失った様だ。

 だが、我等帝国軍は違う!

 そう、我等帝国軍は、此の様な場面を幾度も覆してきた、神の如き指導者を推戴してきたのだ!

 そして、何時もの様にアラン様は、総旗艦『ビスマルク』の舳先に向かい、堂々たる風情で『トン(犭貪)』を睨み吸えると、言葉を発した!

 

 「対外敵プログラム"武神アラミス"起動!

 

 モード『異空間からの侵略者』!

 

 『神人』の要請に従い顕現せよ!

 

 神鎧『ジークフリート』!!!」

 

 そう、アラン様の真の戦闘力を此の東方にて披露する、戦闘がいよいよ始まろうとしていた!

 




 今回戦った『饕餮』と云うのは、映画『グレートウォール(長城)』で出て来た怪物で、非常に獰猛な群れ成す恐るべき魔獣です。
 そうだな『グレートウォール(長城)』以外だと、ジュラシックシリーズ定番のラプトルを更に凶暴にした感じかな。
 そして『トン 犭貪』に関しては、『蒼天航路』という漫画の最初のページに紹介されてますね。
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