人類銀河帝国 コリント朝 功臣列伝資料 「サテライト8班リーダー ケニーの日記」(航宙軍士官、冒険者になる異伝)    作:ミスター仙人

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4月の日記⑧(人類銀河帝国 コリント朝2年)《崑崙皇国首都『洛陽』攻防戦準備》

 4月12日⑥(人類銀河帝国 コリント朝2年)

 

 一騎討ちとエキシビジョンマッチも終え、形として帝国軍と李世民殿の軍が勝ったという事で、事を収めようと行動する事になったが、崑崙皇国第一皇子たる『李建成』を見張っていた『沈光』殿と『木蘭』殿の部隊の兵が、緊急事態発生との報告を上げて来た。

 その尋常ではない慌てぶりに、取り敢えずおっとり刀で双方の上層部が一緒になって赴くと、かなり離れた場所から血臭が漂ってくる。

 アラン様と李世民殿達は、その色まで付きそうな空気に警戒し、腕利きの武人以外を周囲から去らせ、ゆっくりとその天幕に近づく。

 すると突然天幕を引き裂いて魔物が飛び出した!

 その魔物は、以前牛魔王達の妖怪軍にも居た牛頭の魔物で、我等西方の人間にとってはミノタウロスと呼ばれる魔物に酷似しているが、こいつは崑崙皇国の鎧を纏っている。

 そんな魔物が約30匹の数で我等に襲いかかって来た。

 だがこの程度の魔物が、この場にいる強者揃いの武人に勝てる訳もなく、5分程で全て始末した。

 問題はその後である。

 

 そもそもこの魔物は突然何処から現れたのか?

 この天幕に居た筈の崑崙皇国第一皇子『李建成』と、その取り巻きはどうなったのか?

 何故天幕近くに居た警備兵だけが殺されているのか?

 

 この状況を確認精査する為に、救護隊に連れられ怪我をヒール等で癒やされた後に、安静にして貰っていた、『楊大眼』『蘭陵王』『霍去病』殿達に現場に来てもらった。

 

 「な、なんだこの惨状は?!」

 

 楊大眼殿が呻き声を上げ、他の二人も絶句している。

 だが何時までも呆けている訳にはいかず、直ちに人間と牛頭の魔物の死体を全員で調べて行った。

 そして以下の事が判った。

 

 1,外から牛頭の魔物が侵入した形跡は無し。

 

 2,牛頭の魔物が着込んでいた鎧類は、事前に崑崙皇国第一皇子『李建成』と、その取り巻きが着込んでいた鎧類と同じ。

 

 3,崑崙皇国第一皇子『李建成』と、その取り巻きの死体や血等の跡は一切無い。

 

 以上の事から考えられる事は、元々牛頭の魔物が崑崙皇国第一皇子『李建成』と、その取り巻きになりすまし、バレそうになった為に、警備兵を殺して逃げようとしたのでは無いか?と云う線が濃厚そうだ。

 

 となると、敵である朝廷側は、最初からこの中央軍を信じていなくて、偽物の崑崙皇国第一皇子『李建成』と、その取り巻きを派遣していた事になる。

 こうなると逆に『洛陽』で平民になりすまして、朝廷を監視している中央の軍人達が敵の虎口にいる事となってしまった。

 

 その事実に気付いた我々は、此処に居る軍人の振りをしている平民に、順次『南京』への移動を指示して、その為に『南京』とのトレーラーでのピストン輸送と、住居や食料等の生活インフラと対応を、帝国の各大臣にアラン様が指示し、李世民殿達はその帝国との対応を『魯粛』『諸葛瑾』の両者とその属僚に任せると、楊大眼殿達の中央軍所属の武将の方々と共に、直ちに『洛陽』に進撃する事に決めた。

 

 4月15日(人類銀河帝国 コリント朝2年)

 

 『洛陽』に進撃しながら、度々自分の乗る巨大空母『グラーフ・ツェッペリン』の大会議室にて将官が集まり、『洛陽』の様子と今後の指針を決める会合をもった。

 現在『洛陽』の中枢たる紫禁城は、一切の外界との接触を断ち、不気味な静けさを保ち外からの情報を得る様な偵察行動が出来ないらしい。

 然も、朝廷で働く2万人に及ぶ宮廷出仕のあらゆる職種の人間が、3日前から家に帰還していないそうだ。

 なので、超高性能ドローンによる高性能な探知魔法と高性能マイクにより、表層部だけではあるが宮廷の様子を探ると、何と牛頭の魔物が宮廷で徘徊している。

 この様子と、牛頭の魔物達が会話している内容がとんでもないものだったので、帝国軍と李世民殿の軍は座乗する帝国艦隊と共に進軍する騎馬隊の進軍するスピードを早めた。

 それと共に、帝国の中央情報局所属のカトウ始め300人のエージェントに伝えて、洛陽にいる中央軍の指導部と連携して、洛陽からの脱出を指示した。

 

 4月17日(人類銀河帝国 コリント朝2年)

 

 順調に洛陽からの脱出が進んでいたのだが、どうやら気づかれたらしく宮廷から牛頭の魔物の軍隊が、中央軍と衝突し始めた。

 中央情報局所属のカトウ始め300人のエージェントと、洛陽にいる中央軍の精鋭が殿となり、中央軍の脱出を急がせたが、信じ難い人数の牛頭の魔物の軍隊が湧き出てくるのでかなり厄介な様だ。

 なので帝国軍の殆どのドローンを出動させ、中央軍のフォローに全力を上げて行動する事とした。

 他にも進軍スピードの早い戦闘車両と戦闘バイクを、最高スピードで出動させて、脱出する中央軍の援軍に向かわせた。

 後もう少しで洛陽、という距離に到達すると、遠景で洛陽が見えた。

 すると洛陽の上空に漏斗状の黒雲が広がっている。

 明日には洛陽近郊には、帝国艦隊が到達出来るだろう。

 この状況なら明日そのまま戦闘に入るのが確定なので、全軍覚悟を決め戦闘準備を整え始めた。

 

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