人類銀河帝国 コリント朝 功臣列伝資料 「サテライト8班リーダー ケニーの日記」(航宙軍士官、冒険者になる異伝) 作:ミスター仙人
4月26日③(人類銀河帝国 コリント朝2年)
躯体5体が全力で食い止めようと、武器を振り翳し攻撃を再開。
其処へ魔石を呑みまくって、妖力を限界超えさせ、变化により巨大化した牛魔王・金角・銀角・牛頭・馬頭が参戦した。
その鬼気迫る攻撃に堪らず蚩尤は、
「ヌイhgbゾbhPgmビ!」
と意味不明な雄叫びを上げ、更に空間に開いた穴を広げようと妖力を集中させている。
そしてアラン様は最後の切り札を切る。
何時もの様にアラン様は、総旗艦『ビスマルク』の舳先に向かい、堂々たる風情で『蚩尤』を睨み吸えると、言葉を発した!
「対外敵プログラム"武神アラミス"起動!
モード『異空間からの侵略者』!
『神人』の要請に従い顕現せよ!
神鎧『ジークフリート』!!!」
もう此れで帝国軍としても崑崙皇国軍としても、全ての力を使うつもりで投入する事になった。
アラン様はその『神人』としての能力を用い、次元の壁をこれ以上広がらない事に『次元ロック』を掛けた。
明らかに蚩尤は、自分の能力が阻害され、これ以上空間の穴が広がらなくなった事に衝撃を受け、その原因たるアラン様を敵視し、残された2目から極太の光線を放つ!
当然、その程度の攻撃など神鎧『ジークフリート』を纏ったアラン様に届く訳も無く、アラン様は蚩尤の眼の前に浮かぶと、只の蹴りを蚩尤の突き出た鼻にぶち込んだ!
「ェsキrhbpレアン!」
その巨大過ぎる鼻を押さえながら、蚩尤はもんどり打つ様に倒れ込み、憎悪に歪んだ顔付きでアラン様を睨むと突然自分自身が開けた空間の穴に向かって飛んだ。
そのまま空間の穴に取り付くと、無理矢理空間の穴を大きくする為に、3本の腕と両足をつっかえ棒の様にしている。
そのままの形で踏ん張る蚩尤にアラン様も閉口してしまった。
何故なら、神鎧『ジークフリート』の能力は絶大である。
だが、絶大であるが故に、この様なポジションを取られると、得意の次元攻撃を使用すると、誤って次元を裂き空間の穴を広げてしまいそうだ。
このままでは不味くなる一方だ、と誰もが思うが、解決策が見つけられない。
重い空気が辺りに漂う中、巨大化した牛魔王・金角・銀角・牛頭・馬頭が、李世民殿達に申告した。
少し判り辛い話し方だったが、辛うじて翻訳出来、その内容を要約すると、
「・・・我等は妖怪ながら、崑崙皇国の武将である。
にも関わらず、『蚩尤』の能力の洗脳により、崑崙皇国の無辜の平民を虐殺してしまった。
なので最後は、崑崙皇国の武人として、自らの矜持を取り戻す為にこの『蚩尤』と刺し違えたい!
ついては力添えをして頂き、自分達はその力を背景に、空間の穴ごと『蚩尤』を道連れにしたい!」
とかなり聞き取りづらい言葉で、李世民殿達に申し出られたのだ。
この申し入れに、皆が絶句したが、かと言ってこれ以上の現状を変える方策を、皆持ち合わせていない。
暫く皆が葛藤していたが、妖怪達は止める間もなくそれぞれが蚩尤の身体に、纏わりついた。
金角は右腕、銀角は左腕、牛頭は右足、馬頭は左足、といった具合にしがみついた。
このままでは、その目論見まで潰えそうになったので、仕方なく帝国艦隊と躯体から妖怪たちに、魔力と符術による妖力が届けられる。
その届けられた力のお陰で、より身体を大きく变化させて、蚩尤の抗う力を阻害する。
そして、やや遠い場所に陣取って力を溜めて、本性である体長1,000丈(3,330m)、体高800丈(2,666m)の白牛になった牛魔王は、まるで闘牛が突進する前の様に足を地面で掻き、土煙を立てている。
力を溜めるのも充分とみた牛魔王は、その凶暴なまでの角を先頭に地面を蹴立てて、凄まじい突進で蚩尤の胴体に対してぶちかましをかました!
「家rフbガエピr@ザyj@チ!」
と聞き取りづらい雄叫びを上げて、辛うじてそのぶちかましに耐えた蚩尤の顔面に、アラン様の流星の様な軌道の蹴りが炸裂した!
その瞬間、空間の穴のつっかえ棒をしていた、蚩尤の腕と足は見事に剥がれて、空間の穴に落ちていった。
同じく落ちていく妖怪達は、その顔に満足そうな笑みを浮かべて、崑崙皇国特有の礼儀である、左手で包む様に右手の拳を包み頭を下げて空間の穴に落ちていった。
我等帝国軍は、右腕を胸の前で掲げる礼を返し、崑崙皇国軍の方々は妖怪達と同じ礼を返していた。
そんな中、アラン様だけはその空間の穴から見える風景の一部を凝視している。
その異様な様子に、幾人かが気づきその方向に目を向けた。
どうやら、其処には幾筋もの光り輝く航跡を刻む何かが集結している様だ、だがだとするとその数は凄まじいと云って良い数だ、何故ならその光り輝く物だけで、その背景の一部が星の様に白くなっているのだ。
概算だが、その数の単位は少なく見積もって億、或いは兆となるだろう。
そのあまりの数に呆然としていると、
「・・・バグズの方面艦隊・・・!」
と以前にも聴いたことの有る「バグズ」という不吉な言葉を聞き、思わずアラン様に目を向けると、信じ難い事にあのアラン様が、無限の憎悪に顔を歪ませて、唇をかんでいる。
暫くすると、空間の穴も維持出来なくなったのか、消えて行ったが、その消える瞬間までアラン様はその一点を見続けていた。
自分は、久々にある種の予感に囚われた。
其れは、今後の帝国の本当の敵と、真の意味で邂逅したのだと云う予感である。