人類銀河帝国 コリント朝 功臣列伝資料 「サテライト8班リーダー ケニーの日記」(航宙軍士官、冒険者になる異伝)    作:ミスター仙人

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5月の日記①(人類銀河帝国 コリント朝2年)《神機『応龍』の真の乗り手》

 5月4日(人類銀河帝国 コリント朝2年)

 

 漸く『南京』に着いて、郊外の駐屯地に帝国艦隊は駐留する事になり、上層部の方々は『南京』の四方のドームに分散して寝泊まりし始めた。

 『魯粛』殿と『諸葛瑾』殿が中心となり、一旦更地にして超巨大ドームを構築している新『南京』は、基礎工事を大量のボットが行ってくれているので、区画整理の終わった区画から、帝国の技術者の指導を受けた崑崙皇国の人民がドンドン重機を操作して、様々な建築物を建築している。

 やはり、帝国の技術者の指導を受けているとはいえ、外観・内装共にどうしても崑崙皇国風味になるのが、人の意識とは如何に同じ『ナノム玉』を服用していても変わらないなと、妙な所に感心してしまった。

 

 5月5日(人類銀河帝国 コリント朝2年)

 

 此の日も龍脈門(レイライン・ゲート)を通じて凄まじい数の人員が、帝都コリントと行ったり来たりしている。

 そんな人々に混ざる様に、自分の妻子であるミーシャとケント、更には母と妹がやって来た。

 そして予め来ていた賢聖モーガン殿とケット・シー128世、そして妹が連れてきたカー君とバンちゃんが合流して、アラン様と崑崙皇国の重鎮達との集合場所に向かった。

 そして全員が集まると、新築間もない綺麗な廟に向かった。

 其処には、例の『蚩尤』の復活の封印解除に使用された、神機『応龍』が封じられた岩が厳かに置かれている。

 賢聖モーガン殿が、ケット・シー128世と頷き合い、

 

 「さあ、ミーシャさん。

 息子であるケント君を連れて、この台座まで来てくれるかしら?」

 

 と発言し、その言葉に促されてミーシャがケントを抱いたまま、神機『応龍』が封じられた岩の前にある台座に進んで行った。

 暫くして、息子のケントの産着の懐から、青い光りが輝き出す。

 そして其れに呼応する様に、神機『応龍』が封じられた岩が、脈動する様に青い光りを放ち始めた。

 

 「・・・やはり当たりね、『星の涙(スター・ティア)』が反応したわ。

 ケリー殿、ミーシャさん。

 貴方方の息子さんのケント君の、専用乗機にして神機NO,2『応龍』が確定したわ。 

 この瞬間を私達惑星アレスに於ける調整者派遣の生体監視端末は、どれ程待ち望んだ事か!

 

 我『星人』個体名『モーガンNO.11』

 

 『星猫(スター。キャット)』個体名『ケットシーNO.128』

 

 『レッド・カーバンクル』個体名『フレイムNO.111』

 

 『ブルー・カーバンクル』個体名『アイスNO.123』

 

 以上の者達の完全承認を以って神機NO,2『応龍』の真の乗り手《ケント・マグワイア 》を認証する!」

 

 と厳かに賢聖モーガン殿は歌われる様に、言葉を紡がれた。

 

 重要な事態が判っているとはとても思えないが、我が子ケントは相棒の星猫ベータを纏わりつかせながら、神機『応龍』が封じられた岩に向けて、まだ短いその手を伸ばした。

 

 すると、ケントの懐に有る『星の涙(スター・ティア)』が青い光りを収束させて、一直線に神機『応龍』が封じられた岩の表面に有るレリーフに放った!

 

 「バガンッ!」

 

 と云う音と共に岩が割れて、厳かな青い光りが漏れ出した!

 そして神機『応龍』はその優美な姿を露わにした。

 その姿は正に美しき龍!

 青い鱗を全身に纏い、両の前足に龍玉を掴み、その太い足はシッカリと置かれた台座を踏みしめていて、背には立派な翼を生やしている。

 だが、その全体は透明なクリスタルの様な物が覆っていて、人の手に触れさせる事を、明確に拒んでいた。

 

 「・・・やはり、ケント君が乗れる様に成るまで、完全には開封されないのね。

 まあ、他の4体もこの様な状態でしか出会えないとは、想像出来てるけどね・・・。

 それでも、始めての神機が問題無く封印から出てくれたわ、今後も同様になると良いわね!」

 

 とにこやかに賢聖モーガン殿は言われた。

 

 其れに対して、妲己殿は、

 

 「いや、本当に良かった!

 悠久の彼方から、神機『応龍』を崑崙皇国は神々から預かっていたが、本日とうとうその封印が解かれる佳き日に立ち会えたのは、本当に僥倖と思う。

 ただ残念な事に、肝心の乗り手が崑崙皇国出身者では無かった事だが、しかしそれも愚痴と云うべきだな」

 

 と些か残念そうに言われたが、其れに対して賢聖モーガン殿は首を振られた。

 

 「そんな事は無いのよ!

 妲己殿、偶々神機『応龍』の乗り手は、帝国出身者であるケント君だったけど。

 神機の数は10機で、今現在乗り手が判っているのは5機まで。

 つまり、残り5機の乗り手として、将来崑崙皇国の出身者が選ばれるかも知れないわ。

 私の把握している伝承では、ここ崑崙皇国の伝承と一致する神機は後2機あるの。

 その名は、神機NO,7『伏犠』そして神機NO,8『女媧』この2機はこの地と縁が深いし、恐らくは今後貴方とご主人の李世民殿の間の子も、充分その資格が有ると想うの。

 期待してるわ!」

 

 と言われたので、李世民殿と妲己殿は顔を真っ赤にして俯いてしまった。

 此の場にいた全員はその様子を見て、皆で和やかに両者の間の子が健やかに生まれる事を願った。

 

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