人類銀河帝国 コリント朝 功臣列伝資料 「サテライト8班リーダー ケニーの日記」(航宙軍士官、冒険者になる異伝) 作:ミスター仙人
5月10日(人類銀河帝国 コリント朝2年)
超巨大ドーム『南京』が出来上がり、いよいよ周辺都市への魔導列車等のインフラ整備に重点を置く形で、新しい仕事場用の工場都市や工房都市が、この超巨大ドーム『南京』の周りに建築し始めている。
かなりの人数がこの都市群と、周辺の都市に集まってくる。
しかし、この崑崙皇国の人民の数は凄まじいな、もう既にこの地域周辺の人口だけで1億人も居たのだが、仕事を求めてと、新たな首都になると聞いて更に1億人もの人民が、流入してきた。
なので、帝国からの新しいシステムである会社や公社等の組織、新たなるポイントと云うギニーに代わる貨幣システムの教育を始めている。
西方教会圏で培われていた様々なギルドと良く似た、行、作、幇(ばん)という組織が有り、その組織の首脳陣と大商人、そして大豪族達に帝国の経済システムを馴致させ、巨大組織の基礎を構築させる事になった。
その際に、『魯粛』殿と『諸葛瑾』殿は、自分たちの一族や他の有力者の優秀な若者達を推薦し、官僚や武将に育てるべく帝国への留学を打診し、アラン様はそれを快く受け入れた。
5月11日(人類銀河帝国 コリント朝2年)
大体の今後の帝国との提携の形を構築させたので、超巨大ドーム『南京』の城郭まえの大広場で、3万人の規模となる大宴会が行われた。
則天武后が主催者となり、これから共に新しい関係を築く帝国との友好を祝して、開催されたのだ。
いたるところで様々な立場の者が、混じり合い互いのこれからの健勝を祝い合う。
自分も仲良くなった、崑崙皇国の武将達とその細君に、自分の家族であるミーシャとケント達を紹介する。
楊大眼殿は、奥様の潘氏殿とその息子達、楊甑生・楊領軍・楊征南を自分に紹介し、是非帝国の士官学校に入学させて欲しいと願われたので、
「勿論ですが、当然厳しい訓練と学習になりますよ」
と答えると、楊大眼殿の息子達、楊甑生・楊領軍・楊征南は、
「「「望むところです!」」」
と元気よく返事したので、楊大眼殿と共に笑い合って場が和んだ。
そんな中、アラン様が壇上に登られてある話題を提供された。
「皆、宴もたけなわで楽しまれている処に、帝国として或るイベントの報告をさせて貰う!
昨年の6月に第一回『世界武道大会』と云うイベントをザイリンクという都市で、開催して大いに日頃から武術を研鑽していた者達の発表の場として、盛り上がったイベントとなったので、今年も6月に第二回『世界武道大会』を同じザイリンクという都市で、開催する運びになった。
崑崙皇国の腕に自信のある者達には、是非参加して貰いたい!
この『世界武道大会』への参加者には、交通費支給、滞在費支給と云う帝国としての優遇措置を図らうので、遠慮なく応募して貰いたい。
因みに昨年の第一回『世界武道大会』の様子を見せよう!」
と表明されると、超巨大立体プロジェクターが空中に、昨年の第一回『世界武道大会』の試合風景を動画再生し始めた。
其れは、予選大会でのやり取りに始まり、決勝戦での剣王VS剣王、拳王VS元拳王の達人同士の高度な武術の戦いの記録であった。
流石にその後で行われた、裏の武道大会とも言うべき、アラン様の憂さ晴らし大会こそ流され無かったが、多角的な方向から映されたその動画は、武人と呼ばれる崑崙皇国の武将達の関心を惹きつけた。
その第一回『世界武道大会』の動画を見終えると、かなりの人数の武将の方々が、名乗りを上げてアラン様へ質問して来た。
1,剣以外の武器での部門は有るのか?
回答)剣とそれ以外と云う分け方はせず、両手持ち武器部門・弓矢等遠距離部門・近距離武器部門・徒手空拳による格闘部門の4つの部門に分ける。
2,拳聖・剣聖がオブザーバーと審判役を行っているが、彼らとの対戦は無いのか?
回答)拳聖・剣聖との対戦は無いが、後に師弟関係を結んでいる物が多いので、その際に個別に挑む事は出来るから、各々で判断せよ。
3,この『世界武道大会』に参加する事で、帝国軍への仕官に役立つのか?
回答)厳密な意味合いでは無いが、現に成績優秀者の上位20名ずつは皇帝親衛隊となっているので、帝国軍でこそ無いが、所謂皇帝直轄の馬廻衆という立場になる、但しアラン様はいざとなれば最も危険な最前線へと立つので、死傷率も高い。
と言った説明が為されたが、武将の方々の興奮具合は、より増した様である。
然も、より高位の武将方のほうが参加する気満々の様である。
アラン様も、やや苦笑いをしている様だが、やはりご自身が非常に武人らしい性格の為か、本当の処は嬉しそうな事が付き合いの長い私は、見て取れた。
5月15日(人類銀河帝国 コリント朝2年)
諸々のイベントや、契約等の手続きも終え、我等帝国軍は帝都コリントへと帰還する事となった。
だが事実上、龍脈門(レイライン・ゲート)によって殆どタイムラグ無しで行き交えるので、『南京』と帝都コリントは隣同士の都市も同様だ。
それ故に、大げさな式典などする事も無く、単にちょっと離れた自宅に帰る様に帝国艦隊を龍脈門(レイライン・ゲート)を通して向かうだけで、双方の物流関係の人々など、日に何度も行き交っている。
だが、何だかんだと云っても、実に数ヶ月間帝都コリントに自分は帰って居ないので、相棒のガイや親友達に会えるのが楽しみである。
沢山の土産話と、6月の第二回『世界武道大会』にワクワクしながら、龍脈門(レイライン・ゲート)を通って帝都コリントに帰還した。