人類銀河帝国 コリント朝 功臣列伝資料 「サテライト8班リーダー ケニーの日記」(航宙軍士官、冒険者になる異伝) 作:ミスター仙人
この閑話シリーズを終えると、世界武道大会と若干短い日の本諸島での話しが有ります。
そしてまた閑話を挟み、第二部最終章のアラム聖国と謎の大陸編に入ります。
そしてそれも終わると、いよいよ第三部に突入します。
乞うご期待!
私の赤ちゃんのケントが産まれて1週間が経ち、漸く育児にも慣れて来て、落ち着いた時にアスガルド城に妻子で呼ばれ、『星の涙(スター・ティア)』と云う綺麗な魔宝石を渡されたわ。
何でも息子のケントの専用機体との絆である神々の遺物らしいの。
『アポロニウス皇太子殿下』と、ほぼ同時に産まれて来ただけでも恐れ多いのに同じ物を戴くなんて、とても光栄だわ。
何れこの『星の涙(スター・ティア)』が、息子ケントを神機と言われる神々が残した専用機体へ導くらしいけど、そうなるとつまりケントは既に、帝国軍人にして『アポロニウス皇太子殿下』の幕下に加わっている事に成るんじゃないかしら?
私や旦那のケニーは喜ぶべき事だと想うけど、本人は喜ぶかしら?
そういったケアを私達夫婦と周りの家族は、考えないといけないわね。
同僚にして同じ女子会メンバーの、セリーナ・シャロン両准将とアラン様の婚姻式が12月25日行われたわ。
内輪での婚姻式なので、あまり大っぴらに告知してはいないけど、女子会メンバーを通じて帝国上層部と帝国軍には、詳細が通達されてるの。
何故かと言うと、実は当初のクラン・シャイニングスターが発足して暫くすると、クランメンバー内の男性数人がセリーナ・シャロン殿(当時は副リーダー)に交際を迫る事態があり、コリント領(現在の帝都コリント)での軍の正式編成、更には軍団が構成されて行くと、その争奪戦と言うべき事態は規模が洒落にならないレベルに拡大したの。
あまりにも大騒ぎになったから、ガス抜きの意味もあって公にならない形で、武人としての解決策として勝ち抜き戦の格闘武道大会が行われたわ。
結果から言うと、結局決勝を勝ち抜いた代表者2人とのセリーナ・シャロン両者が戦い、脆くも代表者2人が敗れてしまったの。
続けて何故か、アラン様がセリーナ・シャロン両者から挑まれて、セリーナさんを『紅朱雀』シャロンさんを『千鳥』と云う、コリント流格闘術の奥義で黙らせたので、今後セリーナ・シャロン両者に交際を迫る条件として、《アラン様を倒さなければいけない》と云う、神でも不可能な条件が帝国軍内で不文律となったわ。
そんな経緯もあって、半ばアラン様の側妃という立場は帝国軍内では、公認と云う事になっていたのだが、それが公式となったのが今回の婚姻式なの。
出席者全員が祝辞を述べる中、クレリア様がセリーナ・シャロン両側妃の前に進まれ、腕に抱かれた『アポロニウス皇太子殿下』を差し出されると、セリーナ・シャロン両側妃は微笑まれ二人で受け取り、大事そうに二人で抱えての、すると『アポロニウス皇太子殿下』はまだ短い両手を懸命に伸ばし、お二人の頬を触られたの。
その仕草に、お二人は感極まったのか瞳を潤ませて『アポロニウス皇太子殿下』の頬に両側から、とても優しいキスをされたの。
そのキスを受けて、『アポロニウス皇太子殿下』は「キャッ、キャッ、」と喜ばれたわ。
その仲睦まじい様子に、正妃と側妃の蟠りは無いようで、帝国の上層部の方々がホッとため息をついたのが、傍目にも判ったわ。
過去、どれほどの王朝が正妃と愛妾の対立によって滅びたかは、歴史の教科書にいくらでも載っているのだから。
12月31日、アスガルド城の皇子宮に出向き、明日の人類銀河帝国生誕1周年記念セレモニーのリハーサルを終えて、寛がれておられるアラン様とクレリア様、そして他の赤ん坊と一緒に戯れているアポロニウス皇太子殿下に、挨拶の礼を述べて息子のケントをアポロニウス皇太子殿下と他の赤ん坊の輪に連れて行ったわ。
このアポロニウス皇太子殿下と他の赤ん坊達は、息子のケントを含め、普段の家の中ではそれ程手の掛からない良い子なのだけど、この様に5人が一堂に会すると突然活発になり、何時も大騒ぎなの。
まだ生後2ヶ月足らずなのに、盛んに意思表示を示し、部屋にある玩具の取り合いや、それぞれの相棒で有る星猫の尻尾を掴んで振り回したり、強烈な泣き声を張り上げたりと忙しなくなるわ。
かと言って、5人の1人でも引き離そうとすると、赤ん坊全員が火を吹くようなギャン泣きをしてしまう為に、何時も5人全員が寝付くまで離す事が出来ないの。
だから、アポロニウス皇太子殿下付きの専門職員(例のおばさん3人含む)は、元気過ぎる程の赤ちゃんズを目一杯遊ばせて体力を限界まで使わせて、一刻も早い就寝を目指す事を至上命題にしている様ね。
デザートのザッハトルテを戴きながら、来年崑崙皇国に向けてアラン様自身を中心としたトップ同士の外交を考えた使節団を派遣する事を説明されたの。
この場にいる赤ちゃん達の父親に随行して欲しいとの打診に、夫のケニーとその親友のハリーが応じ、オウカさんの旦那のミツルギ殿と、ターニャさんの旦那のシュバルツ殿は、代わりの人材として、拳王のダルマ殿と剣王のカイエン殿を推挙されたわ。
何でも、この両者は強い事は強いのだけど、強者との対戦機会が少なくて、来年の第二回『世界武道大会』までに経験を積ませないと、師匠の拳聖と剣聖に恥をかかせかねないと云う事らしいわ。
と尤もらしい事を申告してるけど、オウカさんとターニャさんから真実を聞かされているのよね私は!
何とこの二人、両方とも娘が産まれたのだけど可愛すぎたらしく、外見に似合わず子煩悩で暫くの間離れなければならないなど、到底我慢出来ないそうよ。
正直こんなに親バカで、師範や親衛隊隊長が務まるのか、凄く疑問だわ。