人類銀河帝国 コリント朝 功臣列伝資料 「サテライト8班リーダー ケニーの日記」(航宙軍士官、冒険者になる異伝)    作:ミスター仙人

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閑話70「ミーシャの思い出帳」⑫(ドラゴンの進化と帝国軍人志願兵)

 いよいよドラゴン達の進化プロセスに入る。

 ガイやサバンナ達15頭は、先年のグローリア殿が入ったコクーンに入り、エルダードラゴンへの進化プロセスをこなし、事実上最後の進化となるわ。

 その他のワイバーン達は、先年ガイやサバンナ達が受けた進化プロセスをするコクーンに入り、120頭全員がドラゴンとなるの。

 ただあまりの頭数なので3ヶ月位の日数が掛かる事になるわ。

 その間、アトラス殿とグローリア殿も、先日産んだ卵の温めと竜族の魔力を浴びせ続ける行動を、夫婦で交代交代でこなしてるわ。

 そんなアトラス殿とグローリア殿に興味本位で、産まれてくるドラゴンの名はどうするの?と聞いてみたら、

 

 「・・・実は、名前は決まっていて、『ミネルヴァ』と言います。

 『守護竜アルゴス』お祖父様が名付けてくれました。

 男女どちらでもこの名で行くつもりです!」

 

 とグローリア殿が答えてくれたわ。

 中々良い名前ね、皆もきっと喜んでくれるわよ。

 と感想を言うと、

 

 「でしょう!

 私も語感が良くて喜んでたら、旦那(アトラス殿)も『守護竜アルゴス』お祖父様に感謝してましたよ!」

 

 と、本当に嬉しそう。

 

 夫婦仲も良いようで、産まれてくる『ミネルヴァ』ちゃんも幸せね。

 

 毎日日課の様に、旦那がモニター越しに報告して来て、息子のケントの様子や家族、そしてアポロニウス皇太子殿下の様子を聞いてくるの。

 私としては、今まで交流の殆ど無い崑崙皇国で難儀していないかと云う、不安の方が大きいのだけど、色々と此方の西方教会圏との違いも物珍しくて、面白いみたいね。

 しかし、実際の処着いて早々に妖怪(こちらの魔物みたいなものかしら?)軍と戦ったとか、スラブ連邦との戦いで出会った、巨大魔獣と同等の奴等までいると、平然と言っている姿を見てると、旦那含むこの人達は危険に対して鈍感過ぎる様な気がするわ。

 空軍の留守を預かる責任者として、時折息子を義母に預けて帝国の軍事会議に参加して、軍務大臣のダルシム中将や帝都守備軍を率いるヘルマン少将と相談していると、新規に志願して来る帝国民や同盟国の帝国兵志望の平民は、現在の帝国軍人の無謀とも呼べる訓練内容(普通に魔法が飛び交い、グレイハウンドやオークを仮想敵として、単独で戦う)に、驚愕しているそうなの。

 よくよく考えてみると、従来の各国の兵士は基本人間を相手とした訓練しかしないし、それも精々軍隊行動もほぼ同数を念頭に置いた行動しか想定してないから、それ以上の敵が現れては前提条件が違い過ぎてパニックになるのが落ちね。

 だけど帝国軍の想定は、そもそも普通の敵など考えては居ないわ。

 相手は神話に登場する化け物だったり、たとえ同じ人間が敵でも普通に10倍以上の人数の場合がザラなんだから。

 やはり帝国軍に志願する以上、今までの国家の軍とは違うのだと周知する必要があるわね。

 そんな事を軍事会議で話し合い、話題としてアスガルド城の皇子宮でクレリア様との定期お茶会で上げたら、放送局のスタッフでも重鎮の旦那の親友ハリー殿の奥さんのハーマイオニーさんが、帝国軍のPR動画の内容をもっと実情に合わせた物にしようと提案してくれて、早速流しても問題無いと思われる取材と訓練内容を撮影する事になったわ。

 今までもある程度の情報は、帝国のニュースや報道番組で取り上げて貰ってたと思うけど、一兵士の一日やインタビューなどは、無かったと思うから、良い取り組みになるかもね!

 

 そんな事が有ってから1ヶ月程経つと、信じられない事により帝国軍人に志願する平民が増えて来たわ。

 結構キツい職業で有り、場合によっては死ぬ事も有り得る点を強調するPR動画だと云うのに、増えるってどういう事かしら?

 試しに空軍に配属された新兵に聞いてみたら、幾つかの内容で納得したわ。

 

 1,帝国軍人になれば『ナノム玉』を服用出来、ヒール等の魔法を直ぐに覚えられる。

 

 2,他国と違い様々な保証体制が整っていて、病院や各保養施設も使用出来る。

 

 3,ルミナス教の完全な後見が有り、実際にルミナス神と使徒のイザーク様が帝国軍を支援してくれる。

 

 こういった事を興奮気味に説明されたわ。

 何だか、覚悟を持っていない平民が軍人を目指さないように意図したのに、更に熱意を持った若者が押し寄せて来た訳。

 結局、良かったんだか悪かったんだか判らない結果ね。

 その事を、クレリア様に息子のケントとアポロニウス皇太子殿下がアスガルド城の、皇子宮でじゃれ合っている時に言うと、やや複雑そうな顔をして考え込んでしまったわ。

 詳しく聞くと、何でも華族の方々のご子息やご息女が、士官学校と官僚養成学校に進学して、帝国軍人と高級官僚になりたがっているそうなの。

 うーん、一昔前の貴族の子供は、働くなんて有り得ないのが常識だったのに、帝国では逆の価値観が当たり前になってきたみたいね。

 

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