人類銀河帝国 コリント朝 功臣列伝資料 「サテライト8班リーダー ケニーの日記」(航宙軍士官、冒険者になる異伝)    作:ミスター仙人

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閑話71「ミーシャの思い出帳」⑬(崑崙皇国への見学ツアー)

 崑崙皇国の『南京』と云う大都市と、龍脈門(レイライン・ゲート)と云う新技術と従来のアーティファクトの融合した、大規模転送ゲートが出来たそうなの。

 最近、帝国でも素晴らしく優秀な人々を輩出している『学校』でも高等教育を教える、『高等部』に進学した義妹のカレンちゃんは、その大まかな概念と利便性が判っているらしくて、時折『高等部』の上の『大学』での賢聖モーガン殿のゼミにも参加し、賢聖モーガン殿の内弟子の様な扱いなんだって。

 そのお手伝いなのか、息子のケントとアポロニウス皇太子殿下の成長記録と、『星の涙(スター・ティア)』の反応具合をレポートを取って観察してるわ。

 余っ程、この同時に産まれた5人の赤ちゃんは、賢聖モーガン殿にとって重要なようね。

 私にとっては、只々可愛い愛し子なだけなんだけど。

 

 そうこうしている内に、カレンちゃんとその親友でもある同期生達が、崑崙皇国側からの打診で、見学ツアーと云う形で来られないか?と誘われたらしいわ。

 実はこの話し、クレリア様の例のお茶会で、私には内示が有って、親衛隊の女性隊員幾人かが同行するのが決まっているの。

 ドンドンと帝国の誇るインフラ整備部隊と、各公社や会社が物流支援の為に龍脈門(レイライン・ゲート)を通じて、崑崙皇国側に向かって行く。

 それに対して、こちらの帝国にやって来る人々が居る。

 何でもあちらの元々は大豪族だったらしいんだけど、現皇帝に睨まれて追い落とされた、旧名族達ごと帝国に亡命して一旗揚げようとしてるらしいわ。

 何でも、元は現在の李朝皇族の前王朝である、『劉家』とその藩屏たる『関家』、『張家』そして『馬家』、『趙家』の人々、更に地元の名家にして今回の超巨大ドーム『南京』の旗振り役にして双璧の『魯粛』殿と『諸葛瑾』殿からも、『周家』、『孫家』、『諸葛家』が親族を率いてやって来たの。

 人数だけで千人に達したので、クレリア様が断を下して、華族専用のドームの中の一角を用意してあげたわ。

 その特別待遇と、西方教会圏にとって珍しい文化と歴史を持っているだけに、今では帝都コリントに大崑崙皇国ブームが起こっているの。

 毎日凄い量の物流が行われていて、先程の亡命以外にも、職や商売の為の交流が盛んに行われてるわ。

 実際、サイラス、タラスの2大商会は、凄い人数の崑崙皇国出身の人を雇用してるし、あちらの豪商とドンドン提携してるらしいわ。

 

 そしてとうとう、カレンちゃんとその親友でもある同期生達が、見学ツアーと云う形で、崑崙皇国に向かったの。

 まあ、それぞれのご家族の内、少なくてもお一人が随伴してるみたいだから、事実上家族旅行に近いわね。

 そんな一団でも目立ってるのが、私達の家族にして『シルバー友の会』代表で有り、帝都コリントに於ける老華族でも一際目立つ、義祖父祖母の4人組で有る!

 何故このパワフル極まりない4人組が、この一団に紛れ込んで居るかというと、ある理由があるの。

 この4人組は、サイラス、タラスの2大商会とも強力な繋がりが有り、何時の間にか魔導列車と旅客用のトレーラーで旅するツーリストの企画運営会社を起ち上げていて、今回は新たな巨大ツーリストのイベントや名所旧跡を開拓する為に、本人達自ら崑崙皇国を現地の有力者から案内させるつもりなの。

 しかし、この人達どんなバイタリティーの持ち主なのかしら。

 とっくに引退して然るべき年齢なのに、むしろこれからが働き時と言わんばかりに、帝国の有力華族からも出資して貰い、先程書いたツーリストの企画運営会社を起ち上げて、放送局にも特番の旅行番組を放映させたり、出版物の発行等をしているわ。

 そのお陰で出資金は既に返済し、それどころか従業員も雇っていて、今回の崑崙皇国旅行にも30人からの随行員も伴っているわ。

 でもそんな人達だからこそ、全然けちくさく無くて、崑崙皇国に着いて早々に各種の珍しい産物等を、実況で放送局を通して、帝国全土にライブで買ったり食べたりしてるシーンを流すから、モニター越しの帝国民にとっては大人気らしいの。

 そんな反響が有っている事も、仲良しのママ友、ハーマイオニーさんから笑いながら聞かされて、何だか恥ずかしくなっちゃったわ。

 

 でも、呑気な話しよね、アラン様と旦那達は今頃、『蚩尤』とか云う凄い敵と雌雄を決するべく、遠い『敦煌』で戦ってると言うのに、もう勝負が着いて勝利後の計画や行動が決まってるんだから、『蚩尤』とか云う敵が可哀想な気がするわね。

 と云っても、崑崙皇国以外の帝国とその同胞たる西方教会圏の人々にとっては、帝国軍が勝つのは当たり前で、其処に疑問を呈する人間が殆ど居ないのも、当然みたいになっている。

 然も、帝国の上層部の人間程、その傾向が強いので、どうしようも無いわね。

 

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