人類銀河帝国 コリント朝 功臣列伝資料 「サテライト8班リーダー ケニーの日記」(航宙軍士官、冒険者になる異伝) 作:ミスター仙人
1月1日(コリント朝元年)
人類銀河帝国がこの日正式に発足し、アラン様とクレリア様が婚姻式をなさったの。
お二人のご衣装を私達のグループが、この一ヶ月半の間掛かりっきりでやり上げただけに、満足した物ができあがったわ。
娘のカレンとテオ君とエラちゃんも、私達が手掛けた小姓用の儀典用衣装で参加し、問題無く両方の式典を終えたので、一安心ね。
それにしても私達は、何時の間にか華族の一員になっていて、アスガルド城の華族用の席に着いていて、普通に給仕役の城付きの職員が、お祝い用のカクテルを運んできて、それを手に乾杯の唱和に参加出来るなんて、昔の境遇を考えると夢のようね。
1月15日(コリント朝元年)
とうとう私の息子ケニーが、同僚さんのミーシャさんと結婚したわ。
以前の婚約時からも、順調にお互いの仲を育んで、より私達家族との仲も深めていたので、私はこの結婚に一も二も無く賛成で、ご近所からも羨ましがられてたんだけど、アラン様とクレリア様の婚姻式の影響らしくて、あんまり結婚を望むカップルが多いから、息子ケニーと同僚さんのミーシャさんの結婚も、他多くのカップルと同時の合同結婚式となったわ。
幸いなのか、ヨハネ教皇猊下とゲルトナー枢機卿が主催してくれる上に、アラン様とクレリア姫様始め帝国の上層部が、短時間とは云え臨席して下さるのだから大変有り難い事ね。
ヨハネ教皇猊下が聖句を唱えてくれて、ゲルトナー枢機卿の牧師席の前に順番に並んで誓約を2人で誓い、それをゲルトナー枢機卿が承認して行き、最後にアラン様とクレリア姫様が祝辞を述べてくれて、一連の儀式は終わり、息子と親友達の合同披露宴を1フロアを借り切ったホテルで盛大に行い、家族や友人更には同僚達も参加してくれたわ。
感慨深いものね。
今から二十数年前には、私の腕の中で小さい手を思いっきり伸ばして、私の顔を触っていた赤ちゃんが、今では独り立ちして、己の家族を作ろうとしている。
夫のガトルも感動したのか、涙こそ流さないけど、お酒を飲むピッチが上がってるわ。
合同披露宴も終わりに近づくと、夫のガトルと相棒のドップさんそして何故か居るホシとジョナサンが、悪ノリして水をケニーとその同僚に掛けまくったので、新郎全員が豪雨にあった様になり、其々のホテルの一室に新婦共々退場したの。
後から聞いたら、何でも旧スターヴェーク王国での因習で、ワザと新郎新婦の時間を作ってやるべく、着替えさせるんだって。
呆れちゃうわね、自分達の時に何故無かったか聞くと、「結婚式なんてお貴族様しか出来なかったじゃねえか!」と言われたの。
「そう言えばそうね」と返したら、突然顔を真っ赤にして、「何時も、感謝してるぜ、母ちゃん!」だって、私も多分顔を真っ赤にしてたわね。
3月25日(コリント朝元年)
娘のカレンから、ミーシャさんが懐妊したと云う大ニュースが舞い込んだわ。
然も同僚の何人かも同様に懐妊してる見たい。
私の時は、夫のギルドの伝手で産婆さんを手配して貰い産む事になったけど、それまでは特段変わらずに働いていて、いよいよ産み月になってから安静にしたけど、帝国では頻繁に定期検診を受けて、赤ん坊の状態に気を配るんだって。
凄く恵まれてるわねー。
娘のカレンと相談して、定期検診に付き添ったり、諸々の準備の手伝いを交替で行う事にしたわ。
4月15日(コリント朝元年)
帝国全土に凄い衝撃が走ったわ!
息子夫婦の赤ん坊のが男の子という吉報に続いて、クレリア様の懐妊が娘から伝わったのよ!
娘は大好きなクレリア様が赤ちゃんを懐妊したと云う一事で、ひたすら浮かれまくっているようだけど、私達旧スターヴェーク王国の国民にとっては、真の意味でスターヴェーク王国が復活したと感じたわ。
何といっても、スターヴァイン王家の正統後継者、そして男児である事が判ったのだから。
周り近所始め、旧スターヴェーク王国出身者は出会う人全てが喜び合って、今日は仕事が手につかないわね。
4月25日(コリント朝元年)
娘のペットであり、友人のカーバンクルで有るカー君とバンちゃんのお陰で、『ルンテンブルク館』群の一角の邸宅に入居する事になったの。
私も面識の有るケットシー128世と云う、お猫さんが諸事情でこの館を出る事になって、旧知のカー君とバンちゃんに譲渡した見たい。
まあ、家族の増えた私達には非常に有り難い事ね。
だからお礼に、カー君とバンちゃんが大好きな、フルーツたっぷりのカシューナッツを、毎回の夕飯後のデザートに上げたら、とてもうれしそうに「クゥー!」と鳴いて頬ずりしてくれたわ。
喜んでくれて良かったわ。