人類銀河帝国 コリント朝 功臣列伝資料 「サテライト8班リーダー ケニーの日記」(航宙軍士官、冒険者になる異伝)    作:ミスター仙人

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閑話86「マゼラママの徒然日記」⑭(熾烈!夫対娘の『マリオン』君争奪戦!)

 9月1日(コリント朝元年)

 

娘が『学校』の高等部に進級したわ。

 然も娘のカレンが、中等部を首席で卒業したから総代挨拶をしする事になったの。

 お陰で私も昨日まで、この総代挨拶の練習に付き合わされたわ。

 まあ、『マリオン』君が娘の総代挨拶文も添削してくれたから、私は娘が緊張で噛まずに喋れるかのチェックをしてただけなんだけどね。

 

 その努力もあって、娘は母親から見ても問題無く総代挨拶をこなし、続いて『魔法大国マージナル』の『魔法学校』からの留学生代表として挨拶した『マリオン』君も、立派にこなしたから来賓席に座っている事も忘れて、誰よりも強い拍手を上げてしまったわ。

 だってしょうがないじゃない!

 あの幼かった娘が、何千人と云う新入生の代表として、挨拶したのよ!

 凄く立派になったわ。

 夫が私を嗜める様に、

 

 「拍手が強すぎるぜ!」

 

 なんて言うものだから、

 

 「娘の総代挨拶を親が喜ばなければ誰が喜ぶんの?」

 

 て、返しちゃった。

 当たり前よね。

 娘の一世一代の晴れの日を喜ばない母親が居る訳無いじゃない!

 夫の隣に座って居るタルスさんと奥さんのラナさんも、二人して満足そうにひたすら頷いてるし、他の保護者の方々も我が子の成長した姿に、喜ばれてるわ。

 

 9月15日(コリント朝元年)

 

 『マリオン』君が娘を誘って、夫の工場に出向くみたい。

 娘はあまり乗り気では無い様だけど、『マリオン』君は凄く楽しみみたいで、凄く目を輝かせているわ。

 やっぱり『マリオン』君も男の子よね。

 夫の管轄する港湾施設と工場に行くのがとても楽しみらしく、娘と云うより、夫の仕事場に行く大義名分を得る為に娘を出汁にしている様な面が有るわね。

 娘もそれに気付いてるのか、その代わりに別の日にはショッピングやフィッシングに行く約束を取り付けているわ、流石は我が娘ね抜かりが無いわ。

 

 暫くして夫と一緒に、娘と『マリオン』君が夫の愛車『バッファロー』の後部座席に乗って帰って来たの。

 珍しいわ!

 夫は余程の事が無いと愛車『バッファロー』には、乗せたがらないんだけどね。

 表面上は、『マリオン』君の事を毛嫌いしている様な態度を取っているけど、実は相当気に入ってるんじゃないかしら?

 その後、『マリオン』君は夕飯を家族と共に摂って、夫は信じられない事に自分の書斎に『マリオン』君を招き入れたわ。

 私ですら滅多に入れさせない書斎に、『マリオン』君を招き入れたの。

 だから、私も気になってお菓子と飲み物を差し入れとして書斎に入ったら、夫は実に楽しそうに『マリオン』君と専門用語を使用して、誰も入れない空間の様に議論してるの、驚いちゃった!

 

 門限に近くなったから、『マリオン』君が留学生の寮まで帰る事になったんだけど、何と夫が送ることになったわ。

 いよいよ信じられないわね、あの夫が送迎するなんて前代未聞の出来事ね。

 途中から、娘の様子が変わり、どうやら『マリオン』君と家に帰って来てから大して話せなくて、夫とばかり会話していた事に不満が有るみたい。

 

 9月22日(コリント朝元年)

 

 何だか妙な事になったわ。

 娘の友人には違い無いけど、『マリオン』君が正式に夫の内弟子に成ってしまったの。

 高等部では、あらゆる部活やクラブが『マリオン』君に参加してくれないかと、勧誘が凄いと娘に聞いているのだけど、『マリオン』君は一切意に返さずに定時の下校時間になると、独自の浮遊魔法でサッサと夫の工場に飛んで行くらしいわ。

 そんな愚痴を娘のカレンは私に告げるの。

 おかしな事になったものね。

 恐らく夫の当初の目論見では、娘から『マリオン』君を遠ざけるつもりだったんでしょうけど、『マリオン』君の優秀さとコミュニケーション力の高さで、夫は知らず知らずの内に『マリオン』君を気に入ったんじゃないかしら。

 実際、『マリオン』君と暫く接して居れば、彼の人柄の良さと素晴らしいコミュニケーション力で、嫌いになるのは非常に難しい。

 私が知る限りで、『マリオン』君を嫌いになっている人は皆無だし、寧ろ信奉者の様な人も居て、娘と同世代の女の子達の間では、『マリオン』君争奪戦が繰り広げられてるみたいね。

 そういう点では、娘は他のライバルより一歩も二歩も差をつけている様に傍目には見えてるらしいけど、実情は娘は自分の父親に『マリオン』君を取られた様な状態である。

 そんな訳で、最近は娘の機嫌は悪くなっている一方で、夫の機嫌は良くなる一方。

 

 何とも複雑な状況だわ。

 明らかに、夫も娘も『マリオン』君を気に入ってるのに、正直に自分の心情を『マリオン』君に吐露しないから、只々ひたすら娘は不満を募らせて、夫は心情を誤魔化して『マリオン』君を娘から遠ざける事に成功してるつもりになっているだけだわ。

 これは何処かで決着を着ける必要が有るわね。

 

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