人類銀河帝国 コリント朝 功臣列伝資料 「サテライト8班リーダー ケニーの日記」(航宙軍士官、冒険者になる異伝) 作:ミスター仙人
8月15日(人類銀河帝国 コリント朝2年)
『日の本諸島』の各地に有る国衙に小型ドームを設営して、其処に帝国の治安維持部隊として、警備艇と戦闘車両と戦闘バイクの3部隊以上が常駐して警察機関となり、行政庁と司法庁も国衙に置き、帝国のシステム税法としての消費税徴収となり、其れ以外の税徴収は一切廃止となった。
インフラ整備と物流システムの普遍化を帝国準拠として、完全に帝国並の先進国家となる事となった。
お陰で八岐の大蛇が支配している間、少しも発展出来なかった『日の本諸島』の民達は、安全な生活基盤を手に入れて、前向きに生きていこうとする人々の表情には以前の無気力な雰囲気は消え、喜びの感情が伺える。
漸く『日の本諸島』の民達にとっての、八岐の大蛇からの支配からの脱却が図れたと、安心出来る光景であった。
8月20日(人類銀河帝国 コリント朝2年)
様々な施策とインフラ整備の基礎工事の端緒も終わり、我々帝国軍と崑崙皇国軍も帰還する。
『摂津』の港を出港する際には、『日の本諸島』の重要人物と平民の方々が見送ってくれた。
帰還する間も、崑崙皇国軍がまだ帝国が提供した戦闘艦に慣れて無い面を訓練する為に、帝国軍人が教員役として同乗して諸々の戦闘訓練をしていった。
そして崑崙皇国の『南京』までの中継地点である『博多』に着き、新しい国際的な港湾都市として発展して行こうとする喧騒が辺りに充満していて、人々の生まれ変わろうとするかの如き目の輝きは素晴らしい物が有った。
8月22日(人類銀河帝国 コリント朝2年)
崑崙皇国の『南京』で今回の援軍に対してのアラン様からの謝意、崑崙皇国側からの帝国製の戦闘艦供与を感謝する旨の式典が開かれた。
今後崑崙皇国には、帝国とほぼ同等の戦闘艦を配備して貰い、南方とアラム聖国への睨みを効かせて貰わなければならなからだ。
既に崑崙皇国の有力者の子供や、優秀な若者は帝都コリントで英才教育され始めていて、何れは両国にとってより良い形での技術官僚(テクノクラート)として役立つ事になるだろう。
自分の空軍にも、士官学校出身の優秀な若手が多く配属されて来ていて、その優秀さには目を見張るものが有る。
先日まで居た、『日の本諸島』の平民達の目の輝きを思い出し、この世界の未来は明るいと断言する事が出来る。
堅苦しい式典も終わり、『南京』の大広場で開催された10万人規模の壮大な宴、『満漢全席宴』は歴史に残るのでは無いか?と思う程の絢爛豪華な大宴会となり、その様子は帝国関係の全ての国にも生中継され、両国の仲の良さと、帝国と崑崙皇国の豊かさを見せつける事となった。
8月25日(人類銀河帝国 コリント朝2年)
昨日、帝都コリントに帰還しまたも凱旋式典をこなしてアラン様もお疲れであろうに、本日は大事な儀式が有ると云う事で、皇帝一家始め帝国中枢部の方々や赤ちゃんズとその両親達が集合している。
場所はアスガルド城が有る中央のドーム内に設けられた、神殿で有る。
そして自分と妻のミーシャ、そして乳母車に乗せた息子のケントも、皆と同じ所で待機する。
赤ちゃんズが勢揃いしたので、途端に赤ちゃんズと星猫達が喜びのあまり騒がしくしている。
そんな中、賢聖モーガン殿とケット・シー128世、そして妹が連れてきたカー君とバンちゃんが合流して来た。
賢聖モーガン殿がにこやかに笑い、
「・・・みんな元気に育っている様で、本当に嬉しいわ!
何と言っても、貴方方の存在こそが私達この世界の住民の希望そのものになるのだから・・・」
と感慨深い様子で赤ちゃんズに視線を送りながら、話している。
そして以前の『神機応龍』の時と同様に、『神機天照』が封じられた岩前にある台座にオウカ殿と懐に抱いた『サクラ』ちゃんが進まれた。
暫くして、『サクラ』ちゃんの産着の懐から、やや白い桃色の光りが輝き出す。
そして其れに呼応する様に、『神機天照』が封じられた岩が、脈動する様にやや白い桃色の光りを放ち始めた。
「予定通りに『星の涙(スター・ティア)』が反応したわ。
『サクラ』ちゃんの専用乗機は神機NO,3『天照』と云う事が確定したわ!
私達惑星アレスに於ける調整者派遣の生体監視端末は、この事実を承認します!
我『星人』個体名『モーガンNO.11』
『星猫(スター・キャット)』個体名『ケットシーNO.128』
『レッド・カーバンクル』個体名『フレイムNO.111』
『ブルー・カーバンクル』個体名『アイスNO.123』
以上の者達の完全承認を以って神機NO,3『天照』の真の乗り手《サクラ・イチジョウ 》を認証する!」
と厳かに賢聖モーガン殿は歌われる様に、言葉を紡がれた。
すると、『サクラ』ちゃんの懐に有る『星の涙(スター・ティア)』がやや白い桃色の光りを収束させて、一直線に神機『天照』が封じられた岩の表面に有るレリーフに放った!
「バガンッ!」
と云う音と共に岩が割れて、厳かなやや白い桃色の光りが漏れ出した!
そして神機『天照』はその神秘な姿を露わにした。
その姿はまるで優雅な女性を象っていて、崑崙皇国や『日の本諸島』に有った、我等と違う宗教体系の立像、菩薩像と良く似ていた。
やはり神機『応龍』の時と同じく、その全体は透明なクリスタルの様な物が覆っていて、人の手に触れさせる事を、明確に拒んでいた。
「・・・やはり、『サクラ』ちゃんが乗れる様に成るまで、完全には開封されないのね。
まあ、此れは神機『応龍』の時にある程度想像出来ていた事だから驚きは無いけど、此処帝都コリントに安置出来た事は良かったわ。
時々で良いからミツルギ夫妻は『サクラ』ちゃんを連れて、神機『天照』に会わせてあげてね」
と賢聖モーガン殿は言われ、ミツルギ夫妻は頷かれて了承した。
こうして神機2体が、真の乗り手と対面を果たして我等帝国の管轄下に入ったのであった。