人類銀河帝国 コリント朝 功臣列伝資料 「サテライト8班リーダー ケニーの日記」(航宙軍士官、冒険者になる異伝)    作:ミスター仙人

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 さて、本日からまたも閑話シリーズが始まります。
 この閑話シリーズが終わりますと、いよいよ第二部最終章の『アラム聖国と謎の大陸編』が開始されます。
 そして諸々の設定を開示し、世代が交代してケニー一家の物語が終わり、第三部にして違う物語が始まり、文体も変えて再出発する事になります。
 どうかお楽しみに。


閑話87「ミーシャの思い出帳」⑭(息子ケントの専用機体発見の報)

 崑崙皇国の『南京』という超巨大ドーム周辺にも、10個程の小型ドームが帝都コリントから運ばれていて、取り敢えずの政庁と商業取引等の事務が行われているわ。

 そのドーム群の一つに『華族ドーム』が有るの。

 『華族ドーム』では義祖父祖母の4人組が、『シルバー友の会』のメンバー募集を崑崙皇国の貴族の方々にしているの。

 この『シルバー友の会』のメンバーには、各国の年配の王族や帝国の老華族の方々でも位の高い人々が参加していて、一種のステータスにまでなっていたわ。

 『シルバー友の会』のメンバーに登録すると、帝国の発行する『カード』にメンバーシップマークが付き、諸々の特典(旅行情報や最新の宮廷情報に各種イベント情報等)が提供されるのだって。

 この辺りの情報サービスは、サイラス・タラスの2大商会とアリスタさんの総合会社が連携していて、お金の有り余っている方々に、最新のトレンドを紹介して一種の購買活動支援をしている様だわ。

 実はこの活動に、義妹のカレンちゃんとそのお友達も積極的に関与していて、今回の崑崙皇国見学ツアーのレポートを『放送局』と一緒に紹介する事で、結構な額のポイントを貰っているみたい。

 本当に逞しいわね。

 

 そんな風に見学ツアーを楽しんだ面々が、一旦帝都コリントに帰還して、様々なお土産を私と息子のケントに渡してくれたのだけど、まだ生まれて半年未満の赤ちゃんである息子は、「あー」や「うー」とか言って口に入れようとするから、困るわね。

 

 そして義妹のカレンちゃんと共に、宮廷からのお迎えのハイヤー(最近はこの送迎用の車両はこう言われている)に乗り、アスガルド城の皇子宮専用門を通り、皇子宮のクレリア様とアポロニウス様のお部屋に向かったわ。

 皇子宮親衛隊の面々に案内されて部屋に通されると、偶々同じく来ていたらしいオウカ殿とその娘『サクラ』ちゃんが居られたわ。

 

 「いらっしゃてくれてありがとう、ミーシャにケント君。

 私とアポロニウスも歓迎するわ」

 

 とクレリア様が仰っしゃられたので、深々と頭を下げて、

 

 「お呼びとあれば、参内するのは帝臣として当然ですし、此処に来るのは私と息子ケントにとって喜びでしかありません。

 どうぞお気兼ねなく!」

 

 と返事したのだけど、アポロニウス様と『サクラ』ちゃんが遊んでいるベビーサークルに入れられた息子が、「キャーッ!」と叫んでずり這いしながらアポロニウス様と『サクラ』ちゃんに向かい、3人共に手を握ったり合わせたり軽く叩き合っているので、私の挨拶も有耶無耶になってしまい、クレリア様とオウカ殿もクスクスと笑いそのまま談笑し始めたの。

 

 カレンちゃんがお土産に持ってきた、崑崙皇国のお菓子である『月餅』と『胡麻団子』と云う、西方教会圏では見ない珍しいお菓子を美味しく食べながら、カレンちゃんの崑崙皇国への見学ツアーの内容を聞きながら楽しんでいて、そろそろお暇しようと、席を立とうとしたら、突然部屋に有る大型モニターの喚び出しベルが鳴り、クレリア様が「映して」とモニターに命じると、アラン様と私の旦那のケニーが映し出されたの。

 アラン様は兎に角、旦那のケニーが映った事に疑問を抱きながらアラン様に向かい頭を下げる。

 私と息子のケントに気付いたアラン様は、

 

 「クレリア、今日の報告だけど・・・お客様のようだね、構わないかな?」

 

 とクレリア様に聞き、クレリア様が、

 

 「構わないわよ、昨日の件でしょ。

 オウカ殿とミーシャも関係者と言えるから、このまま話して頂戴!」

 

 と何の事か判らないのだけど、どうやら私達も関係者らしいので待機していると、アラン様の話しが始まったわ。

 要約すると、どうやら以前説明された、赤ちゃんズの専用機体と教えられた『神機』の一体が封印された岩が見つかって、然もその封印岩から漏れ出す光の色は、青色で有ると仰っしゃられたわ。

 

 《青色!》

 

 思わず息子のケントの産着の中に有る、『星の涙(スター・ティア)』の首飾りを確認すると、見事に青色に淡く発光しているのが確認出来たわ。

 

 その私の反応を見越した様に、アラン様が頷かれながら話されたの。

 

 「そう、あの時に確認した色である、ケニー大佐とミーシャ中佐のご子息であるケント君の青に該当する『神機』である事が確認出来たのだ!

 だからこそ、ケニー大佐にミーシャ中佐の所にも連絡させるつもりだったんだが、手間が省けたな」

 

 とやや苦笑しながら、アラン様は話されて私と息子のケント、そしてカレンちゃんにカーバンクル夫妻と、ケット・シー128世に崑崙皇国の『南京』に出向いて来て欲しいと依頼されたので、当然御意に従う旨を伝えてモニター通信が切られたわ。

 

 そしてクレリア様とアポロニウス様に別れを告げて、自宅に帰還する途中のファーン侯爵邸にハイヤーでたち寄ったの。

 久し振りに会うケット・シー128世に、崑崙皇国のお土産をカレンちゃんが渡しながら、アラン様の言伝てを伝えると、ケット・シー128世は感慨深そうに、

 

 「・・・そうか、いよいよ『神機』が見つかったのであるな。

 悠久の彼方に『調整者』から此の惑星に託された神の機体!

 我等『生体監視端末』にとっては、『調整者』たる神々との約束事の一つでも有るな・・・」

 

 と遥か過去に想いを馳せている様な遠い目をしていた。

 

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