人類銀河帝国 コリント朝 功臣列伝資料 「サテライト8班リーダー ケニーの日記」(航宙軍士官、冒険者になる異伝)    作:ミスター仙人

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閑話88「ミーシャの思い出帳」⑮(神機『応龍』の取り扱いと第二回『世界武道大会』女子出場選手)

 崑崙皇国での一連の儀式で、息子ケントが神機『応龍』の真の乗り手として認定されて、息子ケントの扱いは正式に帝国としての管轄となる事になり、準帝国軍人になったわ。

 まあ、そんな事言っても本人は赤ちゃんに過ぎないから、殆ど生活は変わらないんだけど、将来はアポロニウス様の供回りとして、帝国軍に入隊する事が確定してしまったの。

 息子の将来を親が勝手に決めて申し訳無いけど、アラン様も常々アポロニウス様は、

 

 「どの様な事があろうとも、次期皇帝となるからには帝国軍の先頭を切って進まなければならない!」

 

 と言われていて、必ず自らの子孫は何れ士官学校に入学し、帝国人民の平和の為に働くべきだと、従来の王族や貴族達とは、一線を画す信念をお持ちなので、帝国でも帝国軍人全てが皇帝家に対し無条件の忠誠を捧げてるわ。

 なので、息子のケントにも両親が共に帝国軍人である以上、我が身の不幸と思って貰うしか無いわね。

 

 息子の専用機体と確認された神機『応龍』の管理は、崑崙皇国の方々にお任せして、あちらの神殿で『御神体』扱いされる事に決まったの。

 何れ息子が成人して、帝国軍人として入隊する時に再度儀式を執り行い、完全な封印解除を行うらしいわ。

 

 一連の儀式と取り決めを策定して、崑崙皇国から帝都コリントに戻ったのだけど、龍脈門(レイライン・ゲート)で転移するだけだから、何だかまるでご近所さんにお邪魔していて、そこから帰っただけみたいで、5千キロメートル以上離れているとは信じられないわね。

 

 戻ってきての一大ニュースが、久し振りに開催された女子会で発表されたの!

 昨年末に内々で発表されていた、セリーナ、シャロン両准将の懐妊がわかったのよ!

 当然彼女達は、長期の母体安全確保の観点から、戦場や戦闘に向かう事は却下なので、暫くの間の軍務は事務作業のみとなったの。

 まだ妊娠初期だから、子供の性別は判らないけど、アポロニウス様の弟か妹が一年違いで産まれる事になるから、きっと賑やかな兄弟姉妹の皇帝一家が形成されるわね。

 

 ただ一点、問題が浮上してしまったわ。

 もう既に準備と告知が始まっている第二回『世界武道大会』に、二人共出場予定だと云う問題なの。

 何と言っても二人共、帝国軍に於いて事実上アラン様に匹敵する武道家にして武人なので、帝国での女子部門の予選会でも優勝者と準優勝者で、出場選手として登録しているのだから.

 

 女子会では最初にこやかにアラン様のお子の懐妊発表に、下腹部を撫でて喜んでいたセリーナ、シャロン両准将は、その事を指摘されると途端に悲しそうな顔をして、二人はとても残念そうになったの。

 セリーナ准将は、

 

 「・・・昨年の大会も、諸事情で参加出来なくて面白く無かったのに、満を持して挑みたかった今回の大会に参加出来ないなんて、運が無さすぎるわよ!」

 

 と先程までの嬉しそうに下腹部を撫でていた様子が、嘘のように慨嘆してる。

 一方のシャロン准将は、

 

 「・・しょうがないわよ、私達は立場としては帝国軍の准将として、率先して崑崙皇国の内乱にも関与する必要が有ったのに、体調不良を理由に参加出来なくて、例え世界同時中継されて、帝国の威信を問われる大会だと言っても、所詮は武道大会でしか無いから、帝国軍人としての責務を放り出す訳にもいかないし・・・」

 

 と言われ、現在推進している帝国軍再編成案の組織案の取りまとめに邁進するのが、将官としての責務だと姉妹でもあるセリーナ准将に訴えたわ。

 

 セリーナ准将も本意では無かったのであろう、肩をすくめると其れ以上の文句は無い様だった。

 しかし、お陰で予選大会で3位だった『エルナ親衛隊団長』が、繰り上げされて武道大会の出場選手になったことに、二人とそれ以外の女子会メンバーが気になっていると、クレリア様とアポロニウス様が健康診断をアスガルド城の医務室で受診している間の身辺警護をしていた『エルナ親衛隊団長』が、女子会に合流したの。

 途端に他の女子会メンバーが、上記の説明と意気込みを求めたら、エルナ親衛隊団長は情報を既に得ていたのだろう、落ち着き払って話してくれたわ。

 

 「・・・その話しは、大会執行委員会から通達されたわ。

 セリーナ、シャロン両准将お二人にとっては残念でしょうけど、貴方達の無念も背負い、帝国軍人代表として私そして特別枠の『オウカ』さんは、しっかりと帝国の武威を見せつけるつもりよ!」

 

 と力強く大会への意気込みを語って見せたの。

 その宣言を聞いてクレリア様は、

 

 「良くぞいってくれたエレナ!

 セリーナ、シャロン両准将二人は残念だったが、このアポロニウスの弟か妹を懐妊しているのだから、是非も無い。

 この際、エレナの健闘を願い、我々女子会メンバーは全面的に応援しようではないか!」

 

 と傍らに置いた揺り籠内のアポロニウス様をあやしながら仰っしゃられたので、女子会メンバー全員は各々頷き一人ずつエルナ親衛隊団長に「頑張ってね!」と応援メッセージを伝えたわ。

 

 エルナ親衛隊団長は、一層の研鑽と技の鍛錬を誓いみんなに向かい、期待に応えて見せると断言してくれたわ。

 

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