人類銀河帝国 コリント朝 功臣列伝資料 「サテライト8班リーダー ケニーの日記」(航宙軍士官、冒険者になる異伝) 作:ミスター仙人
8月5日(コリント朝元年)
留学生達も帝都コリントでの生活に慣れ始め、漸くその手伝いに奔走する必要が無くなり、マリオンは本来の目的のドレイク様と賢聖モーガン様、そして私の父ちゃんとの新技術ディスカッションに望むんでから、アラン様とクレリア様からの許可を取って、賢聖モーガン様とケッちゃんそしてカー君とバンチャンの承認の元、『ナノム玉3』を服用した上で賢聖モーガン様の研究室に有る、特別製の『コクーン』(ドラゴン達の進化用の物を人間用にカスタマイズの上、龍脈との個人でのダイレクトリンクとか云う私では判らない、凄い処置をしたんだって)に入り、1日掛けて調整したんだって。
8月6日(コリント朝元年)
心配でお昼にマリオンが、『コクーン』から出てくると知らされて、賢聖モーガン様の研究室に向かったら、調整用の溶液をお風呂で洗い流したマリオンが、備え付けのソファーでボーッとしてたの。
「大丈夫?」
と私が声を掛けたら、突然涙をボロボロと流して来たから、私は慌てて持っていたハンカチで涙を拭って上げたの。
そうしたら、興奮気味にマリオンは私の手を握って来て、
「カレン!聞いてくれるかい!
僕は、今日程生まれて来た事を神に感謝した日は無いよ!
何と僕は、本当の神に会えたんだよ!
それどころか、自分が望んだ時に望むまま、神はこの世の全てと言って良い程の知識に触れる事を許可してくれたんだよ!
然も、神ですら把握してない新技術や魔法技術に、僕が挑む為に最大のバックアップを約束してくれたんだ。
こんなに栄誉な事は無いよ!
僕は、こんな素晴らしい待遇と機会を与えて下さった、アラン様とクレリア様そして『人類銀河帝国』に今後の人生全てを捧げる事を誓うよ!」
と言ってきたから、
「良かったねマリオン。
だけど、落ち着いて話してくれないと、私も何の事か判らないよ。
もしかして、女神『ルミナス』と会えたの?」
と質問したら、マリオンも少し落ち着いて話してくれたんだ。
何でも『ナノム玉3』を服用して、賢聖モーガン様の研究室に有る特別製の『コクーン』に入り、暫くして眠り始めると夢の世界に入って行き、やがて光り輝く部屋に通されたんだって。
其処には、幾つかの神々しい『柱』が立っていて、何故か判らないけどマリオンには此れこそ神の『御柱』である事が判ったんだって。
その内の一つの柱から、やがてゆっくりと降臨して来る女神様が有って、その神は口から言葉を発さずに頭の中に言葉を述べてくれて、マリオンに話し掛けたの。
その女神様は、
「私は、貴方方の概念で云う所の神格の一つに当たり、『イーリス』と申します。
貴方は此の惑星アレスに於いて、7人目の『ナノム玉3』の服用者にして『適格者』となります。
『適格者』は、従来の『ナノム玉2』までの服用者と違い、身体的な優遇措置だけに留まらず、この世の深奥たる科学と魔法双方の精髄に触れる事が出来ます。
ただ、如何に神格といえどこの世の全てを知っている訳では無く、あくまでも広大な知識と此れまでの情報を得ているに過ぎません。
マリオン、貴方には千変万化する情報や知識を基に、より優れた科学技術と魔法技術の発展を担える頭脳と素養が有ります!
どうか、今後貴方に続く『適格者』達の為に、研鑽に励まれ偉大な足跡を人類の為に刻まれる事を願います!」
と告げられたんだって!
然も、その女神『イーリス』様は、マリオンが望めば何時でも頭の中に現れて、知識や現在の世界情勢も教えてくれるんだって、凄いなあー!
その後、賢聖モーガン様と一緒にアスガルド城に出向いて、クレリア様に無事成功した事を報告して、丁度来ていたミーシャ義姉さんやオウカさん達妊婦仲間の方々と、夕食をご馳走になったの。
その際に、マリオンの事をミーシャ義姉さん達が、ニヤニヤと笑いながら、
「カレンちゃんの彼氏?」
と質問して来るから、
「そんなんじゃないよ、親友だよ!」
と笑って答えたら、凄く怪しまれながら観察されちゃった。
隣に居たマリオンも、何だか複雑そうな表情だったけど認めてたから、その場は収まったの。
でも、マリオンのあの表情は何だったのかしら?
8月10日(コリント朝元年)
今日も私の父ちゃんの仕事場で有る、港湾施設の技術開発室に向かったの。
最近は、同じく『ナノム玉3』の服用者にして『適格者』のドレイク様との共同研究と、父ちゃんの現場作業にマリオンはとっても興味を持って、毎日通い詰めてるの。
だから、その親友の頑張りに感銘を受けた私としては、応援する為にも今日も母ちゃんと一緒に昼食用のお弁当を作って上げたんだよ!
お弁当を作るのは自分用に作った事が何回も有るけど、男の子用はマリオンが始めてだったから、母ちゃんのアドバイスを受けながら作ってるんだよ。
大きなバスケットに、私とマリオンの分のサンドイッチを詰め込んで、父ちゃんの分は母ちゃんが別に作って他の容器に入れて包み、バスに乗って父ちゃん達の元に向かったんだ。
丁度、お昼前の時に着いたから、父ちゃんに母ちゃんから預かったお弁当を渡し、一緒にやって来たマリオンにも私の作ったお弁当を渡して、港湾施設職員が食事を摂る食堂の一角で3人で場所取りして、食べる事にしたの。
何故か、ムスッとしたままの父ちゃんにお茶を差し出しながら食べ始めたら、父ちゃんがマリオンのお弁当と私のお弁当を見比べてる。
するとマリオンが、
「カレンさんが持ってきてくれるお弁当には、大変感謝しています!
僕は幼い時に両親を亡くして、賢聖モーガン様の庇護の元で、専門の料理人の作る料理を食べてはいましたが、家庭料理と云う物は食べたことは無かったんです。
カレンさんが、僕との会話でその事を知って、有り難い事に港湾施設で研修を受ける際に、お父さんへの弁当を届けるついでに持って来てくれると言ってくれて、今日もご相伴に預からせて戴きました。
お父さんとそのご家族には、感謝してもしきれません、ありがとうございます!」
と言ってくれたから、私も親友の頑張りに協力出来ている事が再確認出来て嬉しくなっちゃった。