人類銀河帝国 コリント朝 功臣列伝資料 「サテライト8班リーダー ケニーの日記」(航宙軍士官、冒険者になる異伝) 作:ミスター仙人
8月20日(コリント朝元年)
帝国の学校の生徒と『魔法大国マージナル』の『魔法学校』の生徒による、魔法競技会が開催されたの。
始まると案の定前半の競技で、帝国の学校の生徒の方が、あらゆる魔法競技で、『魔法学校』の生徒を圧倒して行ったわ。
だけど此れは予定通りの状況なの。
何故なら実は『魔法学校』から来ている付き添いの教師以外の留学生達と、私達帝国の学生は既に仲良くなっていて、共同戦線を張ってるんだよ。
そして目論見通りに前半戦は、帝国の『学校』の生徒が勝ち、留学生側の付き添いの教師が焦った様子でマリオンに必死にお願いしてるようだったわ。
此れも実は予定通りで、マリオンは如何にもしょうが無いと行った様子で、留学生達に幾つかの指示を出すと、留学生達は頷いて後半戦に挑んで来たの。
後半戦に入りマリオンは、前半戦の魔法競技で負けた原因を魔法発動スピードの差が大きいと説明し、後半戦の『陣取り合戦』と『棒倒し合戦』では魔法発動スピードで勝負せずに、ひたすら硬化魔法と土魔法による防御に徹せさせて、帝国の学校の生徒が、集中力を欠いて来たら得意の浮遊魔法を少し利用して『陣取り合戦』では味方の生徒の跳躍力をまさせて旗を取らせ、『棒倒し合戦』では味方の生徒数人を浮かせて棒に体重を掛けさせて棒を倒させたわ。
良し、此れで双方共に2勝ずつ勝った形だから、引き分けよね。
競技途中で、留学生側の付き添いの教師達も我々が、何とか引き分けに持ち込んでいがみ合うことなく、今後の『学校』生活を上手く行くようにしてる事に気付いたようで、一つも意見を言わなくなった見たい。
そして、賢聖モーガン様の講評が終わり競技会も終わり、私はマリオンに近寄り市販の『魔力充填ドリンク』(カーラ印)をプレゼントして上げたの。
マリオンは、喜んで受け取ってくれて美味しそうに飲んでくれたんだ。
ただ、一緒に観覧していた家族の元に帰ったら、何だか父ちゃんが苦虫を噛み潰した様な顔をして、ずっとぶすっとしていて気になったんだけど、母ちゃんは笑いながら「気にする必要無いわよ!」と言ってくれたの。
9月1日(コリント朝元年)
今日は、『学校』の高等部に進級する日で、私は中等部を首席で卒業したから総代挨拶をしする事になってるの。
だから、此の日までにこの総代挨拶の練習に母ちゃんに付き合って貰ってたんだ。
まあ、マリオンが総代挨拶文も添削してくれたから安心してるんだけどね。
お陰で総代挨拶を緊張で噛まずに喋れたから良かったよ。
続いて『魔法大国マージナル』の『魔法学校』からの留学生代表として挨拶したマリオンも、卒なく挨拶文を読み上げたので、会場の誰もが拍手してくれたわ。
ただ、一際来賓席の方で母ちゃんが大きな拍手をして、涙を浮かべてる姿には閉口しちゃった。
明日からは私もいよいよ高等部に進級かー、何だか夢心地だよ。
この帝都コリントで暮らし始めてから、私の感想としては、正に疾風怒濤と言って良かったと思うの!
元々は、私なんてスターヴェーク王国のルドヴィーク辺境伯領と云う片田舎の、何処にでもいる平民の娘でしか無かったのに、あの日アロイス王国の非道なクーデターによって、平和な日常は奪われてしまい、故郷を奪われた私達家族は、旧スターヴェーク王国の家臣ネットワークで、クレリア様の存命とスターヴェーク王国の復活の狼煙を上げているとの話しを信じ、当時の私達にとってとんでもない遠距離の逃避行が始まったの。
幸い、アラン様とクレリア様が綿密な難民誘致体制を構築してくれていたから、移動に伴う苦労はそれ程無くて、一番凄かったのは直ぐに住む所と、働く体制が出来てた処だね。
当初は、本当に手が足りなくて、子供だった私も病院で『ヒール』を掛けて手助けしてたけど、徐々に人も集まって来て、それ程私が頑張らなくても良くなったんだけど、その病院でクレリア様と他の女子会メンバーに会えた事は、私にとって運命だったと思うの。
だってその女子会初期メンバーの一人が、今では私の義姉でもう少ししたら私の甥っ子を産んでくれるんだよ!
そんな中、私の相棒であるカー君とバンちゃんにも会えて、そのお友達のケッちゃんにも会えた。
暫くしたら、故郷の親友達とも再会出来て、新しい親友とも此処帝都コリントで出会えたの。
十分力を蓄えた私達旧スターヴェーク王国の者達に、悪逆非道のアロイス王国はとんでもない言い掛かりを付けて来たから、アラン様とクレリア様率いる帝国軍(この時はまだ帝国軍じゃ無いけど)は堂々と返り討ちにした挙げ句、逆にアロイス王国を滅ぼしてスターヴェーク王国を復活させる事に成功したわ!
本来は其処で終わりなんだけど、世界は既にそれで終わらない状況になってたの、大陸の動静を見極めたアラン様とクレリア様そして上層部は、スターヴェーク王国・ベルタ王国・セシリオ王国の3国を統合して、『人類銀河帝国』を誕生させたの。
そしてあらゆる困難と出会いを繰り返して、帝国は現在大陸の大国としての地位を確立させたわ。
きっと、これからもまだまだ帝国の敵は、現れるんだろうけど、どんな敵が現れようとアラン様とクレリア様が指導する帝国は大丈夫だよね!」