人類銀河帝国 コリント朝 功臣列伝資料 「サテライト8班リーダー ケニーの日記」(航宙軍士官、冒険者になる異伝)    作:ミスター仙人

297 / 352
閑話98「マゼラママの徒然日記」⑮(孫のケントと皇太子殿下との出会い)

 11月11日(コリント朝元年)

 

 私と娘のカレンはミーシャさんの出産状況を、アスガルド城の医療施設にある待合室で知らされてたんだけど、現在は賢聖モーガン様と息子のケニー達が出産に立ち会っているらしいわ。

 息子のケニーと他の旦那連中が、もう直ぐしたら出産となって待合室に戻ってきて、諸々の赤ちゃんが産まれて来た際の対処法と、お嫁さんの産後の対処法を宮廷医師から説明を受け、段々と緊張して来て息子のケニーと他の旦那連中はテンパってきたみたい。

 息子のケニーと他の旦那連中含む皆は、頻繁にお茶を飲み、その所為でトイレに交代交代で行き合っていると、それまで大人しくしていた星猫5匹が、その可愛らしい背中の純白の羽根を羽ばたかせて、待合室から廊下に出たの。

 皆がこぞって廊下に出るとまるで子猫の様な鳴き声が、幾つかの鳴き声となり聞こえて来たわ!

 

 その瞬間、明らかな光りがアスガルド城の地下から、天まで貫いたの!

 

 その光りは、良く見ると5色有るようで暫くすると落ち着いた様に光りが収まり、職員の指示通りに歩を進めてゆっくりと分娩室に入ると、光り輝く赤ん坊がそれぞれのお嫁さん達の腕の中にくるまっていたわ。

 

 ミーシャさんの赤ん坊は、明らかに青い色の光りを放っていたが、次第に光りは収まりスヤスヤと寝ている事が判ったわ。

 

 ミーシャさんは腕の中の赤ん坊を、息子のケニーに抱かせて上げると、満足そうにベッドに寝そべって「フーッ」と息を吐いて身を沈ませたわ。

 まあ、出産と云う女の一大事をこなしたばかりだから、無理も無いと思い私はミーシャさんの額に浮かんだ汗をハンカチで拭って上げて、

 

 「さあ、ミーシャさん、お疲れでしょうから休んでね」

 

 と言ってあげると、

 

 「ありがとうございます!」

 

 と答えてくれたの。

 

 そして息子のケニーがミーシャさんが寝ている横に赤ん坊を寝かせてあげたわ。

 その後息子のケニーはアラン様とクレリア様の元に行ったわ。

 他の旦那さん達もアラン様とクレリア様の元に向かい、皇太子殿下との対面を果たしているわ。

 

 暫くの後に、私と娘は皇太子殿下と一緒に休まれているクレリア様の元に伺わせて頂いたの。

 ゆったりとした大きなベッドの上で、神々しい美しさを辺りに振りまいている様な姿のクレリア様に、私と娘は絶句してしまったわ!

 その姿は正に慈母と云う形容詞そのものの姿で、一服の宗教画がそのまま現出している様にしか思えなかったのだから当然だわ。

 かなりの時間ボーッと呆けていたみたいで、近くに居られたエルナ親衛隊団長から揺さぶられて、漸く正気を取り戻し、改めて皇太子殿下の無事のご誕生とクレリア様の体調良好に対し、お祝いを述べたの。

 するとクレリア様が、

 

 「ありがとう、マゼラにカレン!

 無事にアランの子供と、正統なスターヴァイン王家の跡継ぎを授かり、私は今大変に誇り高い気分で一杯なのだ。

 どうか帝国民であり且つスターヴェーク王国の国民でもあった者として、『人類銀河帝国皇太子 アポロニウス・スターヴァイン・コリント』を見てやってくれ!」

 

 と大変恐れ多い言葉を受けてしまったわ!

 私達などそんなに高い地位の華族では無いし(一応、華族ではあるけど)、こんないの一番に皇太子殿下に対し拝謁するなんて、身分違いじゃないかしら?

 そんな風に思って恐縮していると、エルナ親衛隊団長が、

 

 「どうぞ、遠慮なさらずにいて下さい!

 マゼラ殿とカレン殿そしてガトル技術長、更にケニー空軍大佐とミーシャ空軍中佐を抱える『マグワイア家』は、形式的にもまた帝国への貢献度に於いても、数ある華族の方々の間でもトップクラスに位置して居ります。

 また、先程のアラン様の宣言で、ケニー空軍大佐とミーシャ空軍中佐の間のお子様は、アポロニウス皇太子殿下の朋輩として、特別待遇が約束されました。

 今後は、準王族並みの扱いが、帝国に於いて保証されます、どうぞ気兼ねなく帝国家臣をお使い下さい!」

 

 と、とんでもない事を言われてしまったわ!

 準王族並み?!

 華族ですらどう振る舞えば良いのか、サッパリ判らなかったのに、突然準王族並みと言われても、意味が判らないわ。

 そんな風に混乱していると、クスクスとベッドの上で笑われたクレリア様が、

 

 「そんなに鯱張る必要は無いよ、今まで通りに接してくれれば良いし、あまり身分を持ち出して隔意を持たれるのは私自身好まない!

 もうこの議論は不要だから、ただ純粋に私の赤ちゃんを見てくれ!」

 

 と再度言われてしまい、恐る恐る皇太子殿下を拝見させて戴いた。

 

 なんて綺麗な赤ん坊だろう、まだ若干肌にシワがよっているが、見ている間にもシワが少なくなっているのが見て取れる。

 そしてどうやら浅い眠りから目を覚まされたのか、小さい瞼をゆっくりと開けられたの。

 

 「うわ~、綺麗!」

 

 と娘のカレンが思わず声を出した事に、私も嗜める処か見入ってしまったわ!

 皇太子殿下の瞳はアイスブルーに煌めき!

 その瞳を見つめて居るだけで、引き込まれてしまい時が経つのも忘れてしまいそう。

 

 この出会いこそが、私と同僚の服飾関係者、そして大陸の服飾関係者達が、赤ん坊のファッションと云う分野を、抜本的に見直し、文化面でも赤ちゃんグッズ産業と云う新たな産業が勃興する瞬間だったと、思い知らされる出来事であったと、後に述懐する出会いだったの。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。