人類銀河帝国 コリント朝 功臣列伝資料 「サテライト8班リーダー ケニーの日記」(航宙軍士官、冒険者になる異伝)    作:ミスター仙人

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閑話100「マゼラママの徒然日記」⑰(『紙オムツ』爆誕!)

 1月10日(人類銀河帝国 コリント朝2年)

 

 諸々の行事を終えて、私達が所属するアリスタ社長の総合商社(アリスタ社長とカトル副社長の合弁会社)の系列会社として新たな会社が立ち上がったの。

 元は、他の服飾会社と同じ規模の会社だったのだが、昨年からの皇太子殿下ブームに乗ろうと、一種のベビーブームが起こり、赤ちゃん用の産着やベビーグッズ、そしてその華族や王族・貴族用の高級品の需要が爆上がりで、事態をチャンスと考えたアリスタ社長は、カトル副社長と相談の上で大規模な資本を投下して、専用の工場を15も作って新しい産業と位置づけて発足するんだそうよ。

 私も昨年の11月から、新しい生地や新しい素材を活かして、様々な製品案を創出したの。

 

 中でも自信作は、『紙オムツ』と云う製品よ!

 

 この『紙オムツ』と云う製品は、読んで字の如く紙製品のオムツで、従来の布オムツと違い天然植物素材で出来た、完全自然分解する有機素材でも有るの。

 なので布オムツと違い、赤ちゃんが使用したら、そのままゴミとして廃棄して、各ドームの地下に有るリサイクルMM(マイクロ・マシーン)廃棄物処理施設で処理されて、そのまま有機肥料として帝都コリントの農業ドームや、『魔の大樹海』の周囲に開拓した広大な農場、他にも北方のマジノ・ドーム周辺の巨大農場、クライナ公国の放棄農場の再建、崑崙皇国の荒れ果てた農地改良等に散布する事で、肥沃な農地が確保出来るんだって。

 元の材料で有る天然植物素材は、帝都コリント付近の広大な『魔の大樹海』の開拓による間伐材が主な材料で、この間伐材を利用しないと『魔の大樹海』は、他の森や林と違い圧倒的なスピードで木が生えてしまうので、今までは帝国軍が演習や魔法標的として利用してたけど、勿体無いからこの際素材として有効活用する事が決まったの。

 

 この素材活用も、娘のボーイフレンドであるマリオン君に依頼したら快く応じてくれて、何と『イーリス』様に相談されて、素材処理する方法まで教わったらしいわ、何だか畏れ多い話しね。

 

 ともあれ、『紙オムツ』は出来上がり、試作品を孫のケントに履かせてみて使い心地を試したら、ミーシャさんから絶賛されたので、他の赤ちゃんズのお母さん方に勧めてみたらまたも大絶賛されたから、満を持してクレリア様に奉納して、アポロニウス殿下への献上品として使用して戴いたの。

 此れがまた予想を越える大好評!

 直ぐに大量発注されたかと思うと、次の日には『帝国国立病院』や他の医療施設からも、赤ちゃんサイズ以外の成人用サイズまで作って欲しいとの要望まで発生したわ。

 

 考えてみれば当然だわ。

 重症患者やナノム玉やヒールで治せない、重病患者の長期入院には、下のお世話が医療業務で大変な負担だもの、洗濯しなくて済むなら好都合よね。

 そんな経緯もあって、15有る工場の内10工場が各サイズの『紙オムツ』工場となったわ。

 

 1月25日(人類銀河帝国 コリント朝2年)

 

 ベビーグッズ会社が正式に発足して半月経って、あまりにも発注が多すぎるので、クライナ公国にも支店が出来る事になったの。

 クライナ公国が選ばれた理由は、巨大な港湾施設とその横に有るMM用のレアアースの大鉱脈の存在。

 この事は、帝国の大臣でもあるカトル副社長とアラン様達帝国上層部の考えと、クライナ公国のゼレンスク代表の未来構想を併せたセリース大陸の物流を考慮した、大計画の一端らしいわ。

 

 その代表としてナタリー常務が選出されて、他に社員100名が出向するのが決まったんだけど、当然のようにトレーラー野郎のホシさんとトレーラー・ギルドのギルド員千人が向かう事になったの。

 もう此れまでの経験で、会社側としてもホシさんがナタリー常務に迷惑を掛けない限り、どう行動しても構わないけど、業務に支障を来たすなと云う誓約を誓わせ、念書まで書いて貰ってるわ。

 まあ、此れについては他人が介入しようが無いから、後は2人に任せるしか無いわね。

 

 そんなこんなで、来月の支店開業を目指して出向する社員は、準備に追われてるみたいね。

 

 1月31日(人類銀河帝国 コリント朝2年)

 

 クライナ公国に向かう社員とトレーラー・ギルドのギルド員千人、そしてその働く場所そのもので有るドームを運搬する巨大カーゴシップ、そしてそれに随伴する陸上警備艇4隻、その船団の後ろを追いかける様に付き従うデコトレ(デコレーション・トレーラー)計500台が、帝都コリントから出発する。

 現地では、ゼレンスク代表が用意した敷地と、現地従業員千人が今や遅しと待って居るらしいわ。

 きっとこの支店を軸として、新生クライナ公国は豊かな未来に羽ばたく筈よ。

 

 そう信じているからこそ、クレリア様がモニター越しにアリスタ社長とカトル副社長を両脇に従えて、激励して下さったわ。

 

 「・・・クライナ公国は、先のスラブ連邦との大戦で、かなりの痛手を被ってしまった!

 だがクライナ公国国民は、ゼレンスク代表を中心として力強く蘇ろうとして居る。

 今回の支店開業と、物流拠点開設はその端緒である!

 皆、帝国の代表であると誇りを持って行動して欲しい!

 クライナ公国国民とともに未来へ向かい、努力する事を願う!」

 

 と仰って戴けたので、私達は有り難く拝聴して、出向する人員はそのお言葉を胸に勇壮に出発して行ったわ。

 

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