人類銀河帝国 コリント朝 功臣列伝資料 「サテライト8班リーダー ケニーの日記」(航宙軍士官、冒険者になる異伝) 作:ミスター仙人
此の第二部最終章で、事実上この惑星アレスでの戦乱は終わります。
そして幾つかの補足説明と、惑星アレスの状況説明を開示して、物語は終焉を迎え、第三部はタイトルも変えて、次世代の主人公達(オリジナルと同じく複数視点の物語)が紡ぐほぼ別物の物語になります。
どうぞお楽しみに。
9月3日(人類銀河帝国 コリント朝2年)
久々と言って良い程の安閑とした日々を、家族と共に過ごせていて自分は満足であった。
何故なら今年は、その大半が崑崙皇国の大乱と第二回『世界武道大会』、そして『日の本諸島』の魔物騒ぎと、国外での出来事が多く、折角生まれてくれた息子ケントとの触れ合いがおざなりになる時間が多かった所為で、息子のケントはすっかり我が家の女性陣に懐いてしまい、自分と親父には笑いかけてくれるが、母親で有るミーシャに向ける無条件の笑顔とは違う様な気がするのは、自分の勘違いでは無い気がするのだ。
その事を妻のミーシャに夜、それとなく話すとやや呆れ顔をされて、
「なら帝都に居る間は、貴方が極力抱いて上げて行動しなさいよ!」
と怒られてしまった。
なので自分は日中の空軍ドームのお勤めを終えると、一切同僚と飲みにいったりせずに家に帰り、息子ケントとの触れ合いを日課としている。
だが、其れは自分にとっては天国の様なご褒美だった。
何故なら、最初の言葉こそ「マンマ!→ママ!」と母親に奪われてしまったが、掴まり立ちからの二足歩行と始めての離乳食は、自分がみている前だったので、始めて出来た時は頬ずりして褒めて上げたので、母親としてのミーシャと父親としての自分を、息子ケントの中でほぼ同等にまで好意対象として認識させれたから、自分が勤務を終えて夕方家に帰って来ると、よちよちと必死に歩きながら相棒の『星猫ベータ』と共に玄関先までやって来てくれる様になったのだ。
世の父親も、こんな風に自分の子供から歓待されるのか、家族とは素晴らしい!と再認識させられる思いだ。
9月10日(人類銀河帝国 コリント朝2年)
漸く空軍の再編成の骨子が纏って来た。
大分原案を改訂して、今後の増員を見越した案になっただろう。
どう考えても、空軍が帝国軍に於いて一番広域展開する場面が多いので、事実上最新の情報が上がるのは空軍となるから、帝国総旗艦『ビスマルク』と巨大陸上空母『グラーフ・ツェッペリン』の完全な情報共有の同期は不可欠で、アラン様の指揮下に於いて直属軍に空軍はなるしか無いので、此れまで通り命令権第一位はアラン様でその次は自分で更に次がミーシャ(現在育児休暇中)となるのは致し方ないと言える。
しかし、此れはある意味仕方がないが、つまり自分はアラン様の指揮下以外の、他の方面軍の様な長期に渡る別行動は如何にモニターでのやりとりが出来るとはいえ、瞬時の判断や指示は難しいのでやはり直属軍で居るのが妥当だろう。
9月17日(人類銀河帝国 コリント朝2年)
正式に全帝国軍の刷新が発表された。
全帝国軍軍人の此れまでの貢献を考慮して、2年以上在籍の帝国軍人と将官・佐官の全員が昇進する事になった。
具体的には、
アラン様が、大将→元帥 帝国軍の総帥にして条約に於ける事実上の同盟国の盟主
ダルシム伯爵が、中将→大将 中央軍たる帝国軍30万の総指揮官にして、陸上重巡洋艦『バーミンガム』の艦長
ファーン侯爵が、中将→大将 東方方面軍50万人の総指揮官にして、陸上重巡洋艦『ヴィルヘルム』の艦長(息子のカイン少佐→中佐の重装機動軍1万傘下)
ビクトール侯爵が、中将→大将 北方方面軍50万人の総指揮官にして、陸上重巡洋艦『ケーニヒ』の艦長
ヴァルター子爵が、中将→大将 南方・西方方面軍80万人の総指揮官にして、陸上重巡洋艦『フリードリヒ』の艦長
ヘルマン伯爵が、少将→中将 帝都守備軍10万人を率い、陸上巡洋艦『ベイオウルフ』の艦長
セリーナ伯爵が、准将→少将 高機動軍10万人を率い、陸上巡洋艦『ドレッドノート』の艦長
シャロン伯爵が、准将→少将 高機動軍10万人を率い、陸上巡洋艦『ジャンヌダルク』の艦長
そして自分はと云うと、
ケニー子爵が、大佐→准将 空軍10万人を率い、陸上巨大空母『グラーフ・ツェッペリン』の艦長
妻は、予備役となり騎竜のサバンナは自分が預かり、ガイと共に管理するが、いざという時は緊急で騎乗してもらう。
大体の将官及び佐官の扱いは此の様になり、各軍には駆逐艦・フリゲート艦・護衛艦・突撃艦等が配置されていて、他にも補給艦・輸送艦・揚陸艦・修理艦等の補給や兵員輸送に携わる艦船の配備が、順次行われている。
つまり、とうとう帝国軍は全ての帝国軍人が、自分の足や軍馬と車両等に頼らず、全ての軍事行動を陸上艦船で行動出来る様になり、一切の遅滞無く一律の軍事行動が可能となったのである。
因みに、空軍の尉官である三羽烏のベック、トール、キリコの3名も昇進し、全員大尉となり。
そして、自分の以前乗っていた陸上空母のアイン、ツヴァイ、ドライのそれぞれの艦長となったのだ。
些か早すぎる抜擢かも知れないが、考えてみると自分が艦長になった年齢と、そう変わらない年齢となっているし、彼らも十分に戦歴を重ねているので安心しても良いだろう。
こうして帝国軍の陣容は再編成され、もう直ぐ2年が経つ『アラム聖国』との不可侵条約へ対抗出来る陣容が整えられたのである。