人類銀河帝国 コリント朝 功臣列伝資料 「サテライト8班リーダー ケニーの日記」(航宙軍士官、冒険者になる異伝) 作:ミスター仙人
12月15日(人類銀河帝国 コリント朝2年)
現在我が空軍は、ドラゴンとパワードスーツの連携訓練を行っている。
パワードスーツはドローンと連携している為に、情報面と防御面は問題無いのだが、量産型ドローンは超高性能ドローンと違い攻撃面では不安があるので、その辺りを埋める為にもドラゴン達がフォロー出来ると良いと考えたからだ。
攻撃訓練は順調に進んでいる。
まあ、ドラゴン達はワイバーンの頃から、地上部隊との連携を数多く熟していたので問題無い。
只、肝心のパワードスーツの最大火力である粒子砲(スマッシャー)と、ドラゴンの最大火力である『ドラゴニック・バスター』(現状でのドラゴンの最大火力技で、ドラゴンの最大魔力での破壊光線、ほぼ粒子砲と互角)による、地上と空中からの立体交差同時攻撃は、中々タイミングが合わず、要練習である。
12月19日(人類銀河帝国 コリント朝2年)
漸く、ドラゴン・ドローン・パワードスーツの三位一体の合体飛行形態が完成した。
魔法技術開発室が、以前より製作していたドラゴンとドローンの合体高速飛行形態を改めて見直して、パワードスーツを空輸及び空中からの攻撃を可能とする為の形態である。
此れまでもドラゴンとドローンで、戦闘車両や戦闘バイクを運ぶ局面は多々あったのだが、やはりネックとなったのは積載量と安定した飛行状態であった。
なので、前々からこの辺りの問題を解決する為に、ドラゴンが着込む形の武装にドッキング機能を追加した『ドラゴン・フライヤー』と言う名の、フォートレス形態を取れる三位一体の合体飛行形態が出来上がったのだ。
此れからは、此の『ドラゴン・フライヤー』での戦闘訓練と、換装する時の問題点等の洗い出しを行う事になる。
12月25日(人類銀河帝国 コリント朝2年)
此の日、セリーナ・シャロン両少将と『ベルタ公アマド殿下』の配偶者である『ヒルダ』殿の出産日であった。
アスガルド城の医療施設で最高の状態で出産して貰う為に、3日前から完全な体制で準備していた様で、毎日クレリア様とミーシャ達女子会メンバーが訪問して、様子を見に行っていた。
予め判っていたのだが、3人共に健康で順調な出産が出来そうなので、控室に集まっているアラン様とクレリア様にアポロニウス様の皇帝一家と、ミーシャ達女子会メンバーにその付添の自分そしてアマド殿下が、落ち着いた様子で控えていた。
アラン様と自分そしてアマド殿下は、遠征して来た崑崙皇国と日の本諸島での様々な風景の話しや、芸術作品や珍しい食べ物・飲み物等の話に盛り上がった。
アマド殿下は、帝国でも1、2を争うほどの文化人として帝国では知られていて、幾つもの文化専用番組のレギュラーコメンテーターとして、帝国に於ける皇帝一族として文化面で貢献されている。
いよいよ、その皇帝一族に一気に3人も増える事になるので、帝国民としても嬉しい限りだ。
そんな中、ミーシャ達女子会メンバーは、妹の連れてきたカーバンクル夫妻とその赤ちゃん3匹にメロメロだ。
今から凡そ半年前に生まれたカーバンクルの赤ちゃんは、実は8匹も生まれたのだが、既に5匹は貰い手が決まり、残った3匹を此の場に持ってきたのだが、当然其れには理由が有る。
そうこうしている間に、いよいよ正午近くになって医療スタッフから、もう直ぐに生まれそうだとの連絡が来て、皆に緊張が走る。
やがて、小さくもしっかりとした子猫の様な泣き声が響き、先程と同じ医療スタッフが興奮気味に、
「・・・・無事、お生まれになりました!
3人とも健康な女の子です!
帝国万歳!!」
と大声を上げたので、控室は一気に熱気を帯びた万歳三唱が起こり、医療スタッフに導かれて、アラン様皇帝一家とアマド殿下が母子の休憩室に通された。
20分程の時間が流れて、我々は医療スタッフに呼ばれて休憩室に通された。
其処にはゆったりとした豪華なベッドに、セリーナ・シャロン両少将と『ヒルダ』殿が其れ其れの赤ちゃんと共に休まれていた。
その脇にはアラン様皇帝一家とアマド殿下が立っていて、セリーナ・シャロン両少将と『ヒルダ』殿を労っている。
セリーナ・シャロン両少将と『ヒルダ』殿は、顔をやや紅潮させていて火照った様子だったが、非常に満足或いは達成感に満ちた表情を覗かせて、女の幸せに満ちた様子が伺えた。
そんな中、アポロニウス様が興奮した様子で、セリーナ・シャロン両少将の赤ちゃんに興味津々なのか、しきりと手を伸ばして「あーっ、あーっ、!」と言葉を発して居られる。
その姿に、セリーナ・シャロン両少将は共に頷かれたので、クレリア様がアポロニウス様をベッドに近づけて赤ちゃんを見せてあげられた。
2人の赤ちゃんを交互にご覧になられて、興奮気味なアポロニウス様はやがてウンウンと頷かれて、ミーシャが腕に抱いている息子のケントに振り向いて、両手を大きく広げて何かを訴えている様だ。
其れに対して息子のケントも、何故か手足をばたつかせて意思表示をしていた。
そう、此れがアポロニウス様と息子のケントが、帝国のツインズと恐れられる二姫と始めて邂逅した瞬間であった。