人類銀河帝国 コリント朝 功臣列伝資料 「サテライト8班リーダー ケニーの日記」(航宙軍士官、冒険者になる異伝) 作:ミスター仙人
12月26日(人類銀河帝国 コリント朝2年)
昨日の出産から、3人共用意されていた医療棟の専門病室に移されて、母子共に万全な体制で見守られる中、昨日夕方のニュースでは3名の新たなる皇室一族の参加が発表された。
帝国皇帝一家のお子様は、
セリーナ側妃のお子様のお名前は、
『セラス・コンラート・コリント』姫殿下。
順番として皇帝家の長女となる。
シャロン側妃のお子様のお名前は、
『シェリス・コンラート・コリント』姫殿下。
順番として皇帝家の次女となる。
ベルタ公のお子様のお名前は、
『フレイヤ・ベルティー』姫殿下。
現在唯一のベルタ公のお子様となる。
以上の公表が、帝国と他の同盟国及び友好国に対して行われた。
此の報道が帝国で流されてから、本日の夜までの様々な個人経営の飲食店やデパート等で無料のお菓子等の配布、そして美術館や動物園そして公的なイベントホールの入場料は1周間無料となって、帝国全土がお祝いモードに包まれた。
12月28日(人類銀河帝国 コリント朝2年)
本日、帝国及び帝国軍による来年度の大凡の方針が決められた。
来年の10月には、『アラム聖国』との不可侵条約の期限が切れる。
其れまでに帝国としての体制を万全に整えて、不可侵条約の更新か破棄を『アラム聖国』が選択する際の、何れの選択肢を選ぼうと対応できる様にする為だ。
現在、ファーン大将がスターヴェーク公国の『アラム聖国』との国境線に、陸上重巡洋艦『ヴィルヘルム』を中心とした駐留艦隊100隻を擁して、要塞型の『軍事用ドーム』3基に駐屯していて、此の東方方面軍50万人が帝国の対『アラム聖国』最前線である。
そして、ビクトール大将が乗る陸上重巡洋艦『ケーニヒ』は、以前演習場として利用した北方の山脈中心にある盆地に北方方面軍50万人と共に駐屯している。
其処は、クライナ公国から弱冠東方の場所なので、クライナ公国には要注意の警戒警報を出していて、ゼレンスク代表からは「了解!」のメッセージと、いざとなった場合の補給を出すとのメッセージも頂いている。
例の『アフリカーナ大陸』からの、侵入者に対しての警戒と対抗を念頭に、ヴァルター大将がザイリンク公国を中心として陸上重巡洋艦『フリードリヒ』と駐留艦隊200隻、そして南方・西方方面軍80万人と各同盟国と友好国の警備軍を統括して、警戒行動を取っている。
当然、此等の配備している方面軍に、『アラム聖国』がちょっかいを出してきた場合は、ダルシム大将が陸上重巡洋艦『バーミンガム』を中心とした中央軍30万人と共に後詰に入り、即応軍としてアラン様直轄の我等空軍が、各方面軍の援軍として赴ける様になっている。
此の体制が基本的な帝国の対『アラム聖国』への体制である。
これからの帝国の体制に同調する様に、崑崙皇国とその従属国群も『アラム聖国』を警戒していて、その情報が直ぐに帝国に伝わる様な伝達網を構築するべく、崑崙皇国の『南京』に帝国並の中央情報局の支部を用意して、周辺の国家にインフラ整備を波及させながら、近代的な伝達網を構築する事になった。
この様な方針が公式に採択されて、ヴェルナー国務大臣とブリテン警察庁長官が軍部との間に、包括的な情報共有体制を今後構築する事を確認しあい、帝国としてのコリント朝2年の締めを行うべく皆がアラン様に向かい、来年も我等家臣団は粉骨砕身で帝国の為に働きます!と誓うと。
アラン様は笑われて、
「皆の忠誠は本当に有り難いが、私は皆とより親身に喜べる国家である事を、帝国の体制として望む!
ただひたすら、国力を上げる為に無理をしたり、軍事力を上げる為に無理に徴税したり徴兵するつもりは、今後も一切無い!
『人類銀河帝国』とは、今までそしてこれからも、天に対して恥じる事無く、堂々たる国家で有り続ければそれで良い!
容赦無く叩き潰す相手は、『古きものども』とその眷属であって、同じ人類である国家では無いのだ。
どうか皆も、その事を念頭に置いて、人生を謳歌しながら働いてくれれば其れで良い!
決して無理をせず、互いに相手を思いやって行動してくれ!」
とアラン様は結ばれて、帝国コリント朝2年の締めを行った。
12月31日(人類銀河帝国 コリント朝2年)
昨年と同じく、アスガルド城で明日の行事のリハーサルと打ち上げが行われた。
今回は息子のケントが、歩ける様になっているので、式の間にウロチョロしそうなので、同じ悩みを持つクレリア様筆頭の奥様ズが、皇子宮で先日生まれたセリーナ・シャロン両側妃のお子様と、ベルタ公のお子様を集めて預かる事が決まっているので、其処で女子会メンバー達も集合させて、女性陣が面倒を見る事が決まった。
《・・・しかし、いよいよ明日で帝国は発足して3年目となる訳か・・・。》
やはり、此処までの道程を思うと、色々と胸に去来するものがある!
アラン様とクレリア様を軸として、このセリース大陸に覇を唱えるとの計画を聞かされてからは、5年以上の時が流れた。
あの時は、たった5年で国家を立ち上げて、スターヴェーク王国を取り戻し、アロイス王国に復讐して復仇をやり遂げる事など、夢の又夢でしか無かった筈だ。
だが、アラン様とクレリア様の思いと努力に感銘を受けた我々は、お二人の望みを叶えるべく、指導に従って東奔西走する事で、ほぼその望みを果たせて、最後の詰めである仇敵『アラム聖国』との決戦を考える事が出来る処まで来れた。
来年も、どの様な事が起こるのか、油断できない情勢では有るが、日々アラン様とクレリア様の指導の元で頑張ろうと、年末の綺麗な夜空をアスガルド城のテラスから見上げて誓った。