人類銀河帝国 コリント朝 功臣列伝資料 「サテライト8班リーダー ケニーの日記」(航宙軍士官、冒険者になる異伝)    作:ミスター仙人

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1月の日記③(人類銀河帝国 コリント朝3年)《獣化兵(ゾアノイド)との戦闘確認会議》

 1月10日(人類銀河帝国 コリント朝3年)

 

 あの戦闘から5日経って、様々な状況と後始末そして検証が行われ、会議が開かれた。

 中央情報局エルヴィン局長が、情報の説明を始めた。

 

 「過去の人の動向調査のモニター履歴を確認し検証を行っていましたら、今より半年前にイリリカ王国に船で入港した、ザイリンク公国の従属国所属の船からやって来たと称する人々が、今回の事件当事者でした」

 

 と言うと、モニターにその船と過去の航路を示した。

 だが、その航跡は有り得ない事に、イリリカ王国の港からの50キロメートル沖で突然途切れていた。

 

 「此の航跡を見ても判る通り、半年前にこの船は突然西方教会圏とアフリカーナ大陸との間の海域の途中で出現し、そのままイリリカ王国の港に入港しています。

 その事を不審に思い、ザイリンク公国の従属国に船籍照会と来歴を確認した処、約1年前に此の船は行方不明となり、船主と船員の家族等は今も無事を祈って帰りを待っていました。

 しかし、イリリカ王国の港に入港した船員達は、船長以下船員全員が従来の人間と異なっていて、イリリカ王国側からザイリンク公国の従属国に問い合わせもしていなかったので、その事に疑問を持つことも無く、普通に船の入港税も支払われていた上で船の係留料も予め支払われていて、イリリカ王国の港は不審に思わなかったそうです」

 

 とエルヴィン局長は説明し、その船員達が今回の襲撃事件に関与している資料をモニターに映した。

 

 「・・・2周間前にこの船員達が、商業ギルドを通して30台の馬車を期間借りをして、今回の襲撃に使用したのは残された馬車と馬の登録記録で判明しました。

 そして馬車の荷台には、幾つかの不審物と重要なアーティファクトが残っていて、此等の確認作業と例の盗難されたアーティファクトの照合が進められます!」

 

 と今回の襲撃事件の裏とり状況を説明し終わった。

 

 続けて軍務大臣を兼任するダルシム大将が司会を努めて、獣化兵(ゾアノイド)とパワードスーツの戦闘の記録をモニターに出して、反省点とこれからの教訓を得るべくディスカッションする事になった。

 

 此の戦闘では自分やパワードスーツ部隊のリーダー、そしてドラゴン達を率いていたガイとサバンナにもモニターでの参加をしてもらう。

 

 先ずは『ヘビィマシンガン』による『パルス・ブラスター』の攻撃だ。

 

 実は当初、獣化兵(ゾアノイド)達の防御力が判らず、様子見で最弱の10%で攻撃させて居たのだが、どうもバリアーに類するもので遮蔽していない事が判り、30%に上げてみたのだがどうも相当近づかなければ効果が無いことが判明し、途中からは50%に上げて連射速度は下がったが、効果を上げる事は出来た。

 

 次にドラゴンとドローンによる支援攻撃だ。

 

 此れについては、攻撃当初から効果が薄い事に気付いたとガイとサバンナが発言する。

 実際に、動画で遡っても明らかに頭上と背中の防御力は、腹部や身体の前面部分より厚く頑丈であった。

 此れを見て、モニター参加のヴァルター大将が意見を述べた。

 

 「この様子を見るに、アラム聖国は上空から、つまりドラゴンからの強力な攻撃に対して、相当な対抗措置を獣化兵(ゾアノイド)を作る際に課していたのでは無いでしょうか?

 恐らくは、我等の『故国奪還の役』(現在では旧スターヴェーク王国復興戦争を帝国ではこの様に呼ぶ)でアラム聖国は、帝国のドラゴン達によって徹底的に痛い目にあっており、半ばトラウマになっていると思われますので、その為の防御力強化を上空からの攻撃に備える形にしたのでしょう」

 

 と推測を述べられたので、一同からも賛同の呟きが漏れる。

 この意見には自分も賛成だ!

 何故なら、恐らくはアラム聖国の切り札の一つで有ったであろう、『双頭の暴虐竜ザッハーク』を堂々と迎え撃ち、帝国側(この時はまだ帝国では無いが)に疲労以外の損害を与えさせなかったのは、紛れもなくグローリア殿とアラン様のコンビと自分達空軍のドラゴンの誇るべき戦果なのだから!

 

 此の事実がアラム聖国の中枢を揺り動かしたのは間違いなく、後に不可侵条約締結の為に来訪された『カルマ』殿も認めていた(もっとも此の交渉団の表向きの代表は別の人間だが)。

 

 最後にランドセルに装着しているリニアカノンによる長距離攻撃だ。

 

 この攻撃は完全に犀型の獣化兵(ゾアノイド)が土魔法を併用した防御陣で防いでしまった。

 つまり、実体弾の攻撃であるリニアカノンによる長距離攻撃は、アラム聖国が完全に対策している事が判った。

 恐らくはアラム聖国での兵器である、銃器や大砲での練習や訓練をこなしていたのでしょう。

 こうなると魔法系統の武装に、比重を置く必要があるのかも知れないな。

 

 この様に、問題が有ったと思われる攻撃を反省し、効果が有り良かったと思う『パイルバンカー』と『電磁ブレードソード』での攻撃には、より効果を上げるべく研究する事となった。

 

 此の様に戦闘に於ける反省点とこれからの教訓を得るべくディスカッションを終え、会議は終了した。

 

 さて、明日からは此の事を踏まえた訓練を、カリキュラムを組んで空軍訓練を行おう。

 

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