人類銀河帝国 コリント朝 功臣列伝資料 「サテライト8班リーダー ケニーの日記」(航宙軍士官、冒険者になる異伝)    作:ミスター仙人

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3月の日記④(人類銀河帝国 コリント朝3年)《会戦1日目夜戦と2日目》

 3月11日③(人類銀河帝国 コリント朝3年)

 

 帝国軍とアラム聖国軍は、其れ其れ10キロメートル程後退し相当な防御陣形を構築して滞陣した。

 日も落ちて帝国軍は土魔法とバリアーによる強固な防御陣形を構築し、アラム聖国軍も同様に土魔法とバリアーによる強固な防御陣形を構築した様だ。

 自分が指揮する空軍のドローン部隊は、空に有って何層にも渡る警戒網を展開しているので、虚を突く夜襲は出来ないと思われるが、物事には絶対は無いので、シフト制の交代体制で人員を配置して警戒に当たる。

 交代交代で夕食を摂り、休息に帝国軍が順番で入っていると、量産型ドローンからの情報が入ってきた。

 その情報は直ちに帝国軍上層部で共有され、アラン様以下全員がその情報に接する。

 量産型ドローンからの情報と云う事で、自分が報告を上げる。

 

 「・・・ドローンの探知魔法と赤外線センサー及び地面振動の微弱な偏位方向から、どうも地下を進んで帝国軍の下からの攻撃を企図しているみたいで、かなりの数の獣化兵(ゾアノイド)がやって来ている様です。

 然も、山脈に伏せていたらしい獣化兵(ゾアノイド)部隊が、例のテロ行為で使用していた光学迷彩と音を消す技術を使用し、ゆっくりと闇夜の中進んでいる事が、敵のアーティファクトを解析し改良したセンサーで発見出来ました。

 つまり、この進路方向と進軍スピードそしてタイミングから、時間差を付けた夜襲を企図しているのだと推測されます!」

 

 と報告し、自分の考えた推測も述べた。

 帝国軍上層部は、この情報を元に様々な事前に策定した作戦案の内の幾つかを採用し、迎撃作戦を練り上げて中級以上の尉官に周知させた上で、行動指針を徹底させた。

 

 0時近くになり帝国軍陣営近くの地面に「ドサッ!」と大きな穴が空き、地面からゾロゾロと獣化兵(ゾアノイド)部隊が地表に現れた!

 

 だが、その大きな穴の直上にいきなり巨大な閃光弾が撃ち込まれ、凄まじい光量で辺り一帯を照らし出す。

 

 不意の巨大な閃光弾の打ち上げに、面食らった様子の獣化兵(ゾアノイド)部隊に、帝国軍の艦艇から容赦ない艦砲の猛攻が繰り出される!

 どうしても地下を進む関係上、大型の重火器やバリアー発生装置を携行していない獣化兵(ゾアノイド)部隊は、帝国艦艇による十字砲火の猛攻撃になすすべなく兵力を減らしていく。

 

 それからやや時間差を置いた後に、山脈に伏せていた獣化兵(ゾアノイド)部隊が光学迷彩等の隠蔽手段を解除して、帝国艦艇目掛け突っ込んで来た。

 だが、事前にその獣化兵(ゾアノイド)部隊の存在と、位置関係を把握していた帝国軍は、その獣化兵(ゾアノイド)部隊の側面にパワードスーツ部隊3000を伏せさせていたので、獣化兵(ゾアノイド)部隊が帝国艦艇に攻撃を仕掛けた瞬間に、パワードスーツ部隊は横槍を付ける形で、至近距離からの改良された『ヘビィマシンガン』による『パルス・ブラスター』を連射し、獣化兵(ゾアノイド)部隊が怯んだと同時に、『電磁ブレードソード』で接近戦を仕掛けた。

 

 暫くの激戦が繰り返されたが、どうやらこの夜襲はアラム聖国軍本隊との連動作戦では無かったらしく、それなりの数の獣化兵(ゾアノイド)部隊は屠れたが、軍団規模の数は殲滅出来なかった。

 

 だが、早朝に戦場が明るくなると、思ったより多くの獣化兵(ゾアノイド)部隊が殲滅出来ていたので、帝国軍としては大きな戦果であった。

 

 3月12日①(人類銀河帝国 コリント朝3年)

 

 昨夜の夜襲が失敗したにも関わらず、アラム聖国軍本隊は朝から性懲りも無く遠距離攻撃を繰り返して来た。

 帝国軍は、昨日の状況から殆ど遠距離攻撃は意味が無いので、エネルギーと魔法力そして弾薬の無駄をせずに、バリアーでその攻撃を凌ぐ。

 

 だが、当然帝国軍はこの状況に対して無策な訳もなく、着々と反撃の準備を整えていた。

 

 アラム聖国軍が間断無く遠距離攻撃を繰り返して来ていたが、当然物量にも魔力にも限界点は有るし、大砲や野砲が火薬という物理現象を利用した遠距離武器である以上、熱反応による消耗は加速度的に広がる。

 恐らく、アラム聖国は帝国軍の様に限界まで消耗する戦いを経験した事は無く、如何に帝国を研究しようとどうしても経験上、上目線からの視点となりかなり自軍の見積もりは甘くなる。

 このアラム聖国軍の物量枯渇と、魔力欠乏、更には武器の消耗に対する見通しの甘さは、予想出来た。

 

 そして帝国軍は、反撃に転じる!

 

 其れ其れの艦艇の主砲には朝の段階から、予め用意していた新戦略級魔法『コキュートス2』を封入した魔法弾が、装填されていたのだ。

 

 アラム聖国軍側からの、遠距離攻撃が途絶えたタイミングに、各艦艇が一斉に新戦略級魔法『コキュートス2』を封入した魔法弾が、アラム聖国軍の頭上に降り注ぐ!

 

 一気に戦場を、極寒のブリザードが吹き荒ぶ北の大地へと変貌させる、新戦略級魔法『コキュートス2』が炸裂した!

 

 しかし、その凄まじい新戦略級魔法を無効化するべく、アラム聖国軍の各所に設けられたバリアー発生装置は全力で運転している様だ。

 

 その全力運転しているバリアー発生装置に、各艦艇が時弾として装填していた『ヴァルキリー・ジャベリン弾』が発射されて、見事にバリアーそのものを解除してしまった。

 

 この事態に余程驚いたのか、アラム聖国軍側に沈黙の帳が落ちる。

 しかし、当然帝国軍艦艇がこのチャンスを逃す筈もなく、全速力で艦砲を撃ちながら突進して行く!

 戦闘局面は、新たなターニングポイントを迎えようとしているのであった。

 

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