人類銀河帝国 コリント朝 功臣列伝資料 「サテライト8班リーダー ケニーの日記」(航宙軍士官、冒険者になる異伝)    作:ミスター仙人

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5月の日記①(人類銀河帝国 コリント朝3年)《3大国作戦会議》

 5月1日(人類銀河帝国 コリント朝3年)

 

 アラム聖国の2番目の都市である『デリー』にて崑崙皇国軍と合流出来て、帝国軍との併せた総兵力は凡そ300万人と云うとんでもない数となった。

 帝国は此の時までに、帝国に残して来た兵力の内、ヴァルター大将が率いる西方・南方方面軍以外の全てと言って良い軍団が、アラム聖国に駐留している。

 ビクトール大将が率いる北方方面軍50万人は、アラム聖国の治安維持の為に各地の都市に駐留し、諸々の変事にも備えており、自分の空軍のドローンから入る情報によって、適切な対応に出れる様になっている。

 新たにアラム聖国にやって来た、セリーナ・シャロン両少将が率いる高機動軍10万人と重機動軍10万人。

 それに、今まで一度として帝都コリントから動かなかった、ヘルマン中将率いる帝都守備軍10万人が、帝国軍の布陣に加わっている。

 作戦当初からの帝国軍、ダルシム大将率いる中央軍30万人、ファーン大将率いる東方方面軍50万人、自分率いる空軍10万人。

 つまり、『デリー』に集まった総兵力300万人の内、帝国軍は合計120万人で、崑崙皇国軍は180万人となる。

 ただ、陸上艦船の数とパワードスーツそして戦闘バイク、戦闘車両の数は明らかに帝国軍が勝っている。

 それに比べると崑崙皇国軍は攻撃軍と云うより、符術士や回復魔法要員其れに補給部隊の数が7割に達していて、事実上支援軍といって良いだろう。

 だが、この陣容を円滑に動かす為には、この位の支援部隊は当然必要となるので、予めこの編成の軍を派遣してくれた李世民皇帝には感謝の言葉も無い。

 

 昼に開催された作戦会議で、モニター越しにアラン様と李世民殿そしてカルマ殿が集まり、先ずは大国3者会議が行われそのまま全軍事上位関係者によるディスカッションが始まる。

 どうやら獣化兵(ゾアノイド)を中心としたアラム聖国軍は、『アフリカーナ大陸』に繋がる大トンネル手前の基地に籠城し始めた様で、明らかに防御陣を強固にするべく土魔法でトーチカの様な要塞を幾つも構築している。

 然もそのトーチカと土壁の表面は、植物の蔦の様な物がびっしりと覆っている。

 此の植物の蔦は先の戦いで、似たような防御陣を組まれた上に、最後には爆発した挙げ句に戦場にクレーターを作ってしまったとんでもない代物だ。

 

 この植物の蔦を見ていて、カルマ殿が顔色を悪くし始めた。

 カルマ殿は此の事実を知らなかったらしく、モニターと書類に記載された詳細な資料を食いいいる様に見ていると、突然手を上げて発言を求めたので、司会をしていたダルシム大将が許可を与えたので、その場で発言し始めた。

 

 「・・・此の植物の蔦は『草体』という特殊な植物で、2種類の生物との共生関係を営む生物相の存在です。

 信じられないかも知れませんが、此の『草体』と2種類の生物は、例の『サイヤン帝国』が此の惑星に持ち込んだ、言わば宇宙からの外来生物で全く此の惑星アレスの生物とは、異質の生き物であります。

 此の『草体』の強靭さと危険性は、対戦された帝国軍の方々が一番肌身に感じてる事でしょう。

 一刻も早く『草体』だけの段階で始末を着けてしまわねばなりません!

 もし、他の2種類の生物が育ちますと、手がつけられなくなります!」

 

 と、深刻そうな顔をされてカルマ殿は説明され、続けざまに、

 

 「アラン陛下!

 今現在推進している、『玄武』復活プロジェクトを全力で進めて、これ以上の『アグニ』による暴走を止めねばなりません!

 奴は禁忌として封じられたあらゆる遺物と技術を際限無く使用する気でいる。

 此の儘では、奴の所為で此の惑星は滅びを迎え、更に多くの惑星を巻き込んだ破滅を齎しかねない!」

 

 とあまりにも想像がつかないレベルの話しをされた。

 すると、崑崙皇国軍の一将校が質問をした。

 

 「・・・あまりにも規模の大きな話しなので理解し辛いが、兎に角我々軍人は目の前の敵を屠って行くしか無い!

 カルマ殿!

 取り敢えずは、此の『草体』と2種類の生物を敵として相手するのは理解した。

 せめて此の共生関係を営む生物の名前を教えて頂けるだろうか?」

 

 との訴えに、カルマ度は諳んじる様に答えた。

 

 「・・・アラム聖国に昔居られた聖人のお一人に、『マルコ』と云う預言者が居て、其の方が言われた予言書が東方教会には秘伝として伝わっている。

 この御方は、アラン様の出現と由来、其れに様々なこれから起こる事態を予言されていたのだ。

 その予言内容の一節にこの共生関係を営む生物の名前が記載されている。

 

 《天降る神人は、其れ等を目にし粗奴らを指差し言われた、「汝らは何者ぞ?」と。

 其れに対して粗奴らは、奇怪な叫びを上げるだけであったが、粗奴らを使役する者は得意気に宣言した。

 「此の者共は、『レギオン』!大勢で有るが故に」と笑いながら神人に挑んで来た》

 

 と云う内容なので、此れを引用して『レギオン』と名付けて貰いたい!」

 

 と質問に答えた。

 

 『レギオン』

 

 通常軍隊や軍団を指し示す言葉だが、何とも嫌な印象を与える言葉で有った。

 

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