人類銀河帝国 コリント朝 功臣列伝資料 「サテライト8班リーダー ケニーの日記」(航宙軍士官、冒険者になる異伝) 作:ミスター仙人
5月7日②(人類銀河帝国 コリント朝3年)
植物の蔦に覆われたトーチカから見たことの無い光線が、かなりの距離が有るにも関わらず放たれ始めた。
帝国軍が『レギオン』の居る基地に対して、若干近い形で包囲していた所為か光線攻撃に晒される。
その光線攻撃は、一点に集中される方式では無くて、薙ぎ払われる様に攻撃してきて、幾重にも光線が重なって光線攻撃が乱舞する様に空間を埋める。
「ドオオオオーーーン!」
と陸上艦船でも駆逐艦以下の戦闘艦が、バリアーを張って居るにも関わらず光線攻撃が甲板に届き、砲塔が壊されている。
相当な威力の攻撃で有る事が判り、直ぐ様陸上巡洋艦以上の艦船の後ろに後退し、バリアーを重ねる形で対抗する。
ドローンによる観測と探査データから、どうやら魔法攻撃では無く然もレーザー(熱線)やスマッシャー(粒子砲)の類では無くて、良くは判らないがマイクロ波を収束させた強力な破壊光線という事らしい。
此の様な種類の破壊光線には、あまりバリアーが有効では無いので、対抗するには結局歯には歯をで攻撃には攻撃で向かうしか無い。
よりバリアーに余裕の有る陸上重巡洋艦と戦艦が、比較的有効だと思われるファイアー系の魔法弾を艦砲で攻撃し始める。
植物の蔦に覆われたトーチカ群には、どうも一切のバリアー頭の防御手段を講じていないらしいが、そもそも半端でない再生力で植物の蔦が復活してしまうので、ひたすら不毛な消耗戦に突入してしまった。
暫くの間、遠距離攻撃同士の繰り返しを重ねていると、突然トーチカからの破壊光線が止む。
《エネルギーが尽きたか?!》
と訝しむと、トーチカと土壁の間からワラワラと『レギオン』と思われる巨大な虫が現れる。
かなりの数が出現してきたので、此れ迄トーチカには効果無しとして控えていた、陸上巡洋艦以下の駆逐艦やフリゲート艦クラス以下の艦船が、一斉に艦砲で攻撃し始めた。
どうやら『レギオン』は単体としての防御力は大した事が無いらしく、次々と艦砲攻撃で蹴散らされて行くのだが、1時間程経つと連合軍全体に或る懸念が生まれ始めた。
何故なら『レギオン』が出現するスピードが、一切変わらずにまるで噴出する様に湧き出て来るのだ。
段々と艦砲をすり抜けて『レギオン』が、帝国軍の艦船に到達する個体の割合が増えて来た。
あまりに死体が積み重なり、とうとう浮いている陸上艦船の船体に取り付き、船殻を攻撃し始めた。
「ガガガガガガッ」
と『レギオン』の鋭い鎌の様な両足と、鋭角的な頭頂部に有る角を駆使して船殻に穴を開け始めた!
その『レギオン』達に向かい、甲板上から帝国軍の戦闘員が完全装甲状態で、アラン様の持っていた『M151パルスライフル』の完全コピー版である『パルスレーザーライフル』を装備して、掃射攻撃による水際での防衛を行うが、数が時間が経つ毎に累積して行くので、段々とジリ貧になり始める。
この非常に不味い状況に、アラン様が温存していた切り札の一つを切る!
「・・・今から『ビスマルク』の『カイザー砲』による、植物の蔦に覆われたトーチカ群と基地攻撃を行う!
『カイザー砲』の射線上から退避せよ!」
との命令が下ったので、連合軍総旗艦『ビスマルク』が布陣の先頭に進み出たので、自分の指示で上空に滞空しているドローンのバリアー投射で、幾重にも『ビスマルク』の防御を肩代わりする。
かなり強固な繭(コクーン)状態にバリアーが構築され、『ビスマルク』はエネルギーを『カイザー砲』に全て振り向ける。
「『カイザー砲』エネルギー充填90パーセント、セーフティーロック解除、圧力、発射点へ上昇中。
エネルギー充填100パーセント、敵目標へ軸線合わせ、ターゲットスコープオープン、電影クロスゲージ明度20。
最終安全ロック解除、エネルギー充填120パーセント、対ショック、対閃光防御。
『カイザー砲拡散ブラスト』発射!」
次の瞬間、十分なエネルギー充填を終えて、連合軍総旗艦『ビスマルク』の先端に有る、超巨大なアダマンタイト製のドリルから凄まじいエネルギーが発射され、直進していたエネルギーがトーチカ群と基地の直前で拡散され、トーチカ群と基地に其れ其れの拡散されたエネルギーが直撃した。
その凄まじいエネルギー拡散により、巻き込まれた『レギオン』群は一斉に葬られ塵一つ残さないレベルで掃除された様だ。
この『カイザー砲拡散ブラスト』のお陰で、トーチカ群と基地そして群がっていた『レギオン』群は滅んだのだが、ドローンによる探知魔法ではトンネルを通って新たな『レギオン』群が押し寄せて来ているそうだ!
だが、その『レギオン』群の行動は、事前に行われた情報共有のお陰で或る程度想定していたので、既に機動軍としてのパワードスーツ部隊と戦闘バイク部隊、そして戦闘車両部隊が展開を終えている。
暫くすると、またも『レギオン』群が湧き出る様に押し寄せて来る。
やはり同じ様に、すり抜けて来る『レギオン』群を、事前に布陣させた機動軍が迎え撃つ!
いよいよ、戦闘の第二局面に戦場は移行したのだった。