人類銀河帝国 コリント朝 功臣列伝資料 「サテライト8班リーダー ケニーの日記」(航宙軍士官、冒険者になる異伝)    作:ミスター仙人

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5月の日記④(人類銀河帝国 コリント朝3年)《対『レギオン』戦②》

 5月7日③(人類銀河帝国 コリント朝3年)

 

 帝国軍と崑崙皇国軍の連合軍が布陣している戦闘艦の戦列は、トンネルの出口に半包囲する形で陣取り艦砲による徹底的な十字砲火を繰り返す。

 しかし、そのあまりの『レギオン』達の数にどうしても零れ落ちる様に、すり抜ける『レギオン』達が出てしまう。

 其れに対して、中央にパワードスーツ部隊5千機とシャロン少将の重機動軍(重戦闘バイクと重戦闘車両)2万が配置され、シャロン少将の乗る『ジャッジメント号』を中心に、溢れ出てくる『レギオン』の群れを強力な遠距離攻撃により、尽く殲滅して行く。

 

 だが、その凄まじい攻撃でも、トンネルを出て死体の山を利用して、横側から襲おうと左右に走る『レギオン』達が存在した。

 

 そんな『レギオン』達に対して、左側方面でカイン殿率いる重装機動軍2万が何時もの様に、カイン殿が乗るドリルバイクを先頭に突っ込んで行く!

 右側方面では、セリーナ少将の高機動軍(高速戦闘バイクと高速戦闘車両)2万が、左側方面と同様にセリーナ少将が乗る『ディアブロ号』を先頭に突進する。

 どうやらこんな接近戦で挑まれても、遠距離攻撃の類が一切来ない事から、やはり『レギオン』は接近戦に特化した生体兵器の様な存在なのだろう。

 ただ、半端でない数の暴力は尋常でなさ過ぎる!

 既に、この時点までで滅ぼした『レギオン』は、優に500万匹を越えているのだが、まるで勢いを落とさずにトンネル出口から溢れ出てきている。

 凡そ2時間の攻防戦にも関わらず状況に変化が無いので、アラン様は再度切り札の一つを切る!

 

 「此れより、戦略級魔法『メテオストライク』を使用する!

 各隊はそのまま現状維持で推移させながら、各自のバリアーを最大出力で出せる様に確認せよ!」

 

 とのアラン様の号令が下り、自分はドローンに戦闘部隊の魔力残量を確認させ、減り過ぎている戦闘部隊には遠隔で魔力補填をさせた。

 かなりの魔力が底を尽きかけている部隊がいて、ドローンの魔力が無くなり、ドローンへの魔力補給をさせる為に各空母に帰還させて、休息魔力充填作業に入らせた。

 

 20分程の時間が過ぎて、用意が出来たらしいアラン様が命令を下す。

 

 「戦略級魔法『メテオストライク』を此れより発動させ落下させる!

 目標地点は、『セリース大陸』と『アフリカーナ大陸』を繋ぐ地下トンネルの『アフリカーナ大陸』側の入り口である。

 恐らくは此方側出口は殆ど影響が無いとは思うが、爆発の影響での津波や地震による被害が想定される。

 連合軍は全員、最大防御体勢に移り自分自身を守れ!

 其れでは、戦略級魔法『メテオストライク』発動!」

 

 次の瞬間、遥か上空から白熱した巨大な火の玉が『アフリカーナ大陸』の方向に、轟音と供に落下して行くのが観測された。

 

 その落下の衝撃波は、空震を引き起こし巨大な津波が周囲一帯を襲う!

 だが当然津波を想定していた我々は、例の『日の本諸島』での教訓で培われた津波対策で、予めドローン部隊による消波対策で、此方から同程度の波を起こし津波を抑える事に成功した。

 同じ行動を西方の沿岸部でも西方・南方方面軍傘下のドローンにさせたので、西方教会圏の沿岸部でも防げたが、『アフリカーナ大陸』の沿岸部は壊滅状態の様だ。

 その間にも『レギオン』の群れは、トンネルの出口から此方に押し寄せてくるが、時間が経つにつれて数は少なくなり、やがて出現しなくなった。

 如何に大群であろうと、入り口が無くなればどうしようもないのだろう。

 

 漸く戦闘状態が終わり、連合軍は一息つける事が出来たので、交代交代で休息に入りながら損傷や枯渇した魔力を充填する為に、パワードスーツと戦闘バイクそして戦闘車両を回収し、補給行動を開始した。

 

 連合軍の艦船の半数近くが何らかの被害を受けているので、最初の布陣した場所に戻り修理艦と補給艦からの修繕と補給を受け始めた。

 この作業に入るだけで6時間も掛かり、夕方を迎えてしまったので警戒をドローン部隊に任せ、作業が終わった人員から完全休息に入った。

 

 正直な処、艦船の損傷や戦闘機体の被害を詳細に把握するに従い、此れまでの敵と較べて連合軍側にも全く余裕が無い事に戦慄を覚えた。

 しかし、このまま『アグニ』とその一派を放置して置くと、あの『レギオン』の群れだけでも我々人類にとって途轍もない脅威である。

 恐らくそれ程の猶予は、戦略級魔法『メテオストライク』での入り口潰しだけでは稼げなかったと思われる。

 なので、生き残った『レギオン』の掃討と探索を兼ねたパワードスーツ部隊を、交代交代でトンネルに侵入させて、確認作業をさせている。

 超高性能ドローンには、現在徹底的な『アフリカーナ大陸』の調査を行わせているが、どうにも全ての施設が有ると思われる場所は広大な地下都市に存在するらしく、然も何らかの阻害方法で殆ど空からは探査出来ない。

 苦戦、史上空前と言える連合軍でありながら、我々の頭の中でこの言葉が重く伸し掛かって来た。

 

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