人類銀河帝国 コリント朝 功臣列伝資料 「サテライト8班リーダー ケニーの日記」(航宙軍士官、冒険者になる異伝)    作:ミスター仙人

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5月の日記⑧(人類銀河帝国 コリント朝3年)《最終戦争(ハルマゲドン)②》

 5月20日②(人類銀河帝国 コリント朝3年)

 

 「ゴゴゴゴゴゴッ!」

 

 正に地鳴りと言える音が、地響きと共に轟く!

 想定していたとは言え、その5千万匹を越える『レギオン』が進軍して来る姿は、津波そのものでとてもこの世の物とは思えない光景だ。

 だがこの大群に対しても連合軍には対抗手段を準備している。

 

 『レギオン』という生体兵器には幾つかの特徴が有る。

 その特徴を逆手に取った戦術を実行する。

 

 「・・・B作戦始動!」

 

 との命令が総旗艦『ビスマルク』から下されて、直ちに作戦は発動した。

 各軍団の旗艦に当たる巡洋艦以上の艦は、A作戦で使用した『定遠』と『鎮遠』と同じく甲板上に用意された『飛翔誘導弾(ミサイル)』を発射する。

 ただA作戦で使用した物と違い、『飛翔誘導弾(ミサイル)』は然程の高度に上がらずに戦場の左右に飛び、砂漠の地面に20本が爆発もせずに突き刺さった。

 

 『レギオン』達は全く戦場から左右に逸れた『飛翔誘導弾(ミサイル)』を無視し、連合艦隊目指し突進してくる。

 連合艦隊は砲列を『レギオン』の前面に照準し、実体弾が3連で一斉射された!

 

 「ドオオオオーーーン!」

 

 と戦場に巨大な爆発の花が3回花開いた!

 そのまま連合艦隊は中距離での艦砲による連続発射に移行し、みるみる『レギオン』の死体の山が出来上がる。

 死体の山のお陰で射線が段々と遮られ始め、効果的な砲撃が難しくなる。

 そのタイミングに、戦場の左右の地面に突き刺さったままの『飛翔誘導弾(ミサイル)』から、強力な電磁波が発生した。

 途端に連合軍に襲いかかっていた『レギオン』の大群は、いきなり方向転換し戦場の左右の地面に突き刺さったままの『飛翔誘導弾(ミサイル)』に向かって行く。

 此れこそが、『レギオン』という生体兵器が持つ幾つかの特徴の一つで有る。

 『レギオン』は、『アグニ』達からの指令を電磁波で受けているらしいので、それよりも強力な電磁波を受けてしまえば、混乱してしまってその強力な電磁波を発する対象に近付く習性が有るのだ。

 そして20本の地面に突き刺さった『飛翔誘導弾(ミサイル)』に集まっていく『レギオン』群を尻目に、連合艦隊は弾薬の補充と魔力の充填を行いつつ、『レギオン』の死体の山の前に布陣を整え死体の山そのものを背後の壁とする。

 

 準備が整ったので『飛翔誘導弾(ミサイル)』からの電磁波が発生するのを止めると、途端に連合艦隊に突進し始めた。

 そして先程と同じく、連合艦隊は砲列を『レギオン』の前面に照準し、実体弾が3連で一斉射された!

 全て前と同じく『レギオン』の死体の山がたちまち出来上がる。

 この同じプロセスを5回繰り返し、被害を極力避ける戦術で『レギオン』の大群を殲滅する事に成功した。

 5個の巨大な死体の山を後方に置き去りにし、連合艦隊は大洞窟に進軍する。

 

 大洞窟の前で枯れ果ててしまった『草体』が、うず高く積み上がっている大洞窟の手前で妙な地震が起こった。

 

 《な、何だ?》

 

 『草体』の残骸がその地震で崩れ去ると、突然巨大な突起物が地面から出現すると、続いて似たような巨大な突起物が4本現れた。

 その計5本の巨大な突起物は、やがて再度地震を起こしながら徐々に全身を地表に現した。

 

 《此の巨大な怪物は?!》

 

 凡そ体高が100メートルで、尾を含めると全長150メートルの怪物が4体で、体高が200メートル尾を含めると全長300メートルの怪物が1体。

 基本的なフォルムは『レギオン』に酷似しているが、幾つかの部分(特に角等)は異なっていて、触覚等が大変立派だ。

 

 つまり恐らくは『レギオン』が育ちきるとこの怪物になるのだろうと理解出来たが、あの厄介な『レギオン』がこんなに巨大になったとなると、その強さは尋常ではないだろうと想像できた。

 

 巨大レギオン達は、突然その立派な角を開き何らかの破壊光線を放つ!

 

 「ズガガガガガガガガーーー!」

 

 その5本の破壊光線は、連合艦隊全体を薙ぐ様に攻撃して来たが、予め最大出力のバリアーを張っていたので、かなり減衰させる事が出来たがどうしても小型の艦艇はバリアー出力が弱くて、それなりの被害を受けている。

 

 その破壊光線での攻撃を受けた連合艦隊は、直ぐ様布陣を変えて大型艦が外側に配置し、小型艦を内側に配置する完全防御布陣となり、多重バリアーを張る事で破壊光線での攻撃を受け切る。

 だが此の儘では、巨大レギオン達を攻撃する事が出来ない!

 なのでアラン様は、作戦を切り替える。

 

 「C作戦に移行せず、D作戦始動!」

 

 この命令が総旗艦『ビスマルク』から下されて、直ちに巨大空母『グラーフ・ツェッペリン』の甲板が左右に全開し、『玄武』とアトラス殿そしてグローリア殿が戦闘準備を終えた武装状態で立ち上がった!

 

 「玄武!『北極佑聖真君(増加装甲)モード』、アトラス・グローリア!『光翼竜(ケツアルコアトル)モード』増装タイプにて出撃せよ!」

 

 との命令がアラン様から下り、

 

 「「「オオオオオオオオオオーーーーー!!!」」」

 

 との雄叫びが3頭から上がり、3頭全員から凄まじい戦気が立ち上る!

 

 いよいよ戦局は想定を越えた段階に入り、混迷を極め始める事となった!

 

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