人類銀河帝国 コリント朝 功臣列伝資料 「サテライト8班リーダー ケニーの日記」(航宙軍士官、冒険者になる異伝)    作:ミスター仙人

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5月の日記⑬(人類銀河帝国 コリント朝3年)《最終戦争(ハルマゲドン)⑦》

 5月27日④(人類銀河帝国 コリント朝3年)

 

 新軍団魔法『ソニックインパルス3』の陣形で『ブラストヴォイス』を放ちまくるが、やはり限界に達してしまい、ギャオス群を3千羽撃ち落とした段階で、『ブラストヴォイス』を使えなくなった。

 

 暫くは、魔力と身体的負荷からの回復に時を掛ける必要がある。

 なので、2次的な防御手段である音響断層を、ドローン部隊が展開しドラゴン軍団は両肩に装備されている、ブラスター砲で攻撃しまくる。

 しかし、ギャオス群が高速移動出来るのに対し、ドラゴン軍団は高速で移動すると音響断層での防御手段が取れなくなってしまう。

 ドラゴン軍団の利点である高速移動が出来ない現状は、非常に不味い。

 何故なら、ギャオスも超音波メスだけが攻撃手段では無く、爪や牙更には其の巨体を利用した体当たり等の攻撃方法がある。

 やがて、その事実に気付き始めた一部のギャオス達が、高速での体当たりを始めてドラゴン軍団にぶつかってきた!

 そんな奴らにはブラスター砲での集中砲火で追い散らすが、もしバラバラでは無く纏まって体当たりして来たら、対応出来ない可能性が高い。

 ジリジリとした時間が過ぎて行く。

 ドラゴン軍団は、超高性能ドローンからの超効率の魔力補填とヒールによる回復魔法での、一刻も早い魔力と咽喉部分の癒やしに急いでいるが、此処までギリギリまで負荷が掛かってしまっていると、中々治らない。

 その間にも、ドラゴン軍団を防御する為に全力を尽くさせている量産型ドローンには、ギャオス達の攻撃によってかなり損害が出てきていて、凡そ3割の量産型ドローンが破壊されてしまった。

 いよいよ、不味くなって来たので空母艦隊に備え付けの艦砲で、あまり効果が無いのは判っていたが、牽制にはなるので攻撃し続けた。

 やはりその牽制攻撃をし続けた為に、ギャオス達は空母艦隊に攻撃を仕掛けてきた。

 次々とバリアーを貫通して、ギャオスの超音波メスが空母艦隊に被害を与える。

 そんな中、格納庫から未だ聖水に満たされた調整槽に浸かっている、アトラス殿とグローリア殿から緊急通信が入った。

 アトラス殿は、

 

 「まだ完全な調整が出来て無い上に、『アグニ』との最終決戦まで温存したかった気持ちも判りまが、此の儘では全てが水泡に帰します!

 此処は調整不足であろうが、対『古きものども』に特化した神の武装である星間戦争用武装『雷電(ライディーン)』を使用すべきでしょう!」

 

 そしてグローリア殿も、

 

 「夫アトラスの言う通りです!

 此処でグラーフ・ツェッペリンが沈めば、全てがご破産です!

 どうか決断を!」

 

 と2頭の嘆願を受けて、切り札を此処で使うべきか悩む。

 しかし、直ぐにその懸念は振り払われた。

 何故ならアラン様が事前の命令を撤回し、新たな命令を我らに下したからだ。

 

 「当初の命令を破棄し、新たに命令を下す!

 直ちにアトラス、グローリアの両名は、星間戦争用武装『雷電(ライディーン)』に『フェード・イン』し、『神音轟壊(ゴッド・ボイス)』を使用せよ!」

 

 とのアラン様の新たな命令に従い、格納庫に鎮座していた謂わばドラゴンの神機である2体の巨神が、甲板を割って姿を現した。

 そして自分は最善と思える指示を出した。

 

 「良いか!アトラス殿とグローリア殿!

 知っての通り、此の2体の『雷電(ライディーン)』とのお二人のシンクロ調整は、未だ確立しきれていない!

 なので、『フェード・イン』しても動き回る事は出来ない!

 アラン様の命令通り、『神音轟壊(ゴッド・ボイス)』を一回使うのが恐らく限界だ!

 よって、グラーフ・ツェッペリンに固定したままで使用する、くれぐれも意識をしっかりと保てよ」

 

 と最後はアドバイスを添えて指示した。

 

 「「了解!!」」

 

 とアトラス殿とグローリア殿は返事すると、調整槽から出て用意されていた腕輪を其れ其れの右腕に通した。

 するとその腕輪は、サイズを微調整するとアトラス殿とグローリア殿の右腕にジャストフィットする。

 それを確かめたアトラス殿とグローリア殿は、其れ其れの巨神の前に歩を進め唱えた。

 

 「「『フェード・イン』!!」」

 

 そう唱えるとアトラス殿とグローリア殿は、巨神の胸の部分に存在する巨大なクリスタルから照射される光に乗ってそのまま吸い込まれた!

 

 すると、今まで欠片も生気の無かった巨神に精気が宿り、眼が光り始めた。

 

 「二人共大丈夫か?」

 

 とアトラス殿とグローリア殿に尋ねると、巨神が此方を向いて頷いた。

 恐らく声を出すような繊細な調整は出来ていないのだろう、あまり時間の猶予が無い事を把握し、準備を整えていた、ドラゴン軍団と量産型ドローンに命令を下した。

 

 「今より、グラーフ・ツェッペリンの甲板に固定した『雷電(ライディーン)』から、『神音轟壊(ゴッド・ボイス)』を使用する、各ドラゴンとドローンは指令に従ったポジションに移動し、ギャオス達を一定の範囲に押し留めろ!」

 

 その指令に従い、溜め込んだ魔力とある程度治った咽喉で、音響断層を作り出してギャオス達の進行方向を制限して、目論見通りギャオス達を一定の範囲に押し留めろ事に成功した!

 

 「今だ!」

 

 と自分が命令を発すると、2体の『雷電(ライディーン)』は各々の構えを取った。

 

 アトラス殿が『フェード・イン』した青・黃・赤のトリコロールカラーの巨神は、3つの穴を開口させた!

 

 グローリア殿が『フェード・イン』した全身が黄金色の巨神は、手に持つ黄金の錫杖を構えた!

 

 次の瞬間、グローリア殿の『雷電(ライディーン)』が黄金の錫杖から不可思議な波動をギャオス達に叩きつけた!

 その瞬間、約7千羽のギャオス達は空間に縫い留められる様に固定され、微動だに出来なくなる!

 

 そしてアトラス殿の『雷電(ライディーン)』に出来た3つの穴から、アトラス殿の絶叫が轟く!

 

 「『神音轟壊(ゴッド・ボイス)』ゴッド・ラ・ムー!」

 

 その凄まじい音響は、容易く『ブラストヴォイス』のレベルを凌駕し、信じ難いレベルの超音波を衝撃としてギャオス達に浴びせた!

 

 音が聞こえなかった・・・。

 

 まるで其処には何者も居なかったと思える程に、呆気なくギャオス達は痕跡も残さずに消滅した。

 あまりの『神音轟壊(ゴッド・ボイス)』の威力に、空母艦隊の皆は茫然自失してしまい、言葉を無くしてギャオス達の居た空間を見続けた。

 

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