人類銀河帝国 コリント朝 功臣列伝資料 「サテライト8班リーダー ケニーの日記」(航宙軍士官、冒険者になる異伝)    作:ミスター仙人

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6月の日記②(人類銀河帝国 コリント朝3年)《真実の最終戦争②(ハルマゲドン)》

 6月1日②(人類銀河帝国 コリント朝3年)

 

 クトゥルフは突然オーボエのようなくぐもった声を張り上げて、何か聞き取りづらい発音で唱え始めた。

 

 「キウェフィウgテャh8オb!」

 

 その瞬間、この『神の戦場』に存在していなかった水が大量に湧き出し、アラン様と『玄武』に大波として襲い掛かった!

 

 しかし、臨戦態勢だったアラン様と『玄武』は、殆ど間を置かずにジャンプし大波を避けると、『玄武』の後ろ脚の付け根からジェット噴射させて、前脚は平べったくなって滑空体勢で空を駆ける。

 

 其れに対してクトゥルフは、その巨大な蝙蝠のような翼を羽ばたかせ、アラン様と『玄武』を追いかけ始めた。

 

 「ケrgハウェッpWNtgビ!」

 

 聞き取りづらい奇怪な叫び声が、クトゥルフの悍ましい口から放たれると、アラン様と『玄武』の前面に巨大な壁が現れて進行方向を塞ぐ。

 然もその壁は、獰猛そうな魚がびっしりと埋まっていて、その魚の口からはどう見ても汚辱に塗れた様な汚水がアラン様と『玄武』に向けて吹き出された。

 

 「次元断層!」

 

 アラン様は、神鎧『ジークフリート』の権能で有る『次元干渉能力』を用い、一切の攻撃を無効化する。

 そして持っていた3つの『ゾア・クリスタル』の複製を空中に投げた!

 

 「召喚!四聖獣が三聖!

 『青龍』『白虎』『朱雀』!

 来たりて我が命に従い、我とともに此の次元への侵略者を滅ぼせ!」

 

 と天に向けて唱えられた。

 

 すると、その呼び掛けに応えて神聖な光の柱が、アラン様と『玄武』の周りに屹立した!

 

 其れは3色の神聖な御柱!

 

 一つは、青い色の全身の両手に玉を握った龍!

 

 二つは、白い色の全身の猛々しい猛虎!

 

 三つは、赤い色の全身の炎を纏った鳳凰!

 

 『玄武』以外の四聖獣は、顕現すると己が司る方向に飛んでクトゥルフを牽制し始めた。

 

 クトゥルフもその四聖獣の牽制を煩わしく感じたのか、己の皮膚上にある瘤から緑色に濁った汚水を、まるでビーム光線の様な勢いで飛ばし始めて、周囲に乱舞する様に撒き散らす!

 

 しかし、『玄武』以外の四聖獣はそもそも実体を持たず、謂わば光がその実体を象っているに過ぎない。

 つまり、如何に凄い攻撃力を誇ろうと物理的な攻撃は、意味を持たない。

 

 暫く、同じ攻撃を繰り返したクトゥルフだったが、無意味な事に納得したのか、四聖獣の牽制攻撃を無視してアラン様と『玄武』に攻撃を集中させて来た。

 

 クトゥルフは巨大な鉤爪を振りかざし、その周辺に濁った水泡が無数に出現して、振り下ろすと濁った水泡がアラン様と『玄武』に殺到する。

 

 「歪曲空間(ディストーション・フィールド)」

 

 アラン様が呟くと、アラン様と『玄武』の周りに空間の膜とも呼ぶべき繭(コクーン)が出来、殺到して来た濁った水泡を簡単に弾き飛ばす。

 弾き飛ばされた濁った水泡は互いにぶつかり合うと、空間が爆砕される様に爆発の連鎖が起こった。

 

 「ドゴオオオオオオーーン!」

 

 と凄まじい爆音が鳴り響く中、アラン様が歪曲空間(ディストーション・フィールド)を纏ったままクトゥルフの背後に回り、蝙蝠の様な翼に『レーヴァテイン』で斬りかかる。

 

 「ガッ!」

 

 という鈍い音が響いただけで、あの神器『レーヴァテイン』の刃が通らなかった!

 

 続いて『玄武』が極大の『プラズマ火球』をクトゥルフの正面に叩きつけた!

 しかし、クトゥルフはまともに喰らったにも関わらず、欠片もダメージを負った様子が無い!

 

 その間もクトゥルフは、音波や超能力による精神攻撃を、アラン様と『玄武』に対し続けていて、四聖獣は常にそれを阻害している。

 

 クトゥルフは、やはり今までの『古きものども』と格が違い過ぎる!

 此奴に傷を付ける事など、出来るのだろうか?

 

 当惑しながら観察していて、或る一つの事実に気がついた。

 クトゥルフの攻撃は、必ず何らかの水分を介在して攻撃している。

 つまり、奴の根源的な力の種類は水精であるという事だ。

 

 鋭いアラン様も案の定弱点を点くべく、行動を開始した。

 

 四聖獣の内でも火精の『朱雀』を活用する事にしたのか、『朱雀』をクトゥルフの直上に配置して、他の『青龍』と『白虎』がその支援の為か、精霊力を『朱雀』に注ぎ込む。

 

 次の瞬間『朱雀』は凄まじい灼熱の炎を纏い、クトゥルフの周囲に炎の竜巻を巻き起こし、火炎地獄を出現させた。

 直ぐ様クトゥルフは対抗する様に大波を巻き起こし、炎の竜巻を鎮火させようとしたが、精霊力で引き起こされている火炎地獄は実体を持た無いが、熱と風で引き起こされた熱波は容赦無くクトゥルフの全身を炙る。

 全く抵抗出来なくてイライラが募ったのか、クトゥルフはオーボエのようなくぐもった声を張り上げて、少なくとも攻撃が当たるアラン様と『玄武』に突進してきた。

 

 そのタイミングを図っていたのか、アラン様は虚空に向けて唱えた。

 

 「神人権限にて、星系防衛機構『ADAM』の対『古きものども』プログラム、『空間固定』を行使せよ!」

 

 とアラン様が唱えると、突然クトゥルフはアラン様と『玄武』の直前と言って良い500メートル前で、空間に縫い留められた!

 

 そのタイミングに、『玄武』が溜めに溜めていた精霊力を限界迄使い、『玄武』の最終奥義を解き放った!

 

 「ドドドドドドドーーーー!」

 

 其れは、巨大『レギオン』にトドメを刺した『ウルティメイト・プラズマ』で有る!

 

 その凄まじい威力のプラズマ光線は、信じ難い程の灼熱温度でクトゥルフを炙り続ける!

 

 「kァwhrイアエウィh!!」

 

 とクトゥルフは、漸く苦悶の声を上げた。

 このままで行けば、このクトゥルフの分身体は倒せると思えた。

 

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