人類銀河帝国 コリント朝 功臣列伝資料 「サテライト8班リーダー ケニーの日記」(航宙軍士官、冒険者になる異伝)    作:ミスター仙人

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31. 12月の日記⑤

 12月8日

 

 全軍しっかりと朝食を摂り、昨日の作戦会議の通りに王城城壁四隅に新兵器である対長距離魔道砲を設置し、連れてきた『黒』の精鋭が其々に一人ずつ配置され残り二人はゲルトナー大司教の護衛についた。

 空軍は、自分を含む5騎が戦闘に参加し残りの10騎は周辺からの敵軍への援軍が来た際の要撃用の備えとして各街道を見張らせている。

 王都守備軍と防衛軍には、カーゴに入れて持ってきた関節部分を守る合金製のサポーターを、鎧の邪魔にならない様に装着して貰い防御力を上げ、魔法の不得意な者は3人で組ませ持ってきたバズーカを砲手、砲身変換、魔石供給と役割分担させ運用させる。

 予定通りに王都守備軍は城壁上、防衛軍は城門内側に待機させる。

 用意が整いガイの後部座席に乗るシュバルツ殿が、アラン様と共にやって来られた。

 背中にパラシュートの入ったランドセルを背負われ、腰には2剣を差して関節部分には合金製のサポーターを装着しており準備万端の様だ。

 昨日の作戦会議の後は、ずっとシュバルツ殿は我々と行動を共にして、色々と会話する事でかなり打ち解けて来たのだが、このシュバルツ殿は剣王とは思えぬ程気軽な御仁で、色々な物に興味を示され先進的な魔道具を見てアラン様のコリント領にこの内乱が終息したら、来訪するだけでは無く手柄を挙げるので是非屋敷を賜りたいと堂々と要求してきて、アラン様も大笑いされて手柄次第では道場もプレゼントしようと返答されたので、シュバルツ殿も「必ず大手柄を挙げますぞ!」と顔を紅潮させて鼻息荒く約束された。

 そして午前9時になりブリテン侯爵の「作戦開始!!」の号令で、王城城壁四隅から敵軍に向かって対長距離魔道砲から魔法が放たれた、敵軍は魔法の届かない距離に居るとの思い込みから警戒していなかった様だが、放物線を描き勢いを落とさずに空から降ってくる魔法に表情を強張らせた瞬間、轟音と共に4地点でファイアーグレネードが炸裂した。

 次の瞬間アラン様が、

 「出撃!」

 と命令が発せられ空軍5騎が城門内の広場から飛び立つ。

 狙うは敵軍の中心に有る攻城兵器群で、空軍5騎から火球が空中から発射され周囲に居た敵軍も爆風で吹き飛んだ。

 敵が大混乱に陥ったタイミングにアラン様は、パラシュートも着けずにミーシャの乗るサバンナから飛び降り、着地する瞬間エアバレットを地面に向かって撃ちフワリと着地され、それに続いてシュバルツ殿がガイの上から飛び降り、問題無くパラシュートを開かれて、3メートル程の高さからパラシュートを切り離されて地面に降り立つ。

 混乱中で殆どの者が両者に気付かない中、悠々とガンツ伯とカリファ伯に近づく二人だが双方の戦いぶりは違い、シュバルツ殿は向かって来る敵の手足を容赦無く斬り飛ばして行き、アラン様は剣の峰や柄頭を使い首筋や鳩尾を打ち据え昏倒させて行く、30人程が戦闘不能になる中漸く二人に気付いたガンツ伯とカリファ伯は、顔を引き攣らせながら金切り声で周りの兵士に二人を倒せと命令するが、命令に従った10人が前述と同じ様に戦闘不能にさせられる様子を見て、二人を遠巻きにして様子を窺うのみになった。

 ガンツ伯とカリファ伯は、兵士は役に立たないと見て後ろを見せて逃げようとした瞬間、アラン様が我々と最初に会った時に見せた、瞬間移動と思える程のスピードでガンツ伯とカリファ伯を昏倒させて組み伏せた。

 シュバルツ殿が、

 「お見事な『縮地』ですな!」

 と感嘆しながら背負ったランドセルから拘束具を取り出し、ガンツ伯とカリファ伯を拘束した。

 それを確認し、自分はガイに火球を上空に飛ばさせて空中で爆発させる。

 それを合図として、城門が大きく開かれて防衛軍が打って出る。

 大混乱中の敵軍に、吶喊の雄叫びを上げ突入する防衛軍は、アラン様とシュバルツ殿に合流しその場で円陣を組むと、周囲に向かってありったけの魔法と弓矢そしてバズーカを撃ち込む。

 その凄まじい攻撃に敵軍は為すすべもなく吹き飛び、城壁からも間断なく援護射撃が加えられて、指揮官不在の為に撤退の指示も出せず散り散りとなって逃げて行った。

 戦場には、呻き声を上げる敵軍の怪我人が散乱しているのみで、味方の兵士は殆ど怪我した者もおらず、戦いは籠城軍側の完勝となった。

 アラン様は、此の場での決着は着いたと判断され、

 「我々の勝利だ!!」

 と勝鬨を上げられ皆も、

 「「「「オオーッ!!!」」」」

 と拳を突き上げ勝利の雄叫びを上げた、そんな中アラン様にシュバルツ殿が近付き握手を求められたので、アラン様も手を差し出し固く握手を交わしていた。

 

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