人類銀河帝国 コリント朝 功臣列伝資料 「サテライト8班リーダー ケニーの日記」(航宙軍士官、冒険者になる異伝)    作:ミスター仙人

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閑話⑭「カレンちゃん日記」⑩(カレンちゃん親友と再会する)

8月15日

 

 うれしいよー!

 親友だった『テルちゃん』と再会できたの!

 整理すると、今日いつものように午前中は9月からの『学校』が始まる前に、基本的な読み書きをテオくんとエラちゃんに教えて、午後は病院のお手伝いに行ったの。

 だって、夏休み中だけど病気や怪我をする人はいるし、ヒールは使えば使うほど上手になるから魔力を問題無い量使うのは、毎日の日課なんだ。

 1時間くらいガンバってヒールを掛けて、今日の日課を終えて帰ろうとしたら、病院の裏口からキンキュウカンジャが運びこまれていくところに出会っちゃた。

 タンカって名前の移動用ベッドに乗せられた男の人が、治療室に運びこまれて行ったんだけど、見覚えがある人のような気がして、何となく控え室に行ってみたら、『テルちゃん』とテルちゃんのお母さんが居たの。

 エッ、テルちゃんは、ルドヴィークでアロイス王国の懲罰官に連行されたハズだよね?!どうしてここに居るの?

 驚いて入り口で固まってたら、テルちゃんが気付いてくれて、

 「カレンちゃん?!」

 と大声を上げたから、テルちゃんのお母さんも気がついて、

 「マゼラの娘のカレンちゃん?!」

 と言って二人とも驚いたまま固まっちゃた。

 駆け寄ってテルちゃんに抱きついたら、テルちゃんも抱きしめ返してくれて、二人で「ワー、ワー」泣いちゃった。

 テルちゃんのお母さんが、テルちゃんと私の背中をなでてくれて、ちょっと落ち着いたからどうしてコリント領に居るのかテルちゃんに聞いたの。

 何でも、ルドヴィークでアロイス王国の懲罰官に連行されて、アロイス王国南部の農地で強制労働をさせられていたんだけど、テルちゃんのお父さんが体をコワして農場で働けなくなって、一家ごとアラム聖国に売られていく最中に、コリント領のテイサツ部隊『黒』の人達に救われて、そのまま馬車で大規模移民団に合流したんだけど、テルちゃんのお父さんのヨウダイが悪くなったんで、キュウキョ例の『モトローラー』に乗せて、一足早くコリント領に着いたんだって。

 話に夢中になってたら、カンゴシさんがやって来て、

 「薬とヒールの重ね掛け、そして『ナノム玉』を投与しましたので、容態は安定しました、このまま病室に入って貰いますね。」

 と言われたので、テルちゃんとテルちゃんのお母さんは、ホッとしたみたい。

 みんなで、テルちゃんのお父さんを見舞ったら、眠ってるけど呼吸も静かだし顔も赤みがさして元気そう。

 カンゴシさんが、

 「ご家族は、どこに泊まられますか?」

 と聞かれたから、私が、

 「ウチに泊まればいいよ。」

 と答えたら、

 「いいの?」

 とテルちゃんが聞いてきて、

 「モチロンだよ!」

 とムネをたたいたら、

 「ありがとう、カレンちゃん。」

 とテルちゃんのお母さんが、涙ぐんで感謝してくれた。

 サッソク母ちゃんに、病院の通信機で連絡して馬車で来てもらい、荷物を積んで家に帰ることにする。

 途中フードコートで、大量のサンドイッチやピザそしてパスタを買って、他の店でスープを買い鍋に入れて持って帰る。

 家に帰ったら、テオくんとエラちゃんがお風呂を沸かしてくれてて、テルちゃんとテルちゃんのお母さんに入ってもらう。

 テルちゃんとテルちゃんのお母さんも、ようやく落ち着いてきたのか、ウチの中を物珍しそうに見て色々と質問して来たから、私と母ちゃんで答えてあげたらスゴク感心してた。

 母ちゃんとテルちゃんのお母さんは、さっき買った夕飯を食べ終わった後もテーブルで話こんでるから、私達は、ウチで1番広い応接間にベッドを並べテオくんとエラちゃんも一緒に寝ることにした。

 テオくんとエラちゃんに、テルちゃんは私の親友だよと紹介して、テルちゃんにはテオくんとエラちゃんは大切な弟分と妹分だよと説明し、友達になってもらったの。

 疲れてるのか、テルちゃんとテルちゃんのお母さんはしばらくしたら、眠っちゃった。

 

 8月17日

 

 無事テルちゃんのお父さんが、病院を退院してコリント領に住むことになり、昨日の内にロベルトおじさん(未だにこう呼んでるの)の許可をもらって、ウチの隣の部屋に住むことが決まったの。

 元々備え付けの魔道具や、家財道具以外の生活用の物資も届いたから、私とテオくんとエラちゃんはお手伝いをすることになったの。

 大分テルちゃん達家族も驚いていたみたいだけど、魔道具がスゴク便利なことと、自分達をサイテイな立場にしたアロイス王国から救ってくれた、クレリア姫様とアラン様に感謝したいと言われた。

 でも、今お二人とも戦争に行ってて居ないんだよねー、と考えてたら、テオくんとエラちゃんが、「ちゃんと伝えておくよ!」とうなずきながら答えてくれた。

 そう云えばこの二人は、クレリア姫様とアラン様の公式な小姓だから、伝える相手としては向いているんだよね。

 「お願いね。」

 とテルちゃんのお母さんに言われて、

 エラちゃんは、真っ赤になりながら、

 「わかった!」

 と返事してくれたから、テルちゃんのお母さんがエラちゃんを抱きしめてあげたら、エラちゃんは「ママ、ママ!」と泣き出しちゃった。

 エルナさんから、テオくんとエラちゃんの生い立ちを聞かされてたから、幼い時にお母さんを亡くしたエラちゃんは今まで甘える相手がいなくて、寂しかったんだろうなと思い、今後はお姉ちゃんとして甘えさせてあげようと思った。

 

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