人類銀河帝国 コリント朝 功臣列伝資料 「サテライト8班リーダー ケニーの日記」(航宙軍士官、冒険者になる異伝)    作:ミスター仙人

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閑話⑰「ガトル親父の雑記」④(親父、問題を解決するの巻)

 9月1日

 

 娘達が『学校』ってのに通い始めるタイミングに、その親達も職業訓練校に通いながら、工場勤務を実地に始める事になり、俺等の工場でも120人やって来たから午前・午後で60人ずつ、交代しながら勤務をしてもらう事になった。

 流石に素人に、魔道具の扱いを任せる訳には行かねえから、先ずは工場のラインの検品作業と清掃及び荷物の搬入、搬出をしてもらい、暇な時には車両運転訓練校に行ってもらう事にした。

 しかし、この工場も広いと思ってたけど今じゃ200人弱働いているから、段々手狭になって来たな、ロベルト老に話しをつけて、後2,3棟の工場を作って貰わねえと、予定している新規の車両の開発ラインが滞っちまう。

 

 9月5日

 

 車両関係者の初会合が行われたんだが、中々凄え面子でクセのある奴ばっかりだったぜ。

 先ずは、

 

 魔道列車組・・・・・・魔道列車を開発し今や時の人と言っていい、『アルムおんじ』と孫の『ハイジ』その付き人で『クラン・シャイニングスター』所属の『ペーター』。

 

 トレーラー組・・・・・トレーラーの仕組みを考えつき、今最優先で工場をフル稼働させてる、『ホシ』と相棒の『ジョナサン』。

 

 俺達、トラクター、フォークリフト組の『俺』と『ドップ』そして付き人として来た『ハロルド』。

 

 そして、この初会合を主催したロベルト老。

 

 挨拶もそこそこに、ハイジ嬢が、

 「ロベルトさん、今ある資材量だと5両編成の魔道列車を4両しか作れないわ、至急資材の増量をお願いします!」

 とロベルト老に要求して来た。

 ロベルト老は、

 「判っておる、だが今はレールの無い他領への物流を考えると、トレーラーを優先しなければならんし、漸く各ブロックの建築が終わったが、コリント領の玄関口の街を整備しなければならん、人手は大規模移民の成功で上手く行きそうじゃが、資材はもう少し待ってくれ。」

 と答えて、ハイジ嬢も「仕方ないわね。」と諦めた様だ。

 次に、ホシって奴が挙手して、

 「ロベルトさん、実は軍からの要望が多すぎて困ってるんだよ、オイラが考え付いたのはあくまでも車両部分とカーゴ部分を連結させて運用する車両だ、カーゴ部分を荷物用にするのは判るが、医療用、作戦指揮用、調理用にしろなんざ無理だぜ。」

 と困ってる事情を吐露しやがった。

 ロベルト老も、

 「お主の言うことも最もじゃな。」

 と同調して悩んでいる様だが、ハイジ嬢が、

 「私達も困っているのよ、魔道列車が積んで運んでくる鉱石や木材は工業ブロックに降ろすんだけど、その際の積み下ろし作業の煩雑さと、玄関口駅でのトレーラーへの荷物の積替え作業の時間と手間が掛かり過ぎて、上手い具合に行ってないわ。」

 と更に問題提起をしたので、ロベルト老は頭を抱えちまった。

 頃合いを見て、俺も手を上げて発言させて貰おうとしたが、ロベルト老は、

 「お主も困り事か?」

 と疲れた様子で発言を促したが、俺は、

 「いや、むしろ問題解決の提案だな。」

 と答え、皆の注目を集めると、

 「つまり、あんた方の問題点は、それぞれの用途に合わせてカーゴ部分を作っている為、一々その規格に合わせなければならない訳だ、ならば一つの頑丈な箱の統一規格を作り、その箱の内部は好きな様に運用出来るようにするが、外側は全部一緒にする。」

 と俺は話し、ロベルト老に資料を渡してモニターに映して貰う様に頼むと、ロベルト老は、

 「ゴルゴ、資料をモニターに映してくれ。」

 と自分の護衛兼介添役のボット13号に指示して、フォークリフトの概要をモニターに映した。

 全員が、モニターを見てフォークリフトの概要を理解すると、ホシが、

 「成程コイツは便利だ、これならトレーラーの基本構造は同じまま、このコンテナって奴をフォークリフトで乗せ換えるだけでいいわけだ!」

 と関心してくれて、ハイジ嬢も、

 「凄いわ、これなら重い荷物の上げ降ろしも人力でする必要が無くなるし、厄介だった大きな木材を簡単に運ぶ事も出来る、素晴らしい発明だわ!」

 と絶賛してくれた。

 俺も予想以上の反応ににやけてたら、突然今まで全然反応しなかった、アルムおんじが俺の前まで来て徐ろに手を差し伸べて来たので俺も手を伸ばしたら、とても白髪の爺とは思えねえ力で握ってきて、分かりづらかったが白髭の口元を綻ばせて笑って、

 「お前さん、かなりの知恵者じゃな、儂もそれなりの経験に基づく知恵を誇ってきたが、これは中々良いアイデアじゃ、今後も頼むぞ!」

 と結構理知的な話しぶりで、褒めてくれたんで、

 「此方こそ、宜しく!」

 と握り返して答えたら、

 「ウムッ」

 と返答してくれた。

 ロベルト老も一つの問題が上手く解決したので、心が晴れたのか笑いながら、

 「やはり、アラン様が目を付けて引き上げた者達は素晴らしいな、今後も定期的に会合をして、より良いアイデアを出し合って欲しい。」

 と言って会合を終了させて、そのまま全員で居酒屋に向かい親睦会を開催した。

 やはり、酒が入ると打ち解けるのも早くて、俺のアイデアに皆が色んな意見を言ってくれたから、大分初期案より良い改良品が出来そうだ。

 今後も会合をするらしいし、アイデアを出し合う場に出来れば最高だぜ。

 

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