人類銀河帝国 コリント朝 功臣列伝資料 「サテライト8班リーダー ケニーの日記」(航宙軍士官、冒険者になる異伝)    作:ミスター仙人

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閑話⑱「ガトル親父の雑記」⑤(親父、アラン様に託されるの巻)

 9月10日

 

 2回目の会合が開かれ、『コンテナ』の基本寸法と重量が決められたぜ。

 基本は魔道列車の、1両に無理無く載せられてトレーラーに積んでも、重さで動けないなんて馬鹿げた事にならない様に計算したんだが、此奴を作るのにも俺のフォークリフトがどうしても必要だ。

 かといって、まだフォークリフトは5台しか無くて、作りかけを合わせても10台だ、時間は掛かるが不良品を作る訳には行かねえから、待って貰うしかねえかと皆で諦めていたら、突然アラン様とロベルト老が部屋に入って来られた。

 慌てて、頭を下げようとすると、

 「そんな礼儀は必要無い、そんな事よりフォークリフトの問題だ、ガトル、フォークリフトとはお前に渡した例の重機案3つの内の1つだな?」

 と聞かれたから、

 「そう通りです、アラン様からお預かりした、ドリル掘削重機、平土重機(ブルドーザー)、荷役運搬重機(フォークリフト)の案を、自分なりに『ダイナモ』を使った魔道具として設計し直し、大量生産しやすくしたんであります。」

 と答えたら、アラン様は頷かれ、

 「見込んだ通り、自分の素案を見事に改良してくれたな。

 それに『アルムおんじ』と孫の『ハイジ』も、トロッコ列車の改正案から更に自分の素案を発展させ、『魔道列車』にまで高めてくれた、流石だ。

 そして、『ホシ』と『ジョナサン』も、自分の素案のトラックから、車体とカーゴ部分に分けた『トレーラー』に昇華させてくれた、素晴らしい。」

 とそれぞれ皆を褒めて下さった。

 全員頭を下げ、

 「「「ありがとう御座います。」」」

 と返事をしたら、

 「皆、顔を上げてくれ、フォークリフトの話しだ、ロベルト付きのボット13号、今動かせるボットと汎用トラクタを最大限稼働させ新工場を予定を繰り上げて完成させろ!

 ガトル、今出来上がっているフォークリフトを、全部、車両運転訓練校に持って行き、車両訓練の必須項目にフォークリフト運転を組み込ませよ。

 そして、此処に居る面々と工場勤務の者達も、時間の余裕が出来次第、車両運転訓練校で運転技術を習得する事。」

 と命じられたので、全員、

 「「「判りました!」」」

 と返答したら、アラン様はニコッと笑われ、

 「頑張ってくれ、3週間程は猛烈に忙しいだろうが、そこさえ越えれば人員の教育も終わるから、人手も増えるし、ドンドン重機が完成すれば余裕も出来てくる、我々上層部も皆が働きやすい様に便宜を図るから、共にこの忙しい時期を乗り切るぞ!」

 と激を飛ばされ、俺等も、

 「頑張ります!」

 と気合の入った返事をした。

 すると、アラン様は頷かれそのまま出て行かれた、ロベルト老に聞くと、アラン様は忙しくグローリア殿を乗り回し、各地の貴族との折衝をしたり、インフラ整備の陣頭指揮を取られたり、行政の事務作業を一手に片付けたりと八面六臂の仕事をこなしているそうだ。

 俺等全員感心しちまった。

 俺等も忙しいと思っちゃいたが、アラン様はその数倍の仕事をこなし、更に軍人として戦争では最前線で敵を蹴散らされる、正に神の様なお方だ。

 其の上、俺等に車両の案を提示し、アイデアを下さってもいる、この素晴らしい方が近い将来クレリア姫様と結婚され、我等を導く王様になって頂けるとは大変有り難え話しだ。

 思わず此の場にいる、旧スターヴェーク王国出身者達は、目で同じ思いを抱いている事を確認し頷きあった。

 

 9月28日

 

 アラン様が、強力に推し進めてくれたお陰で、新工場も3棟出来て既にフォークリフトも30台出来て、現場でフル稼働している。

 その様子を来訪されている、ファーン辺境伯、ブリテン伯爵、フランシス子爵とその家臣団もご覧になられて感心し、何れは其々の領内でも使いたいとアラン様に頼まれていた。

 此の分だと、俺の作る『魔道重機』は遠く無い未来にベルタ王国中に広まるかも知れねえな、とドップと笑いながら休憩していたら、アラン様が休憩室に来られた。

 慌てて席を用意して、お茶を出そうとすると、アラン様はお茶を断りカバンから書類を取り出し、8ちゃんに手渡された。

 「ボット8号、モニターに出してくれ。」

 とアラン様は命じられ、8ちゃんが書類をモニターに映し出した。

 モニターには、新たな重機と農業用の新たなトラクターの設計図が映し出され、その数それぞれ10種類も有った。

 凄えと、目を血走らせて凝視していると、アラン様は、

 「軍務の暇な時等に、書いていたアイデアだ、だがこのアイデアを実現するにはあまりにも自分には時間が無い、そこで専門家のお二人にこのアイデアを活かした、新たな魔道重機と魔道トラクターを開発して貰いたい、明日から自分は王都に向かわねばならないので相談に乗る事も出来ないが、貴方方が作り上げた魔道具は、自分の考えていた物を更に改良していた、必ず貴方方なら作る事が出来ると信じている、頑張ってくれ!」

 と設計図を託された。

 責任重大だと思ったが、アラン様に少しでも貢献出来るのはコリント領住民としては望む所だ。

 「お任せ下さい!」

 と胸を張って答えたら、

 「ありがとう。」

 と感謝された。

 アラン様が帰られ、ドップと8ちゃんとで改めて設計図を見ると、やっぱり凄い代物だ。

 だが、男が1度任せろと請け負ったのなら、完遂するまでよ。

 俺とドップと8ちゃんは、握手しあいながら頑張るぞと気合を入れた。

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