人類銀河帝国 コリント朝 功臣列伝資料 「サテライト8班リーダー ケニーの日記」(航宙軍士官、冒険者になる異伝) 作:ミスター仙人
11月22日
マミの夫(つまりテルちゃんのお父さんね)が『魔導アクセサリー』のコンパクト化に成功して、そのサンプルが工場に届いたわ。
この『魔導アクセサリー』こそ、私達の放つ第二の矢よ!
魔導服の作業着は軍で採用されている、ベルトやランドセルにカートリッジとして装着された、魔石ケースから魔力が供給されてるけど、一般人が魔導服を使う場合は、人の持つ魔力量はドラゴンの様な莫大な量では無いから、すぐに魔力は尽きちゃうの。
かといって、作業着の様にベルトやランドセルに魔石ケースを装着して外出するのは、冒険者はともかく一般人特に女性は見栄えが良く無いわ。
そこで、魔導服と並行して開発されていたのが、魔石を組み込んだアクセサリー型魔力供給器、『魔導アクセサリー』よ。
この『魔導アクセサリー』は、例えばブローチだと、表は魔石が宝石の様になってて、可愛く見えるんだけど、裏面には刻印魔法で魔力供給魔法陣が刻まれていて、魔導服に魔力を供給するの。
この『魔導アクセサリー』を如何にコンパクト化出来るか?が、一つの山場だったんだけど、見事にマミの夫は成功させたわ。
ルドヴィークに居た頃から、マミの夫は腕の良い宝石関係の宝飾技師だったけど、コリント領に来て例の『ナノム玉』を飲む事で『精霊の加護』を受けてからというもの、腕が格段に上がったわね。
しかし、アロイス王国の連中って頭がオカシイんじゃないかしら?
こんな人を、農場で力仕事に従事させても、身体が壊れるだけで、自分達にとってもメリットが無いわ、ただ、国民を酷使するだけで、国力が削がれて行くだけよ。
遠くない未来天罰が下るでしょうね。
11月25日
『魔導アクセサリー』と魔導服の魔力接続は良好に作用したから、肝心の魔導服の一般受けする色合いと、如何に魔法陣をデザインに違和感無く活かすかが課題ね。
カーラさんは、敢えて派手にする事で、魔法陣を誤魔化してたけど、全員があんな派手な服を気に入る訳無いから、どうしたら良いのかしら?
そんな事を夕飯の時に、娘のカレンに聞いたら、
「だったら、服の裏地や下着に魔法陣を刺繍して、表に見えない工夫をすればいいんじゃないかなあ。」
といとも簡単に答えてくれたわ。
そう云えばそうよ、カーラさんが来てる服や帽子から連想してたから、魔法陣は表面に出す物と云う、先入観に凝り固まってたけど、バカ正直に表に出す必要なんて無かったんだわ。
大人って子供に比べて柔軟性が無くなってるのねー、思い知らされたわ。
11月28日
裏地に魔法陣を刺繍して、その表側には厚みの薄い花の絵を刺繍して、違和感を無くし、下着にも魔法陣を刺繍して、その部分では無く身体全体に魔法の力が作用する様にしたわ。
12月5日
各種の魔法陣を裏地で隠すのが、上手くいきどうやら問題無しとなった処で、商業ギルドから『放送局』の番組で、広告宣伝して見ないか?と依頼が来たの。
このドーム内だと殆ど感じないから判らなかったけど、他領では雪が降ったりする冬なのよね。
カリナさんによると、ファーン侯爵領、ブリテン侯爵領、フランシス伯爵領では、トレーラーで運搬したコリント領で作られた、各種の生産品が飛ぶ様に売れていて、その中でも私達の作る服は、値段の安さとデザインの良さそして着心地で大人気らしいの。
だから、冬物の服を取り扱いたいらしいんだけど、普通の服とは別に魔導服『ウオーム』を目玉にしたいと言われたの。
構わないけど、広告宣伝ってどうやるのかしら?
と疑問をぶつけたら、カリナさんは其々の年代別の人が、着こなした姿を放送したいと言い、その為の人も用意したので、商品を各年代毎に用意して貰いたいと説明されたので、撮影日に放送局に持って行くことになったわ。
12月8日
何故か、撮影用のモデルに娘のカレンとテルちゃん、そしてテオくんとエラちゃんがスタンバイしてたから、どうして?と聞くと、
「兄ちゃんの友達のハリー君が、依頼して来たんだよ、お小遣いも貰えるから、他の3人も誘ったんだ。」
とあっけらかんと答えてくれたわ。
まあ冬物の服を着てるだけだしいいか、と考え直し見ていると、結構走り廻ったり、雪の中で遊ぶシーンまで撮影されたわ、魔導服には自信が有ったから見てられたけど、事情を知らなかったら驚いちゃうんじゃないかしら?
撮影も終わり、みんなでレストラン『豊穣』で夕飯を食べる事になったわ。
中々予約しないと、入れないレストラン『豊穣』だけど、放送局が前から予約してくれていたお陰で入れて、噂の『トンカツ』と『オムライス』を食べれて、みんな大満足。
お土産の『シュークリーム』を買って帰り、テオくんとエラちゃんとテルちゃんも一緒に帰って『シュークリーム』を食べたんだけど、本当に美味しいお菓子だわ、『シュークリーム』も私の殿堂入りね。
12月13日
放送局が服の広告宣伝を開始したわ。
中々評判が良いらしく、番組終了後大量の発注が来たわ。
今後は新製品が出るたんびに、広告宣伝するのが当たり前になりそうね。