人類銀河帝国 コリント朝 功臣列伝資料 「サテライト8班リーダー ケニーの日記」(航宙軍士官、冒険者になる異伝) 作:ミスター仙人
3月18日
ワイバーン達の雛達が巣立ちの為に飛ぶ練習に入った。
1ヶ月半前に卵から産まれた時には、翼長70センチメートル程だったが、既に翼長150センチメートルに達していて、最近『ナノム玉』を飲ませる事で、其々の騎竜になる竜騎士との意思の疎通を図っている。
ガイとサバンナの子供達4頭も、滑空飛行を出来る様になっていて、後数日も有れば羽ばたいて飛べそうだ。
3月23日
ワイバーンの子供達全てが飛べる様になり、いよいよ空軍としての訓練に入る。
流石に翼長150センチメートルでは、竜騎士を乗せられないので、通信機を介した形で其々の竜騎士の命令に答えて行動出来るか?が課題になる。
軍事ブロックから出てドーム外縁の演習場に向かう、其処には高さ5メートル程の壁で大きく囲った場所に、ゴブリンとコボルトの群れを区画を分けて其々100匹を、冒険者が追い込むことで準備されていた。
其処へ我々空軍は上空から近付き、ガイやサバンナ親ワイバーンが引率して来た子供ワイバーンが、其々の竜騎士の指示の元、編隊を組み始めた。
此処までは軍事ブロック内での訓練通りに出来ているが、敵との対戦は初めてなので不安はあるが、頑張って貰おう。
「攻撃開始!」
と自分の命令に従い、其々の竜騎士が自分の騎竜に指示を出し、1列10頭で8列の子供ワイバーン隊が上空からゴブリンの群れに襲いかかる。
子供ワイバーンはまだ火球は出せないが、小さい規模のブレスは出せる。
なので、上空から急降下して地上直前でブレスをゴブリンに浴びせるという攻撃だ。
かなり歪ながら列になって一斉にブレスをゴブリンに浴びせ、次の列も同じ様に攻撃をゴブリンに加える・
8列全部の子供ワイバーン隊が攻撃を終えると、半数のゴブリンが焼け焦げて死んでいる。
続いて、上空から急降下させて足の爪による攻撃をさせる。
今度はゴブリンの群れが四散しているので、竜騎士が其々の騎竜に攻撃目標を指示して個別に攻撃させる。
すると、今度は色々と問題が起こる。
足の爪がゴブリンに刺さったは良いが、抜けなくなってゴブリンの反撃を受けたり、距離感が掴めないのか足の爪がカスリもしなかったり、ゴブリンの血に興奮したのか死んだゴブリンを啄み始めたりした。
取り敢えずゴブリンを全滅させてから、子供ワイバーン隊を地上に並ばせて被害確認を竜騎士にさせると、凡そ三分の一の子供ワイバーンが、怪我をしていた。
竜騎士達に其々の子供ワイバーンの怪我を『ヒール』で治させ、問題の有った子供ワイバーンには何が悪かったか、其々のやり方で伝える様に命令した。
休憩をさせてから、準備を終え上空に子供ワイバーン達を待機させ、次の目標コボルトへ先程と同じく攻撃させる。
ゴブリンに比べてコボルトは素早いので、最初のブレス攻撃では五分の一程しか死なず、次の足の爪での攻撃では殆ど攻撃が当たらない。
すると2人の竜騎士が自分達の騎竜に命令し、地上に降りさせ翼を広げさせコボルトを威嚇し、コボルトが攻撃して来たらブレスで牽制させる。
そして周りの竜騎士にも同じ行動を、子供ワイバーンにさせる様に指示させ、コボルトの行動範囲を狭めて行き、上空に半分の子供ワイバーンを飛ばせ、コボルトを囲いの角に追い詰めて、地上と上空から立体的にブレスを浴びせさせて全滅させた。
自分が命令せずとも、臨機応変に対応したこの竜騎士2人は、ベックとトールと云い、以前自分とアラン様とクレリア姫様が、セシリオ王国のならず者達の攻撃から救ったタラス村の若者であった。
この2人は、タラス村を救った際の空軍の凄さに憧れ、コリント領に来た時から空軍に志願し、これまでずっと空軍の下積み訓練と、ワイバーンとグローリア殿の食事の世話や厩舎の掃除等を率先してやっていて、自分も目をかけていた者達だ。
一通りの訓練が終わって、軍事ブロックに帰りベックとトールを呼び、コボルト戦の訓練の際の作戦は以前から考えていたのか?と問い、「その通りです。」との答えを聞き、他の作戦案が有るか聞いてみると、「有ります。」と即答され、自分とミーシャを交えたディスカッションを行い、その作戦案の妥当性を確認した。
3月28日
先日ベックとトールが示した、新たな子供ワイバーンの作戦案を試し、その有効性が確認出来た。
その様子をアラン様に見てもらい、アラン様も太鼓判を押してくれたので、2人とも20才と若いが子供ワイバーン隊の8人の隊長の内の2人として任命した。
其々が10頭ずつの隊長で、編隊を組んで貰う事になる。
3月30日
今日から子供ワイバーン隊は、グレイハウンドとオークへの攻撃訓練が始められた。
まだ火球は出せないが、訓練によりブレスの威力と持続時間そして遠くへブレスを伸ばせる様になった。
更に編隊行動も様になってきて、大分スピードも増してきた。
もう少ししたら、軍団魔法『ソニックインパルス』も可能になるだろう。
オークは案の定素早く無いので、ゴブリンに対する時と然程変わらない作戦行動で全滅出来たが、グレイハウンドはやはり素早く従来の作戦行動では対応出来ない。
そこで新作戦案の一つを試す、子供ワイバーン隊を地上で1列の長蛇の陣型にし、グレイハウンドを外側からブレスによって行動範囲を削り、徐々に包囲陣に移行し完全に包囲が完成したら、竜騎士がグレイハウンドの群れの中心目掛け10人で、『ファイアーグレネード』を弓なりに放つ、その凄まじい爆発で殆どのグレイハウンドは死んだが、残ったグレイハウンドも子供ワイバーン隊のブレスで全て焼き尽くされた。
新作戦案は非常に有効な事が証明されたので、今後も他の作戦案を試して行こう。