人類銀河帝国 コリント朝 功臣列伝資料 「サテライト8班リーダー ケニーの日記」(航宙軍士官、冒険者になる異伝)    作:ミスター仙人

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7. 7月の日記①(ケニー、集団移民団を救う)

 7月1日

 

 アラン様から「空軍」に緊急出撃が発令された。

 

 「黒」からの情報で旧ルドヴィーク辺境伯領からダヴィード伯爵やアルセニー男爵の縁者と共に大規模な集団移民団(凡そ2万人)が、アロイス王国とベルタ王国の緩衝地帯に差し掛かる所まで来たが、アロイス王国軍に追われている事が集団に合流させていた者から通信で判ったとの事。

 

 「空軍」全軍で出動する事になり、グローリア殿にはシャイニングスター全員が搭乗する。

 

 後事を民生はロベルト老とヴェルナー・ライスター卿そして軍政をダルシム副官とヴァルター次席副官に委ね、4時間程掛けて現地に急行する。

 

 空から偵察すると移民団側には武装している兵士が殿部隊として展開中であるが精々500人程で、アロイス王国軍は3000人以上で内訳は軽騎兵1000人と軽装兵2000人以上で既に弓での戦闘が繰り広げられているが、幸い移民団側が風上で有効的な矢は届いて居ないのか軽傷者ばかりで、重傷者は居ないようだ。

 

 演習通りに急降下し軍団魔法「ハウリングパニッシャー」をアロイス王国軍の前方に向けて放った。

 

 突然、グローリア殿と15頭のワイバーンによる凄まじい咆哮は、アロイス王国軍先鋒軽騎兵の馬を竿立たせ更にはひっくり返る馬も続出しアロイス王国軍全体が大混乱に陥いった。

 

 驚愕しているのは集団移民団も同様だが、クレリア様が魔道具(拡声器)を使い大音量でアロイス王国軍に対して大喝を発した。

 

 

 「我こそは、クレリア・スターヴァインその人で有る。

 

 スターヴェーク王国への反逆者共よ、我を慕い我の元に集おうとする我が国民に対して不当にも暴力を振るい連れ戻そうとの企図、スターヴェーク王家を継ぐ者として断じて許しがたい。

 

 もしこれ以上我が国民に対して攻撃するつもりならばこちらも遠慮せずドラゴンの爆炎攻撃を以って攻撃させてもらう、返答や如何に?」

 

 急なドラゴンの咆哮を受けて茫然自失となっていたアロイス王国軍指揮官も我に返り、慄きながらも返答を返して来た。

 

 「私は軍務大臣ロイス卿の配下ボッシュである。

 

 アロイス王ロートリゲン陛下の勅令に従い行動している。

 

 アロイス王国領民の義務を放棄して税を納めもせず、勝手に他国に移住しようという不埒な民に対して見せしめと連行をロートリゲン陛下は命令された。

 

 亡国の姫よ、お主こそアロイス王国に対して民を唆し平穏な国を乱す愚かな反逆者で有る。

 

 即刻ドラゴンを引き上げ道を譲れ今なら見逃してやる!」

 

 

 と些か聞き取り辛くは有ったが、返答して来たのでクレリア様はそれに応じた

 

 

 「そうか聞き入れないと有れば致し方無い。

 

 ドラゴン達よ我等新生スターヴェークの持つ力を見せつけよ!」

 

 

 次の瞬間アロイス王国軍指揮官の居る場所の上空に軍団魔法「ファイアーサイクロン」が放たれた。

 

 其れは人の行使する魔法とはレベルの違う広範囲殲滅魔法。

 

 グローリア殿が放つ「ファイアーブレス」に合わせアラン様が放つ風魔法レベル2「トルネード」を融合させ更にワイバーン達は「火球」竜騎士達は「エアーカッター」を其の周りに纏わせる事で広範囲に炎の地獄を展開する。

 

 敢えてこの軍団魔法「ファイアーサイクロン」を放ったのは、我々が圧倒的な力を有する事をアロイス王国に見せつける事で容易に勝つことは不可能で有ると理解させる為で有る。

 

 そして更に軍団魔法「ファイアーウォール」をアロイス王国軍両側に展開し来た道をそのまま引き返すしか無い状況に追いやり、アロイス王国軍は這々の体で逃げ出した。

 

 敢えて死者を出させずに退却を許したのは、アロイス王国国内により多くの混乱と恐怖を伝染させ、民にはアロイス王国の力に対しての不信感、貴族達にはアロイス王国に従って本当に良かったのか?という不安と、自分以外の他の貴族は元の主たるスターヴァイン王家へ復帰しようとするのでは?と互いを疑心暗鬼に陥らせる為の布石である。

 

 アロイス王国軍が退却し終わるのを確認して集団移民団と我々は合流した。

 

 ダヴィード伯爵やアルセニー男爵の縁者達はクレリア様の前に跪き、其れに倣う形で民も跪いた。

 

 クレリア様は皆に呼びかけた。

 

 

 「皆、これで当面の危機は脱せた、これより先はベルタ王国国内である。

 

目的地のコリント領までは此処に居るアラン卿の名の下に町々に補給物資と馬車等が用意されている。

 

そしていざとなればこの通りドラゴンとワイバーンが駆けつけるので心配には及ばないので安心して向かってくれ。」

 

 ダヴィード伯爵やアルセニー男爵の縁者は皆を代表して答えた。

 

 「姫殿下、仰せに従います。

 又、此の様に我等をお救い頂きありがとうございました。

 姫殿下とアラン様には今後の働きを以ってお返ししたいと思います。」

 

 と、跪いていた皆は改めてクレリア様と横に並ぶアラン様を仰ぎ見て感謝を述べた。

 

 軽傷者達をヒールで癒やし補給物資を受け取る際の符丁等を伝達した。

 

 こうしてベルタ王国国内に入った集団移民団(凡そ2万人)は、一路コリント領の有る「魔の大樹海」を目指し意気盛んな様子で進み始めた。

 

 此の日、我々「新生スターヴェーク帝国」は簒奪者たるアロイス王国に対し反撃の狼煙を上げた。

 そして其の事は同時に、大陸の覇権を争う大乱に我等も参戦するとの堂々たる雄叫びでもあった!!




 後書き
 漸くこれ迄の準備期間を経て、此の日からアロイス王国に対しての戦争の火蓋が切られました。
 ですがまだ、アランとクレリアは一地方領主に過ぎないので勝手に戦争も起こせませんし、兵力もまだまだ少な過ぎです。(質は兎も角量が)
 しかし、大陸の戦乱は産声を上げ始めたばかりで、当然その波はベルタ王国にヒタヒタと迫って来ています。
 事実上これ迄の流れは、此の日迄がプロローグで次からが第一章となります。

 泣き言になりますが、自分には文才が有りません(泣)
 よって日記形式で本文を書いているつもりでは有りますがしばしば逸脱し、文体も可笑しな方向に逸れる事が今後も多々有ると思われます。
 どうか読者の方々に置かれましては、大いなる寛容の心でお許し下さい。(願い)
 それでは、閑話等を挟みますが今後とも宜しくお楽しみ下さい。
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