人類銀河帝国 コリント朝 功臣列伝資料 「サテライト8班リーダー ケニーの日記」(航宙軍士官、冒険者になる異伝)    作:ミスター仙人

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70. 12月の日記②(2年目)

 12月10日

 

 帝国の国営企業で有る、『帝国鉄道公社』が来年1月1日を以って正式に発足する。

 全人員は40万人で、例のアラム聖国の元聖徒30万人を内包する巨大な国営企業で有る。

 

 社長は、『クララ・ゼーゼマン』社長

 

 スターヴェーク王国伯爵ゼーゼマン家の令嬢だったが、アロイス王国によってゼーゼマン家は滅ぼされ、一緒に脱出した祖母と一緒に大規模移民団に合流してコリント領に移民したが、到着手前で祖母は他界し唯一のゼーゼマン家の生き残りとなる。

 大規模移民団で、その昔或る事情で親友になったハイジ達と再会し、コリント領で一緒に暮らしていたが、一家の主で有るアルムおんじ(頑なに本名を明かそうとしない)が、コリント領で出会った新技術『魔導発動機』と車両に魅せられ、自分も新しいトロッコを発展させたレールの上を走る車両を作りたい!と言い出し、その夢に全財産(スターヴェーク王国から持ち出した貴金属等をカトルを通し、アラン様に全部売り払った)を投資した。

 そして見事にアルムおんじは『魔導列車』を作り出し、アラン様達に認められて大々的に鉱山からの鉱石輸送や、コリント領玄関街への物流輸送を始めた。

 ドンドンと『魔導列車』の需要が高まって、カトルの勧めも有り、アラン様とクレリア姫様と協定を結び、今回『帝国鉄道公社』の初代社長となる。

 

 開発局長は、『アルムおんじ』局長

 

 スターヴェーク王国のアルム山に住んでいたが、アロイス王国の簒奪により国を出た、本名は誰も知らない謎の人物だが、その広範な知識と年齢にそぐわない力強さに、決して常人では無いと噂されている。

 非常に煙草と酒が好きで、パイプ煙草は何時も手放さない。

 人付き合いは悪いが、自分が認めた人物(『ホシ』や『ガトル』)には、打ち解けている。

 『魔導列車』は、元々鉱山に出稼ぎをした際にトロッコを見て、此れが自走すれば、と常に思考していてその想いが結実した成果で有る。

 今回『帝国鉄道公社』が発足するに当たり、当面の目標で有る帝国の環状線完成に向け邁進している。

 

 営業部長は、『ハイジ』部長

 

 スターヴェーク王国のアルム山に住んでいたが、アロイス王国の簒奪により国を出た、明るく利発で機転が利き、各ギルドや商会との折衝等では人当たり良く応じてくれる為に、大変評判が良く、アラン様達上層部の推進するインフラ整備に非常に協力的で、この人物が居なければ帝国の進めるインフラ整備は、頓挫するのでは無いかと言われる程で有る。

 今回『帝国鉄道公社』が発足する事が出来たのは、この人物のお陰だと専らの噂が出ている。

 

 人事部長は、『ペーター』部長

 

 元々は、『クラン・シャイニングスター』のメンバーでカトルの部下で有ったが、物流輸送での折衝や鉱石の搬入搬出と云う業務でハイジと仲良くなり、アルムおんじという人付き合いの悪い人物とも、普通に接する事が出来て、周りからは図太い神経を持つと評価されている。

 アラム聖国の元聖徒30万人の上に適切な上司を配置し、鉄道敷設工事と云うインフラ整備を滞り無く推進出来ているのは、ペーターの手腕と言って良い。

 今回『帝国鉄道公社』が発足するに辺り、カトルの部下と云う立場を解消し正式に『帝国鉄道公社』に入社する事になった。

 

 『エーリヒ』査察部長、『ホラーツ』財務部長

 

 両名は、元『漆黒』から出向して来て、アラム聖国の元聖徒30万人を管理監督する役目を負っていたが、組織改編にあたり、『帝国鉄道公社』の今後の発展と業務拡大を見据えた必要な人員として、クララ社長が中央情報局エルヴィン局長に願い出られ、今回『帝国鉄道公社』が発足するに辺り、正式に入社した。

 

 此の巨大な国営企業は、軍事面でも多大な協力体制を必要とする為、自分も積極的に交流を図るつもりだ。

 

 12月15日

 

 『帝国鉄道公社』と並び、帝国に於ける物流を担うトレーラーの組織で有る、トレーラーギルドが来年1月1日を以って正式に発足する。

 

 ギルド代表は、『ホシ』と『ジョナサン』

 

 スターヴェーク王国にて、『ホシ』と『ジョナサン』は馬車での人や物の運び屋として、義理人情に篤く金銭に拘らずに人助けをすると、仲間内からも信望篤い人物で有った。

 アロイス王国によってスターヴェーク王国が滅ぼされた際、他国に逃亡する人達を金銭を取らずに亡命させていて、アロイス王国に要注意人物として両者は目を付けられていた。

 大規模移民団が隣国のセシリオ王国で組織させられている時に、積極的にアロイス王国から難民を脱出させていたが、国境線の兵士達に執拗に追い回され、その時に両者の愛馬『一番星号』と『ジョナサン号(ジョナサンは元々この愛馬の名前で、コリント領に着いた際改名した、元の名前はキンキン)』は兵士に殺された。

 コリント領で車両を見て、自分達の手で愛馬を蘇らせようと、尋常で無い熱意で取り組み、見事に新機軸の車両『トレーラー』を作り出し、物流の一大改革を成し遂げたが、あくまでも自分達は運び屋であると言い張り、トレーラー野郎としての自由と引き換えに全ての権利をアラン様に譲渡したが、その際にアラン様と或る約束をした。

 その約束とは、両者の愛馬を殺したアロイス王国と事を構えた際は、軍事行動を妨げない限り、好きに行動して良いという約束だ。

 此の事も有り、両者はアロイス王国を不倶戴天の敵として、殺された愛馬の仇を討つべく、先の戦争に於ける国境での戦いで、生まれ変わった鋼の体を持つ相棒『一番星号』と『ジョナサン号』のトレーラーと、トレーラー野郎仲間を引き連れ、改造しまくったトレーラーで以って、一介のトレーラー野郎400人が200台のトレーラーで、5万人のアロイス王国正規軍を打ち負かすと云う、前代未聞の快挙を成し遂げた。

 トレーラー乗りは雇われた商会や商業ギルドとは別に、初の労業組合とも云うべきトレーラーギルドに所属し、いざという時はトレーラーギルドでの横の連帯を何よりも優先し、『ホシ』と『ジョナサン』はトレーラー乗りの安全と権利を守る為の代表である。

 

 因みに『ホシ』は独身で、未だに自分のマドンナを探しているが、『ジョナサン』は妻帯者で10人の子持ち(1人は養子)で有り、今回のトレーラーギルド発足にあたり、奥さんと子供達はギルドの事務を担う事になった。

 

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