人類銀河帝国 コリント朝 功臣列伝資料 「サテライト8班リーダー ケニーの日記」(航宙軍士官、冒険者になる異伝)    作:ミスター仙人

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閑話㉒「カレンちゃん日記」⑫(学校は楽しいよ!)

 9月1日

 

 今日から『学校』が始まるから、朝、友達と一緒にテオくんとエラちゃんを迎えに、アラン様とクレリア姫様達コリント領の上層部が日頃暮らしている(今はセシリオ王国と戦争してるから、政務官僚以外ほとんどいないの)ビルに行って、送迎用の乗り合い馬車で『学校』に向かったの。

 乗り合い馬車は、まだ小さい『小等部』の生徒を対象に送迎してくれるんだけど、私達も『学校』には、見学に3回しか行ってないから、どこが生徒用の玄関かも知らなかったから、助かっちゃった。

 これからも、テオくんとエラちゃんをダシにして、乗らせてもらおーっと、えへへっ。

 『学校』の正門前に『小等部』の先生たちがいて、テオくんとエラちゃんそして他の『小等部』の子供達をユウドウして行ったけど、帰りも一緒に帰ろうと約束して、私達は『中等部』の教室に向かった。

 教室は、これから途中入学する予定の子供の為に、各学年4クラス分用意されてるけど、まだ20人しかいないから、1クラスで始まるんだって。

 先生は45才の男性で、元スターヴェーク王国のルドヴィーク辺境伯領で私塾をしてたんだけど、アロイス王国が派遣した兵士とアラム聖国の懲罰官によって、スターヴェーク王国の誤った歴史を教えるとは問題だと、インネンを付けられて、私塾を壊された上に教師の資格も失っちゃたんだって、ヒドイよねー。

 今日は『学校』の始まりだから、教室の壁一面のモニターに映し出された、『学校』内の施設の案内と時間割そして決まりごとを、配布された教科書と一緒に貰った資料で確認したの。

 スゴイんだよー、教室の中には音楽室や美術室、他にも調理室や体育館等があって、なんといっても大食堂というお昼ごはんを食べれる施設もあるの!

 なんと大食堂では、お金やポイントは必要無くて、いくらでもお替り出来るんだって!

 だけど、食事を残したら怒られる上に、授業が終わった後の居残り掃除をさせられるんだって、友達と一緒に帰れないのはイヤだなあー。

 

 9月2日

 

 授業が始まったんだけど、先ずは生徒によって習っている内容に差があるから、読み書き計算を一通り判る子は、知らない子に教えてあげるの。

 でもあらかじめ入学する前に『ナノム玉』を飲んでるから、みんなスゴイ速さで覚えて行くんだよ、私他の子より早くにコリント領に来て、職業訓練校にも行ってたから、そうとう進んでるっていうのがヒソカな自慢だったんだけど、この分だと来週にはアッサリ追いつかれそうだよ・・・

 

 9月10日

 

 みんなスゴイ進歩で読み書き計算出来るようになったのは、予想してたんだけどテオくんとエラちゃんまで信じられない速さで覚えて行って、エラちゃんまだ5才なのに読み書きが出来るようになったの、私5才の時にあんなにキレイな字で書けたかなあー?

 先生もみんなの覚えて行く速さに驚いていて、この分だと直ぐに教える事が無くなりそうだ、と笑っている。

 そんな訳ないじゃんって、みんなで笑い返したら、ナゼカ引きつった顔をしてるの、どうしたんだろう?

 

 9月20日

 

 私達の教室に途中入学して来た子がいるの、名前はサラちゃん。

 なんでもゴタニアっていう街から、引っ越してきたんだって。

 ご両親は、ゴタニアで旅館をしてたんだけど、以前その旅館のアラン様とクレリア姫様の冒険者パーティー『シャイニング・スター』が滞在していて、その時にサラちゃんのお父さんが、アラン様から直々に多数の料理を教わって、ゴタニア周辺では知らない人はいないくらい有名なお店になってたんだって。

 だけど、ゴタニアにセシリオ王国の軍隊がやって来て、今後どんな争いに巻き込まれるか判らないから、出世して男爵になり『魔の大樹海』に領地を頂いたアラン様への恩返しと、もっと沢山の料理を学ぶべく一念発起してこのコリント領に移住するんだって。

 今は、アラン様から頂いたフードコート近くの大きな店舗に、レストランとお菓子の店『豊穣』をオープンする為に、両親と雇われた20人もの元孤児院出身者達で頑張っているんだって。

 無事オープンしたら、絶対行くね!とみんなで約束したの。

 

 9月23日

 

 ファーン辺境伯、ブリテン伯爵、フランシス子爵という貴族とお付きの方々が、『学校』の視察に来られたの。

 みんな授業視察なんて、始めてだから緊張してたんだけど、しばらくしたら慣れて来て何時もの授業風景になったんだけど、逆に授業視察されていた貴族とお付きの方々が、当初にこやかに笑ってたんだけど、授業が終わる頃には真剣な顔をされてたの、どうしたんだろう?

 帰宅する時にテオくんとエラちゃんに、貴族の人が来たの知ってる?

 と聞いたら「うん」とエラちゃんが答えてくれて、

 「自分が書いた読み書きのノートを見せたら、スゴク驚いてたよ」

 と教えてくれた。

 そうだろうな、と私も貴族とお付きの方々が驚いた理由が、なんとなく理解出来た。

 エラちゃんは、会った当初と違いお喋りがスムーズだし、正直5才とは思えない程しっかりとしてきたと思う。

 書く文字は、大人レベルで非常に達筆で、書いている姿を見ていないとこれを書いた人間が、5才の幼女だとは誰も信じてくれないだろう。

 最近戦争から帰って来られた、アラン様とクレリア姫様に宿題のノートを見せたら大変感心されて、クレリア姫様は将来はエラちゃんに秘書になって貰おうと、言ってくれたそうだ。

 クレリア姫様の正体を知っている私は、「エラちゃんそれって本当にスゴイ事なんだよ!」と言いたくても言えないから、もどかしくて困っちゃった。

 

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