人類銀河帝国 コリント朝 功臣列伝資料 「サテライト8班リーダー ケニーの日記」(航宙軍士官、冒険者になる異伝)    作:ミスター仙人

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閑話㉔「カレンちゃん日記」⑭(カレンちゃん、重要な出会いを仲立ちする)

 10月7日の続きね!

 

「吾輩はケットシー128世である、あだ名はまだ無い」

 

 とケットシー128世さんは、クレリア姫様と親衛隊のエレナさんとサーシャさんの前で、優雅にシルクハットと燕尾服を着て挨拶している。

 突然、普通の猫と思っていたのに、テーブル上で立ち上がって幻術を解除し挨拶を始めたので、クレリア姫様達が呆気にとられちゃった。

 

 時間を戻して説明するね。

 

 あの後、サーシャさんに連絡を取ってから、一旦ケットシー128世さんには目立たないように、

 

 「シルクハットと燕尾服を隠して、普通の猫のように周りに見せたいんだけど・・・」

 

 と言ったら、ケットシー128世さんは、首につけてる蝶ネクタイの真ん中にある宝石に、右前足で触れるとアラ不思議、シルクハットと燕尾服が見えなくなっちゃった!

 不思議そうに宝石を見てたら、

 

 「この宝石は、其処に居られるカーバンクル夫妻が、吾輩の誕生日プレゼントに贈ってくれた宝石で、このアーティファクトである蝶ネクタイと組み合わせると、幻術が展開出来るのだよ。

 先程、路地の先の広場を行き止まりに見せかけたのも、此れで幻術を掛けたのだよ」

 

 と教えてくれた。

 カー君とバンちゃんの入るバスケットに一緒に入ってもらい、乗り合い馬車でクレリア姫様のビルに向かった。

 途中、どうしても景色が見たいと、ケットシー128世さんがバスケットの中から訴えて来たので、他に乗っている人が偶々居ないから、バスケットの外に出して上げたら、カー君とバンちゃんと一緒に窓越しのドーム内の景色を行儀よく並んで見学している。

 

 「・・・此れが、建物内の景色とはな、人間とは凄い生き物で有るな!」

 

 と心底感心したように、ケットシー128世さんが感嘆してるので、

 

 「人間の住む場所全部がこんなにスゴイわけじゃないよ、コリント領が特別なだけだよ!」

 

 と教えて上げたら、

 

 「つまり今から会談する、カレン殿のいう偉い人が素晴らしい人物と云う事で有るな?」

 

 と尋ねてきたから、アラン様とクレリア姫様は本当に素晴らしい人だから、

 

 「その通りだよ!

 だけどアラン様は、今別の所に行ってるから会えないけど、クレリア姫様には会えるよ」

 

 と答えて上げたら、

 

 「いやいや、カレン殿のお陰でこんなにすんなりと会談出来るのだ、本当に感謝する!」

 

 と感謝されちゃった。

 そうこうしている内に、クレリア姫様のビルに着いたので、もう一度バスケットに入ってもらい、何時ものようにカードを見せてビルに入り、エレベーターに乗って執務室に向かった。

 執務室の前に、サーシャさんが待っていてくれたので、バスケットに入っているケットシー128世さんとカー君とバンちゃんを見せたら、

 

 「本当に猫なのね、この猫さんがクレリア姫様に会いたいと申し込んだの?」

 

 と私を見て尋ねたんだけど、

 

 「嗚呼、その通りである。

 どうか取り次いで頂きたい」

 

 とケットシー128世さんが頼まれたので、サーシャさんが周りを見渡して誰も居ない事を確認し、恐る恐るもう一度バスケットに入っているケットシー128世さんを見たら、

 

 「どうやら、驚かせてしまった様で有るな、どうか混乱せずに取り次いで頂きたい!」

 

 とケットシー128世さんが、しっかりと言い含めるように発言されたんだけど、サーシャさんはどうしたら良いのか、判断出来ないみたい・・・

 

 「良い!

 カレンが、私に害を為す者を連れて来る訳が無い!

 通して上げよ」

 

 と、執務室からクレリア姫様からの声が聞こえ、サーシャさんもそれもそうかと判ってくれたので、執務室に私達を通してくれたの。

 

 そして最初に書いた通りの話しになったんだよ。

 

 私以外の人達は、呆気にとられてたんだけど、クレリア姫様は直ぐに落ち着かれて、

 

 「ケットシー128世殿と申されるか、我は此処コリント領の留守を預かっているクレリアと申す、リアと呼んで貰いたい」

 

 と返事をなされたので、

 

 「此れは、丁重なるお返事を頂いた、就きましては貴方に吾輩に相応しいあだ名を付けて貰いたいとお願いする、そのあだ名で今後お呼び頂きたい」

 

 と、ケットシー128世さんがクレリア姫様にお願いされて、クレリア姫様は、

 

 「ふむ、ですがまだ我々は出会ったばかりで有るので、今後親しく縁を結んで行けば自ずとあだ名を思いつこう、其れまでは保留で宜しいかな?」

 

 と答えられたので、

 

 「其れもそうで有るな、吾輩とした事が、些か性急に事を進めたようで有るな、今後親しくして行く内に決めて頂く事にいたそう」

 

 と、ケットシー128世さんは納得したみたいだけど、気の毒に思って私があだ名を考えて上げたんだ。

 

 「じゃあさ、私が考えて上げたあだ名で『ケッちゃん』と云うのはどうかな?」

 

 と、提案したら、みんなしばらく黙っちゃて、クレリア姫様が、

 

 「・・・・・・其れは其れとして、ケットシー128世殿は何やら我に頼み事の筋がお有りとか、どうぞその頼み事の内容をお話頂きたい」

 

 と、仰られたんだけど、私のあだ名の事は触れなかったの、いいあだ名だと思うんだけど、私もそもそも『学校』以外のお願いの内容知らなかったから、『ケッちゃん』の願い事を聞いてみる。

 

 「・・・・・・痛み入る、実は『魔の大樹海』の或る場所に、猫の楽園とも云うべき吾輩の王国が有り、其処の国王を歴代に渡り務め上げて居たのだが、其の吾輩の王国が1ヶ月程前に崩壊した。

 崩壊させた輩は人に操られた『フェンリル』、世に氷雪魔狼と恐れられる魔獣で有る。

 人はアーティファクトを駆使して『フェンリル』を操り、吾輩の王国を守護していた『ベヒモス』をその能力である氷雪で凍らせ、更に吾輩の王国をも氷壁で以って閉ざし吾輩達を入れなくしてしまったのだ。」

 

 と天井を見ながら慨嘆し、話を再開した、

 

 「・・・吾輩達は王国を追い出され、途方に暮れながら魔の大樹海をさまよっていたがある時、空を飛ぶドラゴンの背中に乗っている人を見かけたのだ。もしドラゴンを使役する事の出来る人間が吾輩達に協力してくれれば、吾輩の王国を取り戻せるかもしれないと考え、取り敢えず接触をしようと此方にやって来たのだが、懐かしいテレパシーを受け取り確認したら旧友のカーバンクル夫妻のテレパシーで有った、直ぐに会いに向かうと其処の娘子がカーバンクル夫妻と共にやって来られ、娘子の案内でリア殿にこの様に会わせて頂けたという訳だ」

 

 と、ケットシー128世さんは説明して、改まってクレリア姫様に向かい頭を下げられて、

 

 「どうかリア殿には、此の『魔の大樹海』をテリトリーとする唯一のドラゴンとの仲介と、ドラゴンに乗って居られた人間との折衝をお頼みしたい!」

 

 と、スゴク重大なお話をクレリア姫様に願い出られたんだ。

 執務室に居る全員が、真剣な顔をして話しを聞いてくれて、クレリア姫様が、

 

 「ケットシー128世殿、お頼み事の筋、確かに承った。

 だが、もう既に日も暮れていて、貴方の云うドラゴンであるグローリアも、訓練で疲れて眠る頃だ。

 本日の面会は無理なので、どうぞ此処の客室にお泊りして貰い、明日にでもグローリアに会わせよう」

 

 と仰って頂けたので、

 

 「大変有り難い、実は吾輩は王国を出てから、まともに就寝出来ていなかったので、正直な処今すぐにでも眠ってしまい・・そう・・なの・・だよ・・・・・・」

 

 と言ったかと思うと、そのままテーブルの上に倒れて、眠っちゃった。

 今まで気が張っていたから、動けてたんだろうね。

 クレリア姫様が、

 

 「客人を客室にお通しして、ベッドに寝かせて上げてくれ。

 それと、栄養のつく料理とミルク等を用意して置いて、ケットシー128世殿が目が覚めたら食べれるように」

 

 と、通信機で事務方に連絡されて、クレリア姫様は、

 

 「カレン、ご苦労だったな。

 此の事件は、思っていたよりも相当重大な案件の様だ、また明日にでもカー君とバンちゃんと一緒に此処に来て貰えないか?」

 

 と私に仰られたので、

 

 「明日は、土曜日なので学校は午前中で終わりだから、お昼に来ます!」

 

 と答えたら、クレリア姫様はうなずいてくれたの。

 

 馬車で家に送ってもらいながら、私はカー君とバンちゃんに、

 

 「大事になっちゃったけど、明日も一緒に行こうね!」

 

 と言ったら、

 

 「クゥーー!」

 

 と元気良く答えてくれたから、思わず2匹をギュッと抱きしめちゃった!

 

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