人類銀河帝国 コリント朝 功臣列伝資料 「サテライト8班リーダー ケニーの日記」(航宙軍士官、冒険者になる異伝)    作:ミスター仙人

99 / 352
閑話㉗「ガトル親父の雑記」⑥(親父、伝説の鉱石と出会うの巻)

 10月10日

 

 珍しく俺はクレリア姫様に呼び出され、執務用ビルに向かった。

 何でも新しい鉱脈が見つかったらしく、その鉱石の用途を調べる為に来てくれとの事だ。

 アラン様から頼まれた、新たな魔道重機と魔道トラクターを開発中ではあるが、クレリア姫様に頼まれたとあっちゃあしょうがねえから、ドップに任せて俺の新しい愛車の『バイソン』で出向いたって寸法だ。

 俺の新しい愛車の『バイソン』は、アラン様のアイデアにあった『四輪駆動車』で、かなりの難所でも問題なく走れる、俺の自慢の愛車だぜ。

 カードを提示して大会議室に通されると、俺だけではなく飲み仲間の『魔道列車組』『トレーラー組』とコリント領の魔術ギルド代表カーラ殿が集められてた。

 随分とクセの強い連中が集められたもんだ、と思ったが考えてみりゃあ新しい鉱石が見つかったと噂になれば、ほっといても押しかけてきそうな連中だ、それなら最初から集めて置こうということだろうな。

 大会議室に、クレリア姫様を先頭にロベルト老とダルシム隊長始め軍人組が入室して来た、これは大事だと思いながら、部屋に居た全員が起立しクレリア姫様に頭を下げた。

 

 「皆、頭を上げて注目して欲しい。

 我々は、新しい鉱脈を発見して試掘し幾つかの鉱石を持ち帰った、是非手にとって確認し、其々の知見で以って意見を述べて貰いたい」

 

 とクレリア姫様が、開会早々に宣言されたので、相当重要な代物だと予想し、早速運ばれて来た鉱石を手に持って確認してみたんだが、驚愕しちまって鉱石をテーブルに落としちまった!

 こ、コイツはもしかして、あの伝説の『オリハルコン』なんじゃねえか?!

 噂じゃあ、あの魔法剣製造で有名な『イリリカ王国』王族の秘剣として有名な『カリバーン』が、このオリハルコン製だと、聞いたことがあらあ。

 もし本物ならば、魔力を通せば光り輝く筈だ。

 恐る恐る、鉱石に魔力を通してみたら、見事にキラキラと輝き出したじゃねえか!

 伝説では、オリハルコンは『真なる黄金』と云われる。

 ミスリルが『真なる銀』と云われるのと同じく、魔力を通すと真なる能力を発揮し、通常時とは比べ物にならない切れ味や、魔法を発動すると謳われている。

 俺と『トレーラー組』そしてダルシム隊長始め軍人組は、オリハルコン鉱石を代わる代わる確認し、凄え凄えと嘆息してたが、横で別の鉱石を確認してた魔術ギルド代表カーラ殿が、突然卒倒しちまって更に周りが騒がしくなっちまった!

 俺も気になって、そっちの鉱石を確認してみたら、なんだか透明に光る部分が目についた。

 まさか?!と思いながら黒く煤けた鉱石を拭いていったら、まるでクリスタルの様に透明に光り輝く鉱石がゴロンと存在してるじゃねえか!

 しかし、絶対にコイツはクリスタルなんかじゃねえ!

 先ず、硬さが違う!

 クリスタルって奴は、かなり脆い構造体で鋼のハンマーでぶっ叩くと、簡単に割れちまう。

 だが、コイツは触って見た感じでは、鋼のハンマーでぶっ叩いたところで、逆に鋼のハンマーがひしゃげてしまいそうだ。

 そして、俺の勘だと、コイツもオリハルコンと同じく魔力を通せば、凄え事になりそうだ。

 意を決して魔力を通してみたら、案の定だ!

 オリハルコンどころか、その10倍の光りを発してやがる!

 コイツは一体どういう鉱石だ?!と誰もが疑問に思ってると。

 

 「・・・・・『アダマンタイト』別名『真なる金剛石』その輝きと魔力伝導力は他の追随を許さず、『女神ルミナス』の持つ聖なる杖『ガンバンテイン』の材料として使用されている、神話の鉱石・・・・・」

 

 と今迄倒れてたカーラ殿が、陶然とした顔つきで俺の目の前にある鉱石を見つめていた。

 

 まさか?!

 『女神ルミナス』様が手に持ち、いざ戦いとなれば、その先端から凄まじい雷を発し万の敵を打ちのめし、慈愛を持って民に振るわれると万人の病と傷を治すと云われる、神器『ガンバンテイン』に使用された材料である鉱石だとおおー!

 

 あまりにも恐れ多くて、尻込みしてしまいそうだぜ。

 皆、驚愕しながらクレリア姫様に振り向くと、

 

 「皆が驚くのも無理は無い。

 此の2種類の鉱石は或る者との約定により、コリント領に齎された鉱脈から採取したものである。

 信じられないだろうが、膨大な鉱脈が提供されており、恐らくは掘り尽くすのに数百年は掛かるのでは?という量だ」

 

 と信じ難い話しをクレリア姫様は仰られ、

 

 「では皆の意見を聞きたい、挙手して意見を述べて貰いたい」

 

 と言われたので、早速俺は挙手して許可を貰い発言した、

 

 「恐れ多いんですが、意見を言わせて頂きます。

 本当なら重機開発者としての意見を述べるべきなんでしょうが、どうしても我慢出来ません!

 リア様お願いです!

 この自分に、『オリハルコン』と『アダマンタイト』を使用した、武器と武具の作成の許可を貰えませんでしょうか?

 アラン様から提供された工場にある、工具と機材ならば必ず従来の武器と武具を超える物を作り出して見せます!」

 

 と意見と云うより、お願いをしちまった!

 しょうがねえじゃねえか、元の鍛冶職人の想いが魂が、咆哮を上げて体から出てきちまいそうなんだ、我慢が出来なくてどうしようもねえんだよ!

 

 クレリア姫様も判ってくれたらしく、苦笑しながら頷かれて、

 

 「判っている。

 王都に居るアランに連絡した時にも、アランからガトル殿が望まれる量の『オリハルコン』と『アダマンタイト』を与え、ガトル殿が思い描く武器と武具を好きな様に作らせる様に、と言われていたのだ。

 ガトル殿、貴方の思い描く武器と武具を是非作成して欲しい、その為の協力は惜しまない!」

 

 と、あまりにも素晴らしいお言葉を頂いて、俺はそのまま跪いて、

 

 「ハハーッ!」

 

 と感謝した。

 その後、他の面々も意見を上げていた様だが、俺は上の空で聞いていて、ひたすらこれから作る武器と武具を想像して、夢心地だった。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。