この世界で所持デッキを必死に誤魔化して生き抜くお話   作:change

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クソ長い・・・・・・今回の譜面やりたい事やったらクソ長かったよ・・・・・・何とか無理矢理短くしたよ・・・・・・ミスあったら後で治します、


第15話 「貴様は一つ、大事な事を忘れている」

「ハァ・・・・・・ハァ・・・!」

 

走る。走る。走る。

覚悟は出来てる。《聖魔連結王》とあのジャックという男に戦いを挑むことを、もう恐れはしない。

師匠が僕を庇ってくれた時、僕は、どうにか庇ってくれた師匠の為にも、あの時守られた事に、意味があったのだと証明したかった。

 

怒りはある。燃えるような怒りの感情。でも今は、それで良い。この怒りを糧にして、僕は僕の力の全てを出し切ってでもパラレルを倒す。白の目を覚ます。覚ましてみせるんだ。

 

師匠とのデュエルは勿論、少ない時間だったけど、蒼神さんから教えて貰ったプレイングスキルや、あの仮面を付けた変な人から学んだ強さが、今の僕にはある。

カードの強さだけじゃない、僕というプレイヤー自身の強さが、きっとパラレルを倒すのに必要なんだ。

 

「負けられない・・・・・・僕は絶対、勝つ!」

 

僕は決意を固め、あの日仮面を付けた人から教えて貰った噴水のある広い公園へと向かう。

僕が辿り着いた時には、既にジャックの前に2人の男性と女性が膝を付いて居た。

 

「・・・・・・ジャック!」

「あぁ?・・・・・・何だ、あの時のガキか」

「っ・・・・・・!?どうして此処に・・・・・・」

「サ、サバイバルさん!?そんなボロボロになって・・・・・・!」

 

良く見れば、サバイバルさんは体のあちこちに切り傷と火傷の跡のようなものがあった。黒いスーツ服もボロボロだ。小蛇さんはそんなサバイバルさんに寄り添うように、逃げる為にジャックの隙が出来るのを狙っているようだった。

 

「サバイバル、お前の負けだ。見てて分かったぜ、今のお前と前のお前、その差がよぉ」

「差、だと?」

「前のお前は仲間の為、守る為に戦った。俺には毛ほども分からねぇ価値観だが、それがお前の強さを向上させる要因だったんだろうよ」

 

ジャックが言っているのは、恐らく師匠も言っていたラボ襲撃の時のことだ。僕はその場に居なかったが、その時はジャック相手にサバイバルさんは勝利を収め、白に対しては巧みな話術で蒼神さんが撤退させたと聞いている。

 

「だがなぁ?今のお前は、守る為ではない。奪う為に戦い、守られる側の人間だ。どうせ今頃、雑魚の相手とあの生意気な青峰を誰かが抑えてんだろ。違うか?あぁ?」

「・・・・・・っ」

「アイツは嫌いだが、アイツの持つ王の力は絶大だ。仮にデュエルで足止めするなら、アレと同じ性質を持つ存在でもねぇと駄目だろうよ」

 

でも、そんな力を持つ奴はそう居ないだろ、とジャックは言う。サバイバルさんは・・・・・・押し黙っていた。

 

「それはお前も恐らく薄々分かってたんだろぉ?そして俺が予想より手強かった。勝つには時間が掛かると、頭は冷静にそう結論を出しちまった。だから、リスク覚悟で速攻を狙った。この作戦を決行した時点で、どんな方法で挑もうが囮役は危険に曝される・・・・・・そんなこと分かっていた筈なのによぉ」

「・・・・・・あぁ、そうだ」

 

サバイバルさんはそれを肯定する。サバイバルさんは怒ると怖いが優しい奴だと師匠は言っていた。それが恐らく、デュエルに悪く影響したのだろうと僕は思った。

だが、ジャックは続けて口を開く。

 

「呆れたぜ、俺にあんだけ偉そうに勝っておいてこれかよ・・・・・・お前はなぁ、最後の最後に仲間の事を信じられなかったとか、仲間の事が心配になった~とか、そんなのじゃねぇ。責任感なんてゲロ以下のもんに追い詰められて、自分自身の覚悟を疑い、速攻しかけても万が一にも俺に勝てるかもと、一度勝ったことで無意識に油断しちまったんだよぉ!」

「・・・・・・っ!」

 

戦いの最中に揺らいだ奴に俺は負けねぇ、ジャックはそう言うと拳銃を取り出す。

 

「此処でお前は終わりだ。俺を負かしたやつを俺がぶちのめせたら、例外なくそいつは殺すことにしてんだ」

「なっ」

「安心しろ、そこの女は見逃してやる。だが、腑抜けたクソ野郎の腹立つ顔面は、此処で蜂の巣にしてやる」

「待て!」

 

ジャックの前に、サバイバルさんを庇うように出る。

 

「何だガキ、何しに来た」

「お前を倒しに来た」

「・・・・・・はっ、良い目してやがる。ガキがいっちょ前に吠えやがった」

 

小馬鹿にするように、拳銃を片手で構えながらジャックは笑う。怯えはない。此処で退けば、サバイバルさんは死ぬ。なら、こんなところで怖じ気づいてる訳にはいかない。

 

「良いぜ・・・・・・気が変わった。お前の相手なんざ何も面白くねぇと思ってたが、今のお前が負けてボロボロになるとこは見てみる価値がある」

「・・・・・・やってみろよ、僕はもう、お前に負けない」

 

気付けば傷つき傷心しているサバイバルさんを抱え、小蛇さんは幾らか後退していた。しかしジャックがそれ以上動くなという意味を込めて拳銃を向けると、小蛇さんは苦々しげにサバイバルさんと共に歩むのを止め、そこから僕とジャックを見る。

 

「そんじゃあデュエルだ。お前を倒した後、あの男を目の前で撃ち殺してやるよ」

「・・・・・・デュエル!」

 

空間が再び広がり、僕とジャックのデュエルが始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「呪文《S・S・S》、《蒼龍の大地》」

 

どれだけの時間が経過しただろうか。《禁時混成王》の攻撃で相手のシールドが砕け散り、Nofaceのシールドから2枚のトリガーがヒットする。どちらも僕の《エンドオブランド》の制約を無視出来るコスト5より大きい呪文。

何より、《S・S・S》は僕も使った呪文、それが今、僕にどのような被害をもたらすかもすぐに分かった。

 

「お前も《S・S・S》を・・・・・・!」

「優秀なんで・・・・・・《S・S・S》の効果で《禁時混成王》には手札に帰って貰う。ほら、早く帰れ、二度と出てくんな」

 

《禁時混成王》が激流に流され手札に戻り、《メヂカラ・コバルト・カイザー》が破壊される。僕の場はこれで全滅・・・・・・!

 

──マズい、僕のシールドは残り2枚。相手の動き次第で、容易に削りきられて負ける可能性がある・・・・・・!

 

「っ、《メヂカラ》の効果でカードは引かない」(手札7)

「それなら《蒼龍の大地》の効果だ。これにより僕は、自分のマナから自分の今のマナの数より小さいコストの非進化クリーチャーを場に出せる」

 

空間のどこかから激流が流れ始め、フィールドが水流で満たされる。この感じは・・・・・・《禁断竜王》ではない?

 

「念には念を入れておく・・・・・・マナから僕は《蒼神龍 チェンジ・ザ・ワールド》を出す」(マナ10)

「っ、そいつは・・・・・・」

 

あのカードはマズい、と、僕は思わず目の前で僕のターンに暴れるNofaceを凝視する。

 

「コイツの効果は知ってるかな、僕のお気に入りだけど」

「・・・・・・《蒼神龍 チェンジ・ザ・ワールド》、その効果は、手札を全て捨て、シールド回収後にその枚数シールドを増やす、世界と運命を変える、太古の時代を生きたと言われる奇跡の力を持ったドラゴン・・・・・・!」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・おう、そうだよ」

 

まさかそのようなカードを持っているとは思わなかった。だが、確かにヤツ程の存在なら、持っていたとしても不思議ではない。強いことは知っていたが、こんな力を隠し持っていたとは・・・・・・!

龍が水の柱のようなものの出現と共に遂に姿を現すと、僕へと咆哮し、主を守るかのようなフィールドに君臨する。それを頼もしく思ったのか、Nofaceは暫くジッと《チェンジ・ザ・ワールド》を見てから効果の使用を宣言する。

 

「まぁ、効果発動と行こう。僕の手札5枚を捨てる・・・・・・が、この時、捨てられる《バイケン》と、墓地に行く《悠久を統べる者 フォーエバー・プリンセス》の置換効果が発動。《バイケン》を場に出しニンジャストライクで出した《佐助》を場からバウンス、《悠久》の効果で墓地のカードを全てデッキに戻しシャッフル。その後、シールドを5枚追加」(手札1)(盾5)

「山札とシールドの一斉回復・・・・・・更に場にクリーチャーを並べながら、デッキに戻るシノビの回収を一度にやるか」

 

認めるしかない。この男は、僕よりもデュエリストとして強い。現状の山札の残り枚数も向こうは回復出来る上に僕より多い為、粘られれば僕は恐らく・・・・・・いや、間違い無く負ける。

そして、僕は次のターンにこの男の攻撃が来た場合、トリガーに期待するしかなく、負ける可能性がある。

仮に《禁断竜王》を引かれた場合・・・・・・《S・S・S》しか手が無い。

 

「ターンエンド・・・・・・だ」

「僕のターン、ドロー。ノーチャージ、そのまま《バイケン》でシールドをW・ブレイク」(手札2)

 

斬隠の頭が九字を切り、《チェンジ・ザ・ワールド》の影響で出て来た水流を用いてシールドを破壊する。

2枚のシールドがブレイクされ、僕を守るシールドはこれで0・・・・・・。

 

──それでも!

 

「足掻けるのなら、足掻き続ける・・・・・・っ、S・トリガー、《ナウ・オア・ネバー》!効果で手札から《天命龍装 ホーリーエンド》を場に出し、手札に戻す。《ホーリーエンド》の効果で、お前の場のクリーチャーを全てタップし1ドローする!」

「っと、決められなかった・・・・・・まぁ此処で決められなくても良いか。ターンエンド」

 

決められなくても良い、というのは、僕の山札の残り枚数も大きいのだろう。今、僕の山札は次のドローで残り8枚になる。そしてディスペクターには共通でEXライフ能力があり、使うのであれば、山札の消費は覚悟しなければならない。

 

「ドロー、マナチャージ」(マナ9)

 

だが、此処で何も出さなければどちらにせよあるのは敗北。足掻くには、どれだけ確率が低かろうとリスクを覚悟するしか道がない。

 

「3マナで呪文《T・T・T》を唱える。効果で次に召喚するクリーチャーのコストを3減らし、SAを与える」(手札6)

「おっと・・・・・・殴り返されるか」

「4マナで《龍風混成 ザーディクリカ》を召喚し、EXライフ発動。その後、墓地から《ナウ・オア・ネバー》を唱え、手札の《イグゾースト》を出して手札に戻す。《ナウ・オア・ネバー》は山札の下に戻り、《イグゾースト》の効果発動」(手札5)

 

これで山札の消費はEXライフと合わせて差し引き0だ。そして唱えるカードも決まっている。

 

「《イグゾースト》の効果で、墓地から《アイド・ワイズ・シャッター》を唱える。効果によりお前の場の水のドラゴン2体をフリーズし、この呪文も山札の下へ」

「山札回復に牽制か・・・・・・」

「そうだ、そしてバトル。SAになった《ザーディクリカ》で、《バイケン》を攻撃」

「・・・・・・《佐助》のニンジャ・ストライク5、召喚し、《バイケン》の効果で1ドロー、そして自身の効果で1ドローし1枚を捨て墓地からマナチャージ、《ムルムル守神宮》でブロッカーになった《佐助》でブロック」(マナ11)

 

知っている、その動きは既に僕の中で視えていた。

 

「ターンエンド、効果のドローはしない」

「僕のターン、ドロー。ノーチャージ、5マナで呪文《ドンドン火噴くナウ》」

 

Nofaceは3枚を捲り、1枚ずつゾーンへとカードを送る。良いカードを手札に加えられたのか、そうでないのか、表情が分からない為一切分からない。

 

「此処は・・・・・・《ムルムル守神宮》を墓地に送り、ターンエンド」(手札3)(マナ12)

「僕のターン、ドロー」

 

一見大人しい戦いに変わったように見えるが、実際には一瞬で終わり兼ねないひりついた空気が支配するゲームだ。僕はカードを引き、次の戦い方を考える。

考えた末に、此処だと判断した。

 

「・・・・・・ノーチャージ、3マナで《T・T・T》、コスト3減少SA化を付与し、6マナで再び現れよ、《禁時混成王》!EXライフ!」(手札4)(盾2)

 

再び石柱が現れ、そこから《禁時混成王》が現れる。EXライフの発動と共に、《禁時混成王》の効果が起動する。

 

「《禁時混成王》の効果、お前の場のクリーチャーは、次の僕のターンの始めまで、能力を無視する!」

 

そう僕が宣言した瞬間に、Nofaceの場のクリーチャーが石化したかのように灰色に変化する。これで、《バイケン》のシノビ登場時のドローも、2体のドラゴンの持つW・ブレイカーは勿論、与えられた能力であるブロッカーも消え去った。

 

「《禁時混成王》で《バイケン》を攻撃する」

「流石にそのまま破壊される・・・・・・っ」

 

能力の消えた状態であった《バイケン》に、赤い槍が大量に宙から降り注がれる。懸命に動こうとしていたが、痺れて動けない状態で、更に《禁時混成王》の効果を諸に受けた《バイケン》は呆気なく破壊され、遂に《禁時混成王》が場に居る状態でターンが回ることとなる。

 

──これで仮にヤツが《禁断竜王》を出そうと、何かしらの呪文を使用は出来る。例え何らかの効果でマナに行き、《蒼龍の大地》で出て来てバトルしようと、《禁時混成王》のパワーは99999・・・・・・例え54321であろうと勝つことは出来ない。

 

「ターンエンド」

「僕のターン、ドロー・・・・・・ノーチャージ、8マナで《悠久》を召喚」

「コスト9以下のクリーチャーが召喚されたこの瞬間、《禁時混成王》の効果発動、此処はドローする。そして、手札からコスト9以下の呪文、《アイド・ワイズ・シャッター》を唱え、《悠久》と《チェンジ・ザ・ワールド》をフリーズする」

 

再び呪文の効果により、《チェンジ・ザ・ワールド》はフリーズする。それに加えて《悠久》も痺れ、このターン持っているSAを活かした攻撃も不可能となってしまう。

だが、此処で少しマズくなってきた。

 

──そろそろ、手持ちの呪文が切れる。ドローしたいが山札が切れそうなのが痛い・・・・・・《エンドオブランド》乱発の反動がこんな所で響いて来たか。

 

「僕はこれでターンエンド」

「僕のターン、ドロー。ノーチャージ、《フロッガ-1》を召喚しバトル。《禁時混成王》で《悠久》を攻撃」(手札4)

「特に何も無し、そのまま破壊され、置換効果により墓地のカード諸共デッキに加えシャッフル」

 

相手のクリーチャーを徹底的に除去する。しかし、これでも向こうの方が少々余裕がある。此方は幾ら《禁時混成王》により対抗呪文を唱えられても、それには手札消費と山札の消費という問題がある。

適切なところで打つなどしなければ、待っているのは敗北か自滅だ。

 

「ターンエンド」

「僕のターン、ドロー。ノーチャージ、ターンエンド」(手札4)

「ドローゴー・・・・・・?僕のターン、ドロー」

 

引いたカードを確認する。

 

「ノーチャージ、・・・・・・《フィーク-2》を召喚し、《チェンジ・ザ・ワールド》を《禁時混成王》で攻撃し、破壊。ターンエンド」

「あれ?僕の方には殴って来ないの?」

「お前のデッキは殴れば殴り返してくるだろう。まだ、まだその時じゃない」

 

バレてるか、と向こうは口にする。向こうのデッキが普通ならば、もう《禁時混成王》を頼りに殴るのも良かったかもしれないが、そんな事が出来る相手ではない。先ほどから見えるトリガーカードの量にブロッカー付与、ニンジャストライク能力に《チェンジ・ザ・ワールド》・・・・・・今まで見て来た中でも、これだけ攻め入りたくないデッキは初めてだ。

 

「なら僕のターン、ドロー。んー・・・・・・そろそろ良いかな」(手札5)

「っ、何?」

「いや・・・・・・結構時間経ったかなと思ってね」

 

時間が経った、それは確かだ。僕のデッキはコントロール色の強いカードが多い。それに対し、向こうは防御力を高めたビマナ寄りの守りのデッキ。長引くのは仕方が無い。

・・・・・・いや、そうか。そういうことか。

 

「お前・・・・・・わざと長引かせたな?」

「あー、いや、もうちょい山札無くならないかなぁって」

「・・・・・・ちっ、こっちはこれだけ必死に食らいついているのに、そこまでの余裕があったとはな」

 

つい熱くなってしまっていたが、ヤツの狙いはジャックの元に僕を行かせない為の時間稼ぎだろうというのは分かっている。だが、《禁時混成王》を相手に、余裕そうであるのが僕は少し怖かった。

 

──この男からすれば、《禁時混成王》すらもその程度という事なのか・・・・・・?

 

「マナチャージ、2マナで《リツイーギョ》召喚。使う?」(マナ13)(手札3)

「っ・・・・・・《禁時混成王》の効果でドローはしない・・・・・・呪文は・・・・・・」

 

山札は残り5枚。上から順に《T・T・T》、《エンドオブランド》、《ナウ・オア・ネバー》、そして《メヂカラ》、《T・T・T》の5枚なのは、もう既に分かっている。

使うか使わないか、向こうの狙いは恐らく次の高コストクリーチャーか呪文。それなら・・・・・・。

 

「・・・・・・使わない」(手札4)

「成る程、手札には《イグゾ》と《ナウネバ》確定として・・・・・・じゃあ8マナ、《蒼龍の大地》だ。効果で出すのは《禁断竜王》、EXライフ発動後、火及び自然のクリーチャーである為、バトル効果は適用出来る。《フロッガ-1》とバトル」(マナ12)(手札2)(盾6)

「決めに来るか、だが《フロッガ-1》は除去されようと、《禁時混成王》の効果がある。効果でドローせず、手札から《ナウ・オア・ネバー》を唱える。効果で手札から《ザーディクリカ》を出し、EXライフ発動後それを墓地に」(手札3)

 

これで残り山札は残り3枚、墓地に落ちたのは《T・T・T》、記憶も正しい。

 

「墓地から《S・S・S》を唱える。効果により、お前の《リツイーギョ》は破壊させて貰う」

「そんで《禁断竜王》はEXライフで耐える、が──」(盾5)

「《S・S・S》の効果でタップして貰う。そして、《S・S・S》は山札の下に」

「減らないんだよなぁ・・・・・・ターンエンド」

 

・・・・・・何とか攻撃は止められたが、それでも《禁断竜王》はジャストダイバー。攻撃することは出来ない。だが、一つだけ良いことが分かっている。

 

《ザーディクリカ》か《禁時混成王》のEXライフの中身は、1枚が確実に《S・S・S》だ。もう全ての領域のチェックは殆ど済んでいる。山札の中にあるカードも分かっている以上、唯一確認出来ないカードは見えてない場所にあるという証明だ。

 

──仮に《禁時混成王》のであれば・・・・・・除去もされ難い。これ以上山札の枚数を気にしてやっていても何も変わらないのであれば、殴るしかない。

 

「僕のターンだ、ドロー」(手札4)

 

引いたのはやはり《エンドオブランド》。本当なら5以下の呪文を封じれる為に打っていきたいところだが、2ドローが今はキツい。

 

「ノーチャージ、行くぞ」

「まぁ、殴らざるを得ないよな」

「EXライフのない《ザーディクリカ》でシールドをブレイク!」

 

ザーディクリカから出た熱線が、Nofaceのシールドに直撃し破壊する。割られた2枚のシールドからは、当然のようにS・トリガーが発動する。

 

「S・トリガー、呪文《獅子王の遺跡》。3ブースト」(マナ15)(手札3)(盾3)

「今頃・・・・・・っ、《禁時混成王》でシールドをT・ブレイク!」

「こっわ・・・・・・っ」(盾0)

 

ブレイクされる3枚のシールド、憎たらしいが、目の前の男はシールドに守られ、この攻撃で消えてくれたりはしない。

そして、S・トリガーが起動する。

 

「S・トリガー、《蒼龍の大地》。効果でマナから2体目の《禁断竜王》をバトルゾーンに」(マナ14)(手札5)

「2・・・・・・2体目っ・・・・・・」

「《獅子王》で落ちたからな、んじゃEXライフと同時にバトル効果発動。今回はEXライフのある《ザーディクリカ》を選択する」(盾1)

「っ・・・・・・EXライフを・・・・・・墓地に」

 

緊張する手つきでEXライフを墓地に送る。《S・S・S》である確率としては2分の1だ。

送られたのは・・・・・・。

 

──《禁時混成王》・・・・・・っ、よし、《S・S・S》じゃないっ。

 

「《フィーク-2》でEXライフのシールドをブレイクッ」

「うぉ」(手札5)(盾0)

 

《フィーク-2》の槍が、《禁断竜王》のEXライフを破壊する。トリガーは無いらしい。

 

「・・・・・・居るんだろ、シノビが」

「え?さぁ?」

「・・・・・・それでも攻撃しかない。もう一体の《ザーディクリカ》で攻撃」

「ニンジャ・ストライク7、《怒流牙 サイゾウミスト》を召喚。墓地のカードを全て山札に加えシャッフルし、シールドを1枚追加する・・・・・・受けたシールドは・・・・・・《蒼龍の大地》か、マナから《サイゾウミスト》を出しておこう。同じことをもう一度する。バトルはしない」(マナ13)(手札4)

 

知っていた。わざわざタップしている《ザーディクリカ》を狙って来た時点で、そんな気はしていた。

・・・・・・2体目の《禁断竜王》は予想外ではあったが、これなら・・・・・・届くかもしれない。

 

「ターンエンド」

「それなら僕のターン、《サイゾウミスト》の効果でシールドをマナに。そしてドロー。ノーチャージ、余計な事はしないで行くか・・・・・・」(手札6)(マナ14)

 

──よし、《禁時混成王》を除去して来ない!

 

「《禁断竜王》で攻撃時、効果発動。5枚捲り、2枚を手札に加え、6000以下を全破壊」(手札8)

「《フィーク2》と《ザーディクリカ》2体は破壊される・・・・・・」

「《禁時混成王》のEXライフをブレイク」

 

《禁時混成王》の2つの内1つの命が砕ける。だが、その命は反撃の狼煙となり、最低で最悪の災厄が発生する。

 

「S・トリガー、《S・S・S》!効果でお前のクリーチャーはもう攻撃出来ない!」

「うわっ・・・・・・《サイゾウミスト》を破壊し、《禁断竜王》は1体手札に戻る」(手札9)

 

場に残ったのは、《禁時混成王》と《禁断竜王》。どちらも禁断の存在とドラゴンが混じり合った、王の名を冠するディスペクター。

 

──だが・・・・・・これで後は、シノビが無ければ僕の勝ち。・・・・・・もしかしたら・・・・・・!

 

「じゃあ《禁断竜王》はタップしてターンエンド」

「・・・・・・僕の──」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「僕のターンだ」

 

当然のように、奴は自分のターンを開始した。

 

「・・・・・・は?」

「ん・・・・・・あ、《禁断竜王》の効果でね」

 

アイツは・・・・・・アイツは、何を言ってるんだ?

だって、だってお前のターンは終わって──

 

「自分のターンの終わりに、このターン、クリーチャーが4体以上破壊されていれば、このターンの後に自分のターンを追加する・・・・・・君の《S・S・S》での僕の《サイゾウミスト》の破壊を含め、条件はクリアしてるだろう?」

「あ、有り得ない・・・・・・」

「僕のターン、ドロー、ノーチャージ。《禁断竜王》で、ダイレクトアタック」(手札10)

 

当然のことだと、そう言う風に奴はそのまま《禁断竜王》で僕にトドメを刺した。

あまりにも衝撃的で、信じられない力を見せつけられた僕には、自分がそれに倒されるその瞬間までが、酷く遅く、ゆっくりに見えた。

 

「・・・・・・心臓に悪すぎる、もう二度とこんなことしたくねぇ」

 

──コイツは・・・・・・何者なんだ・・・・・・。

 

僕は最後にそう思い、《禁断竜王》の攻撃で意識を失った。




禁断龍王「過労死しそう」
S・S・S「誰かー!俺を休ませてくれぇ!」
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