この世界で所持デッキを必死に誤魔化して生き抜くお話   作:change

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デュエマの映画を思い出してしまうようなバトルを書いてしまった・・・・・・。

そういえば評価バーが全部染まりました。やったー。


第16話 「フェニックスは何度も蘇る」

「いや・・・・・・もう本当に何もしたくないな、マジで」

 

天候が更に悪くなり、雨が降り始めてきた頃。

僕は青峰くんとのデュエルを終えて、気絶した彼を何とか屋根のあるクリーニング屋付近に置いてくることに成功し、ある場所へと歩きながら一息吐いていた。

 

・・・・・・正直、色々予想外というか焦った。

 

──《チェンジ・ザ・ワールド》が何か凄いとか・・・・・・知らん・・・・・・何それ・・・・・・怖・・・・・・。

 

「まぁ良いや・・・・・・気絶してくれてその後は楽だったし、これも全部Nofaceって奴の仕業なんだ」

 

そういうことにしておく。これで僕への被害も印象も直接的に何か起きたりはしないだろう。後は時間だが・・・・・・うわ、1時間半もあのデュエルに使ってたのか。やば・・・・・・集中してると時間ってアッという間に消えるな。

 

「まぁこんだけ長くやってれば、任務もほぼ終わってるだろ。これ以上僕への命令も無かったし、どこかで適当にこれ脱いで、念の為そろそろラボに戻っておくか」

 

後1時間ちょい程度でラボの守りが消える。移動時間も考えればこれで問題無いだろう。

命の危険とか、何か責任を持ってデュエルするとか、本当に僕には向いてないから止めて欲しい。大会とかなら別に良いが、殺意に似た敵意とかそういうのが常にバチバチで、本当にクリーチャーに襲われたりとかするとか、精神的にも良くない。幾らシールド先輩が優秀だからと言っても、何度も何度も攻撃される瞬間を見させられていれば、もう心臓ドクドク、血液ドクドク、骨の髄までドクドクドクドクって感じである。

 

「結局《禁時混成王》は回収しなかったけど、まぁ仕方無いわな」

 

回収してたら恐らく緑磨くんは禁断の力を継承出来ないだろうし、そもそも僕が此処で回収しても疑念を生むだけだろう。表向きには、知らんけど青峰くん来なかったなぁ、不思議やわぁ、と押し通すつもりで要るのだから。僕が回収までしてたら流石に可笑しいと思われるし、全部Nofaceって奴の仕業にすれば良いのだから、僕は余計なことをしたりせず、ただ怪しまれないようにしれっとしていれば良い。

 

「にしても・・・・・・青峰くん、結構強くて危なかったな。ディスペクターが使えればまぁ勝てるだろとか思っていたが、少し認識が甘かった」

 

油断大敵、とはこういうことだろう。実際、ちょっと時間稼ぎと勝利の均衡を調整しようとギリギリまで追い詰められることとなったが、最後のは少々ヒヤッとした。彼の山札がすぐ切れてしまえば時間稼ぎもあんまり出来ないと気付いた時には結構心配だったが、普通にケアしてきていたりと、腕はかなりのものだった。

まぁ、勝てたから良かったんだけど。

 

「《禁断竜王》に感謝だなぁ・・・・・・」

 

攻撃時の手札補充、優秀な赤青緑のシータカラー、打点としては十分なT・ブレイカーに、EXライフとジャストダイバーによる生存力・・・・・・オマケに6000除去と破壊数をトリガーにしたEXターン獲得効果を自前で持つ完成された能力を持ったドラゴン。

あのデッキにおいて守りの力を最大限に発揮するには手札が必要な為、そこを攻撃しながら補えるフィニッシャーとして採用していたが、まぁ何とか《禁時混成王》を立たされても勝てた勝てた。流石はあの《無双竜機 ボルバルザーク》と《禁断機関 VVー8》のディスペクターである。

 

「はぁ・・・・・・やっぱりディスペクターは最高だぜ・・・・・・」

 

僕はそう言って仮面を外し、服を脱いでいつも通りのシャツとズボンの格好に戻る。この道具は森にでも置いて、深夜にでも森の中からラボに密かに持ち込めば良い。ポイ捨ては御法度だが、捨ててないし今回は僕の今後も掛かっているので見逃して欲しい。

 

そんな事を思いながら森に着く。適当に目印になりそうな物がある付近の木の所に変装道具を隠し、一応見当たらないが人の目を警戒しながら森を出る。完全に不審者のような怪しい動きだが、念には念をと思ってしまうのがこういう時の僕だ。

 

──それにしても、これで作戦成功したら緑磨くんの継承どうなるんだろ。いや、もしかして逆に継承の為に、それまでの戦いで《聖魔連結王》が回収されることも無いのか?

 

「あ、悠じゃん、どうしたのこんなところで」

「っ!?」

「いや何をそんなに慌ててるの・・・・・・?」

 

完全に森から出て、安心しきって少し考え事をしていたところ、零無とバッタリ遭遇した。あまりにも急で心臓がヒュンッと一瞬どっかに落ちたかと錯覚してしまった。

 

「いや、まぁ作戦でね。大事な作戦だから教えんが」

「ふぅん?まぁ良いや、悠にちょっと話があってさ」

 

零無は機嫌が良いのか、鼻歌を歌いながら皮のバッグからチラシのようなものを取り出す。

 

「これ、私のバイト先で今度イベントやるんだけど、来てみない?」

「へぇ、イベントか・・・・・・バイトやってたんだな?」

「うん、カフェの店員としてね。お客さんも一緒に働く人も皆良い人でね、私に何かあるとすぐ飛んできてくれるし、注文もお客さんも最近増えて来てて、結構人気なんだよ」

 

それは・・・・・・多分殆どが男の客だろうな。実際に見なくても想像出来る。そしてこの感じ、多分自分が原因だって気付いて無いなコイツ・・・・・・いや、意外と仕事場ではもっと真面目で、普通に評価されてるからとかも一応無い訳じゃ・・・・・・。

 

「・・・・・・悠、大丈夫?」

「・・・・・・ん、大丈夫。ちょっと色々考えてただけ」

「そう?じゃあこれ、渡しておくから。・・・・・・ちゃんと来てね~?」

「行けたら──いや、行きます」

 

行けたら行く、と言おうとしたら、滅茶苦茶ジト目を向けられた為、仕方なく行くと約束する。さっさと任務が終われば寄り道の余裕もあるだろうが、正直あんまり自由時間が無いからキツいんだよな、こういうの・・・・・・。

 

「じゃあ、そういうことで。バイバイ、悠」

「おう、じゃあね」

 

適当に手を振って別れる。さて、帰るとするか・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「僕のターン!ドロー、マナチャージ。3マナで《フェアリー火の子祭り》!2枚見て、1枚をタップしてマナチャージ、残りは山札の下に置き、マナに置いたのが火文明なら墓地からこのカードを回収出来る!」(手札5)(マナ4)

「堅実なカードだなぁ、だがそれだけじゃ俺には勝てねぇ、俺のターン!」

 

僕とジャック、二人のデュエルが始まった。デュエル空間に巻き込まれた小蛇さんはサバイバルさんの隣に居るが、心配そうに僕のデュエルを見ていた。

それもそうだろう、僕は一度、ジャックに負けている。此処で勝てるかどうかでサバイバルさんの命が掛かっているかもしれないのだから、そんな顔にもなる筈だ。

 

でも──

 

「ドロー、マナチャージ。3マナで《ドリスコ-3》を召喚し、ターンエンド」(手札3)(マナ3)

「僕のターン、ドロー、マナチャージ、行くぞジャック!5マナで《王来英雄 モモキングRX》を召喚!」(手札4)(マナ5)

 

刀を持った龍が桜吹雪と共に出現する。そして、これで終わりではない。

 

「そいつの効果は確か、1枚捨てて2ドローした後、コスト7以下の進化出来るやつを手札から出す、だったな」

「そうだ、そしてその効果で・・・・・・来い、スター進化!」

 

《モモキングRX》の上にカードが重なり、フィールドに出て来た龍の姿に、過去のクリーチャーの魂が宿る。

歴史の力を継承し、力に変える・・・・・・それがスター進化。

 

「来て!《ダイナボルト〈エタフェニ.Star〉》!」

「ちぃっ、そいつは・・・・・・」

「《ダイナボルト〈エタフェニ.Star〉》で攻撃する時、効果でコスト4以下のクリーチャーである、《ドリスコ-3》を破壊!」

 

炎から生まれし不死鳥、《龍炎鳳エターナル・フェニックス》の魂の灯が、《ドリスコ-3》を燃やし尽くす。

 

「そのままT・ブレイク!」

「ぐぅ・・・・・・っ!?」(盾2)

「大きいのが入った!」

 

小蛇さんがそう言うが早いか、ジャックはすぐさまシールドから加わったカードを使用する。

 

「効いたぜ・・・・・・だがS・トリガーだぁ!」(手札5)

「っ、引いてきたっ」

「良くもやってくれたなぁ?あぁ?《ドラゴンズ・サイン》の効果で、《滅印連結 ヴァルハルザーク》をバトルゾーンに!」(手札4)

 

しかし、不死鳥が現れるのであれば、それに敵対するものも現れる。

《封印の精霊龍 ヴァルハラ・パラディン》と《神滅竜騎ガルザーク》のディスペクターが現れ、不死鳥の魂を引き継ぎし存在の前に降り立つ。

 

「EXライフだ、タップ出来る奴はいねぇが、今はこれでも十分よ」(盾3)

「くっ・・・・・・ターンエンド」

「俺のターンだ、ドロー!」(手札5)

 

カードを引き、ジャックはニヤリと笑う。

 

──あの笑い方、良いカードを引いたのか?

 

「マナチャージ、3マナで《腐聖 ブラッドウー2》を召喚。効果で1ドローし・・・・・・《ヴァルハルザーク》で《エタフェニ.Star》攻撃時、アタックチャンス!」(手札4)(マナ4)

「っ、マズいでござる!」

 

パワー数値では《ヴァルハルザーク》で《エタフェニ.Star》には勝てない。でも、ジャックの狙いはそっちじゃない!

 

「呪文《ロストパラダイスワルツ》!《ヴァルハルザーク》のEXライフシールドをブレイク!・・・・・・そして、当然S・トリガーだぁ!」(手札3)(盾2)

「自分からEXライフを!?」

「ふん・・・・・・当たりだ、神核に収まりし冷たき熱血・・・・・・《熱核連結 ガイアトム・シックス》をバトルゾーンに!」

 

六体神と熱血の星龍が、一つとなって現れた。ジャックの言う通り、あるべき場所にあるべき物がなく、代わりに《熱血星龍 ガイキンガ》が組み込まれており、その《ガイキンガ》の四肢として4体の起源神が、残りの2神は、一部パーツだけを残してほぼ取り除かれている。

 

「EXライフ!そして、お前のシールドもブレイク!」(盾3)

「っ、でもバトルでは《エタフェニ.star》が勝つ!」(手札5)(盾4)

 

《エタフェニ.star》の神聖な炎が、邪悪な龍を燃やし尽くし、トドメの一撃に胴体へと持っていた巨大な剣を突き刺す。・・・・・・これで、これで何とかディスペクター2体を相手にするなんてことは防げたけど・・・・・・。

 

「ターンエンドだ。お前のターンだぜ」

「・・・・・・っ、僕のターン、ドロー!」(手札6)

「・・・・・・そうか、ジャックの狙いは《エタフェニ.star》の攻撃を牽制すること。だからEXライフを削って、《ヴァルハルザーク》を自爆させたのでござるか!」

「俺のシールドのコスト8以下のカードは全てS・トリガー、だが別に、攻めて来ても良いんだぜ?」

 

小蛇さんのその言葉で、同時に僕は理解する。次のターン、ジャックは《ヴァルハルザーク》を失ってでも召喚したいディスペクターが居る。その為にササゲールを持つ《ブラッドウー2》を残したいんだ、と。

 

「・・・・・・マナチャージ、5マナで《アイボー・チュリス》を召喚」(マナ6)(手札4)

「ん?何だそのちっせぇの・・・・・・」

「《アイボー・チュリス》はバトルゾーンに出た時、山札の上4枚を捲って、その中のこのクリーチャーから進化出来るコスト6以下のクリーチャー1体を、このクリーチャーの上に出せる!」

 

僕が手に取ったのは赤一色のカード。このカードなら、ジャックに届く!

 

「スター・・・・・・進化!来い!《BAKUOOON〈5000GT.Star〉》!」

「あれは・・・・・・アウトレイジの力・・・・・・」

 

サバイバルさんの使うアウトレイジの力、此処で借ります!

 

「《〈5000GT.Star〉》の効果で、《ブラッドウー2》とバトル!」

「っ、強制バトルか!」

「やれ!《〈5000GT.Star〉》!」

 

僕がそう言うと同時に、《〈5000GT.Star〉》から発射された5000個のミサイルの雨が降り注ぐ。幾ら馬に乗っていようと、この攻撃を避けきることは出来ない。

 

「バトルに勝利したことで、《〈5000GT.Star〉》の効果でカードを2枚ドロー!」(手札6)

「クソっ、バトル除去か・・・・・・っ!」

「僕はこれでターンエンド」

 

次のターン、攻め入る事が出来れば、ジャックに・・・・・・《聖魔連結王》に勝てる!

 

「俺のターン、ドロー!マナチャージ、・・・・・・ターンエンドだっ」(手札2)(マナ5)

「よし!僕のターン、ドロー!」(手札7)

 

ジャックの顔色が悪い。これなら・・・・・・行ける!

 

「マナチャージ、《モモスター キャンベロ》を召喚!」(手札5)(マナ7)

「っ、ヤバいっ」

「《エタフェニ.star》でシールドブレイク!」

 

今度はジャック目掛けて、不死鳥の炎が炸裂する。《ガイアトム・シックス》のシールドをも巻き込んで、3枚のシールドは全て壊された。

 

「──G・ストライク!手札に加わる《ドリスコー3》を見せ、《〈5000GT.Star〉》の攻撃を不可能にする!」(手札5)(盾0)

「でもまだ《モモスター キャンベロ》が・・・・・・!」

「更に《ガイアトム・シックス》の効果だ!」

 

起源を司る神の持つ力と銀河を宿した龍の力が、同時に《ガイアトム・シックス》から放たれる。暴走する力の奔流が、《モモスター キャンベロ》を一瞬にして飲み込む。

 

「《キャンベロ》!」

「《ガイアトム・シックス》は、EXライフが離れた時、パワー9000以下の相手クリーチャーを破壊出来る・・・・・・尤も、俺のシールドはこれで0になっちまったがな・・・・・・!」

「・・・・・・ターンエンド」

 

・・・・・・いや、これは少し、マズいんじゃないか?

有利なのは恐らくそうだ。でも、相手はジャック。このまま終わるようには思えない・・・・・・。

 

──落ち着いて、冷静に。焦ったって対処出来る訳じゃない。

 

「俺のターン、ドロー・・・・・・仕返しの時間だ」(手札6)

「っ」

 

怒りだ。ジャックから、途方も無い怒りを感じる。

 

「マナチャージ、6マナで《魔帝連結 ガイゼキアール》を召喚!EXライフ!」(手札4)(マナ6)(盾1)

 

勝利王と時を操る悪魔のディスペクターが、《ガイアトム・シックス》の横に現れる。でも、《ガイゼキアール》がこのタイミングで出たところで、まだ脅威では──。

 

「《ガイゼキアール》でシールドを攻撃!この瞬間、アタックチャンス、《ロストパラダイスワルツ》!」(手札3)

「また!?」

 

再び使用される連結王の奥義。《ガイゼキアール》で増えたシールドが、即座にブレイクされる。

 

──そして、遂にそれは現れる。

 

「ブレイクされたシールドは・・・・・・はっ、漸くお出ましだぜぇ!?」(盾0)

「来る・・・・・・!」

 

虚空より飛来する権威ある力。その存在の降臨が、大いなる破滅を呼び起こす。

 

「正義と不義が相食んで連結された存在。降臨せよ、破壊の創造主!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「《聖魔連結王 ドルファディロム》、召喚!」




5000GT「いや俺の5000はそういう意味じゃないが?」

王来篇ならやる。
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