この世界で所持デッキを必死に誤魔化して生き抜くお話 作:change
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非常に嬉しいけど、こんなん貰ったらもっと頑張らないとな・・・・・・感想やファンアートはいつ貰っても嬉しいものですね。ありがとうございます!
因みに男性キャラの方もイメージも用意してきました。ある方が良さそうだったので。
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『はりねず版男子メーカー』様
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『見上げる男子』様
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『私好みの男めーかー』様(作者様のTwitter: @myu_toki)
蒼神、サバイバル、紅蓮です。ひとまずはこの3人をチョイス。
「・・・・・・ん、あれ、此処は?」
気付けば、僕は外に居た。服装もパジャマのまま、持ち物は・・・・・・《禁時混成王》の入ったデッキが1つ。見渡す限り、木、木、木・・・・・・此処は森だろうか?
「何でこんな場所に・・・・・・攫われた・・・・・・?」
それにしては色々と腑に落ちない。周囲に人影は無い。普通、攫ってきたのなら、逃げないように監視の何かがあって良い筈だ。それに昨日は夜遅くまで学校の課題を終わるまでやっていたが、誰かが侵入してきたような気配は無かった。朝方なら話は別だが、わざわざそのような人の目に付きかねない時間帯に行動を取るだろうか?有り得なくも無いだろうが、可能性としては低いだろう。
「姉さんが何かした・・・・・・とかなら、正直お手上げだな」
僕はそう言いながら、森を歩く。夢という訳でも無さそうだった。土を裸足で踏む感触も、木々の揺れる音も聞こえる。・・・・・・足が汚れるのは気持ちが悪いが、今は我慢するしかない。
──夢遊病じゃないと良いんだが。
少し適当に歩いて行くと、クレーターのようなものが目に入った。かなり大きい跡だ、宙から凄い勢いで降ってきたというのか?
隕石などもあるのかと思ったが、クレーターの中心にあったのは隕石なんかではなかった。
「あれは・・・・・・何だ?石というには少し・・・・・・」
パッと見では石柱だ。だが、どこか可笑しい。此処まで綺麗な石柱状態の隕石など有り得るのだろうか?それに、良く目を凝らしてみれば、石柱には時計の文字盤のようなものが刻まれていた。
「可笑しなものだ・・・・・・っと、今はそれどころじゃないな」
僕は石柱への興味を引っ込め、そのまま森の中を暫く彷徨った。
──それにしても、この石柱はいつから此処にあったものなのだろうか?
「──降臨せよ、破壊の創造主、《聖魔連結王 ドルファディロム》」
『破壊破壊破壊破壊ィ!』
──・・・・・・?
緑磨くんとのデュエマ、僕は《勝災電融王》の効果を連鎖させ、更に《聖魔連結王》を場に出すところまで来た・・・・・・のだが。
──何か、声聞こえるんですけど・・・・・・。
「・・・・・・EXライフ、《聖魔連結王》で《アイボー・チュリス》を攻撃」(盾6)(山15)
「っ、破壊されます・・・・・・」
いや、待て待て待て待て。色々可笑しい。悲しいことに、流石に僕も此処でのトンチキ現象には慣れてきている。だが、ディスペクターの声まで聞こえたのは今回が初めてだ。
──今のところ、聞こえてくるのは恐らくこの《聖魔連結王》の声くらいだが・・・・・・えぇ、何これぇ。出す度に急にそんなクソデカボイスされたら頭可笑しくなりそう・・・・・・。
《聖魔連結王》のカードを少し端の方にちょろっと動かし、僕はターンエンドを宣言する。気持ちだけでも少し距離を置きたいからだ。王ならもっとこうさぁ!威厳ある感じで静かに出来ないのかなぁ!
「・・・・・・そういえば、これって緑磨くんも聞こえてるのかな」
「僕のEXターン、ドロー!」(手札3)
小声で呟いた言葉は、緑磨くんには届かない。だが、下手なことを言う必要も無い為、今回は聞きはしない。また今度、蒼神 悠として聞くことにしよう。
「マナチャージ、5マナで《モモキングRX》を召喚!効果で1枚捨てて2ドロー、そして、スター進化する!」(マナ6)(手札2)
緑磨くんのデッキは僕が調整したものがベースだ。スター進化してくるクリーチャーも、大体絞れる。此処でキツいのは《モモギンガ》や《アルカディアス・モモキング》より、どちらかと言うと・・・・・・。
「来い!《メテヲシャワァ〈バジュラ.Star〉》!」(手札1)
「引いて来るか・・・・・・まぁ、引かれてしまったなら仕方無い、それで?」
「《〈バジュラ.Star〉》の効果で3枚ドロー!」(手札4)
これだ、これが何気にキツい。手札を3枚も補充出来るあのスター進化クリーチャーは、正直言って結構強いと言える。現状はそこまで気にならないが、次の動きがし易くなったと考えると、少し身構えてしまう。
──あっちは顔が五月蠅そうなカードだなぁ・・・・・・にしても、向こうのクリーチャーの声は聞こえない、か。これも器としての成長とかなら、まだ成長途中だからって事なのかな。
「此処は攻めない、ターンエンド。そしてもう一度、僕のターン!」
「問題はこっちだね・・・・・・あぁ、忘れないでね。こっちに居る《勝災電融王》1体は、次の僕のターンまでブロッカーだ。まだ効果は継続してるってことだね」
このデュエマの目的は、緑磨くんを倒すことではなく、成長させること。適度にこうして教えてあげる必要もある・・・・・・筈。まぁ、彼が戦う相手が今後そういう事をしてくるとは限らないが、少しでも強いカードの効果を教えてあげることで、今後その経験が活きるかもしれないし。
「それなら・・・・・・っ、ドロー、ノーチャージ、もう一体《モモキングRX》を召喚!効果で1枚捨てて2ドロー、《〈バジュラ.Star〉》にスター進化!3ドロー!」(手札8)
手札は8枚、成る程、少々手段としては強引だが、そう来るか・・・・・・。ちょっとDMPとして面白いと思ってしまったが、まぁ差程痛くも無い。
「《〈バジュラ.Star〉》で《聖魔連結王》を攻撃時、効果発揮!手札の枚数以下になるよう、2体まで選んでクリーチャーを破壊出来る。僕の手札は8枚、よって、《聖魔連結王》を破壊!」
「EXライフで耐える。ブロックはしないよ、返り討ちだ」(盾5)
パワーは《聖魔連結王》の方が上だ。そのまま《〈バジュラ.Star〉》は破壊され、進化元の《モモキングRX》が場に残る。
『破壊ィ!』
「まだだ、そのままもう一体で攻撃!効果で再び《聖魔連結王》を破壊!」
「大人しく破壊されるよ、その攻撃は《勝災電融王》でブロックだ」
『破壊ィ!・・・・・・サレタァァァァ・・・・・・』
《勝災電融王》のパワーは15000だ。電融ディスペクター特有の高パワーは、例え《超竜バジュラ》を継承したクリーチャーであろうと粉砕する。それはそれとしてこの《聖魔連結王》、くっそ五月蠅いな・・・・・・ちょっと墓地で静かにしててくれ。
「《〈バジュラ.Star〉》は破壊されるけど、《モモキングRX》は場に残る・・・・・・ターンエンド」
「うん、ちょっと驚いたけど良い判断だね。僕のターン、ドロー」(手札7)(山14)
「え、あ、ありがとうございます・・・・・・」
ちゃんと褒めながら、僕は次の動きを考える。向こうの手札は多いが、此方のやれる事はこれくらいしかないか。
「マナチャージ、6マナで《ヒャクメ-4》を召喚。効果でマナチャージし、ハンデス」(手札5)(マナ8)(山13)
「・・・・・・」(手札7)
緑磨くんの顔は特に驚いた様子も無い。まぁ、流石に8枚もあればたった1枚のハンデスではそこまで刺さらないか。
「バトルと行こうか、2体の《電融王》で2体の《モモキングRX》を攻撃だ」
「ごめん、《モモキングRX》・・・・・・」
どちらも素直に破壊される。まぁ、次のターンからが僕の本番か。マナが8に到達した今、漸く豪快な動きもし易くなる。
「ターンエンドだ、さぁ、君のターンだよ?」
「僕のターン、ドロー!」(手札8)
居合い斬りでもするかのような勢いで、緑磨くんはカードを引く。手札が8枚もあれば、僕の元居た世界だとほぼほぼ理不尽ムーブ確定だったろうな・・・・・・例えば、10コストと見せかけ8コスト、その癖10コスト以上限定の軽減効果を受けて4コストで出てくるとかいう、クーポンにクーポン重ねて使ってくるような赤単自爆龍骨戦車野郎とか。あぁ、思い出しただけで何か腹立ってきたな。何で自爆してEXターン獲得するんだアイツ。
僕がそんな事を考えている間に、緑磨くんは少し考えた末に手札から1枚のカードを選び取り、マナをタップしてプレイする。さて、次に何をしてくるか・・・・・・。
「マナチャージ、3マナで《超GR・チャージャー》!《Mt.富士山ックスMAX》をGR召喚!チャージャー呪文はそのままマナに、そして、マナドライブ4(J)の効果発揮!相手のパワーが一番小さいクリーチャーを破壊!」(手札6)(マナ8)
「《ヒャクメ-4》は選択されなきゃ効果が使えない・・・・・・その効果は相手に行為を強いるタイプだから、何もなく破壊される・・・・・・ちょっと不意打ちだったな」
使用可能マナは残り6だが、緑磨くんのデッキに入るスター進化クリーチャーは大体がコスト6で組まれている。つまり・・・・・・。
「6マナ、《Mt.富士山ックスMAX》をスター進化!来い、《モモギンガ》!」(手札5)
「またか・・・・・・でも、今は少し面倒だな」
「パワーでは負けてる・・・・・・だから今はターンエンド」
《アルカディアス・モモキング》はまだ出さないか・・・・・・だが、それでも構わない。
「僕のターン、ドロー。・・・・・・此処が使いどころか、マナチャージ、8マナ」(マナ9)(手札5)(山12)
山札は薄い、効果はフルには使えないが・・・・・・それでも、今出来る精一杯はこれだ。見たことの無いカードではあるが、恐らくこれも、僕の世界でいつか出てくる筈だったディスペクター・・・・・・なのかもしれない。
何にしても、その力を此処で使わせて貰うとしよう。
「《葬磁縫合 セブ・シュテロンΛ》。EXライフ」(手札4)(盾6)(山11)
「またディスペクター・・・・・・」
「このクリーチャーの効果が使えるのはまだ先だね・・・・・・仕方無いけど、此処でターンエンドだ」
本当は今すぐ《ロスト・ソウル》などでも使って手札を叩き落としたいところなのだが、そのようなカード、Nofaceの渡してきたこのデッキには存在しない。十分に戦えるリストだとは思うが、このデッキを使う目的が対戦相手の緑磨くんへの教育なだけあって、宿る殺意が若干足りない。
「ターンエンド時、僕はマスター必殺トルネードを2枚宣言、コスト4以上のジョーカーズである《モモギンガ》を手札に戻し、手札から《ジョルネード・グランドライン》を唱える!」
「まぁ、そうだよねぇ・・・・・・!」
「《勝災電融王》を手札に戻し、GR召喚!《無限合体 ダンダルダBB》をバトルゾーンに!更にもう一枚の《グランドライン》で、《Mt.富士山ックスMAX》を手札に戻し、EXライフのある《勝災電融王》を手札に戻す!そしてGR召喚、《The ジョギラゴン・アバレガン》!」(手札4)
「EXライフを削って来たか・・・・・・っ」(盾4)
敢えて2体の《勝災電融王》のEXライフを削って来たのは、次のターン、決めに来るからという事だろう。だがそれは予想出来ている。このデッキは、その対策もしっかりされている。
「僕の場とマナのジョーカーズは、合計8枚!超天フィーバーにより、《ジョギラゴン》のパワーはプラス10000され、パワー14000のT・ブレイカーになる!」
「条件満たすと本当にデカいなぁ・・・・・・っ、ターンエンド」
「そして、《モモギンガ》が離れたことで、EXターン獲得!僕のターン!」
此処だ、このターンが勝負を左右する。此処まで来ると、僕のシールドを信じる他にない。
「ドロー!ノーチャージ、5マナで《アイボー・チュリス》を召喚!その効果で5枚オープン!」(手札4)
「っ、来るんだね、君の新たなエースがっ」
公開された火と光のカードを手に取り、緑磨くんはそれを《アイボー・チュリス》に重ねる。遂に現れるか・・・・・・因みに、僕はそのカードが大嫌いだ。《ネロ》が見たら何というだろうか・・・・・・後方師匠面でもしてそうだな。
「スター進化!来て、僕の新たな力・・・・・・《アルカディアス・モモキング》!そのままバトル!《アルカディアス》で、EXライフ以外のシールドをT・ブレイク!」
「受けるよ・・・・・」
《アルカディアス・モモキング》が居る限り、光以外の呪文は使用出来ない。このデッキにはそれも見越して光のトリガー呪文が何枚か入っているが、それでも追加ターンに加えて残りシールド1となると、かなり厳しい。
まぁそれでも──
「これで──」
「S・トリガー!」(手札6)(盾1)
──負けるのだけは、勘弁だ。
「《灰燼と天門の儀式》だ。このカードは光を含む、《アルカディアス・モモキング》の呪文封殺効果は受けない」
「っ、墓地にはあのカードが──」
そうだ、僕の墓地にはアイツが居る。五月蠅いことには目を瞑り、今もう一度、その力を振るって貰おう。
「二度現れよ、《聖魔連結王》!EXライフ、そして《アルカディアス・モモキング》とバトル!」(盾2)(山10)
『復活ゥ!!!破壊ィ破壊ィ破壊ィ!』
呪文の効果による強制バトル。パワーは僅かにだが、《聖魔連結王》が上を行く。パワー13500と12500のバトルで、《アルカディアス・モモキング》は破壊され、墓地に送られた。これで厄介なクリーチャーは消えた訳だが・・・・・・。
「まだだ、《聖魔連結王》の効果。多色以外の君のクリーチャーを全て破壊!」
「僕のクリーチャーが、全滅・・・・・・!」
《蒼龍の大地》が使えないのは危なかったが、代わりにこっちが盾にあって本当に助かった。無ければ例え《S・S・S》でも、追加ターンで攻められ、《アルカディアス・モモキング》のタップ効果で満足に動けず、負けていたかもしれない。
「でも、僕にはまだ追加ターンがある、僕の──」
「おっと、ターンエンドならその瞬間、《セブ・シュテロンΛ》の効果発揮だ」
このカードの素材は、あのエピソード1で出て来た水の進化クリーチャー、《超電磁コスモ・セブ Λ》と、墓地退化などでも良く見る《奈落の葬儀人デス・シュテロン》だろうが、なかなか書いてあることが派手な割に光っても無いと来た。こういうカードは嫌いじゃない。
「君の手札を、全て墓地に送る」
「!?」(手札0)
手札は選択肢、という言葉もあるが、正にハンデスはその選択肢を、行動を縛る手段の1つとして最適だ。こんな風に、次があると思った相手の動きを封じてしまうことも出来る。
「その後、捨てたカードと同じ数ドロー出来るけど・・・・・・今回は止めておくよ。山札少ないしね?それじゃあ追加ターン、好きに動いて良いよ?」
「ぼ、僕の、ターン・・・・・・」
まぁ、《アイボー・チュリス》も4枚見えている。《モモキングRX》も、仮に引けてもスター進化したところで怖くはない。呪文も、あのデッキに入っているのは全て単色だ。《聖魔連結王》の前で、単色呪文は唱えることを許されない。
「・・・・・・マナチャージ、ターン、エンド」(マナ10)
「・・・・・・あー・・・・・・君は良く頑張ったよ、まだ強くなれる、そう泣きそうな顔をしないでくれ」
追加ターンの獲得を全て許し、尚且つ新たな力である《モモギンガ》や《アルカディアス・モモキング》を使い、十分に動いた上での敗北。コンボも決まっていたのに、それでも負けたことか、クリーチャーの声とやらが聞こえる分、自分への情けなさからか・・・・・・それともどちらもか。緑磨くんが泣いてしまった・・・・・・少し罪悪感があるな。でも、此処で手を抜いたり、チャンスを与えようだなんてすれば、もっと凹むことくらい分かっている。申し訳なさを少なからず感じるが、攻めさせて貰う。
「僕のターン、ドロー。ノーチャージ、《聖魔連結王》をもう一体召喚し、EXライフ。そのままバトルだ」(マナ10)(手札6)(盾3)(山8)
2体の《勝災電融王》がシールドを砕き、2枚のG・ストライクで《セブ・シュテロンΛ》と《聖魔連結王》1体が止められるも、残る《聖魔連結王》の攻撃で、緑磨くんにとって悔しい思い出となったデュエルは幕を閉じた。
そろそろ僕も忙しさで本格的2日3日に1本出せたらラッキー、程度になってきそうです。時間は有限なのだ・・・・・・。