魔法つかいプリキュア! 〜奇跡と魔法と幸福の翼〜   作:シロX

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毎回そうですが、感想貰えてウキウキの作者です。高評価まで貰えてそりゃあまぁ!!

ではスタート!


第12話 三ヶ月の命

みらいとリコは自室に篭っていた

 

自分達の無力さが招いた結果が、一人の友達を失った

 

ゲゲ、フフ、モフルン、はーちゃんは集まってどう元気付けるか考えていた

 

「みらいとリコ、元気が無い…」

 

『フ、仕方ないわよ。気持ちはワタシ達も同じだから』

 

「これからどうすれば良いモフ?」

 

『ゲゲ、元気付けるしかないだろ。取り敢えず、オレとはー坊はリコ坊を。フフとモフ坊はみら坊を頼む』

 

ゲゲははーちゃんと一緒に部屋に入ったが、リコは部屋の隅っこで重苦しく座っていた

 

「リコ…」

 

「守ってあげるって、言ったのに…何も…何も出来なかった……」

 

『ゲゲ、リコ坊は悪くねぇよ』

 

「……」

 

ゲゲとはーちゃんが声を掛けても、余計引き篭もってしまう

 

『ゲゲ、はー坊、少しみら坊の様子を見てくれねぇか?』

 

「うん…」

 

はーちゃんが出て行った事で、リコとゲゲの二人きりってとなった

 

『ゲゲ、どれだけ悲しんでも、どれだけ後悔しても意味無い。死んだ人間は死んだままだ!』

 

「…貴女、仮にも一緒に過ごしたのよ?何とも思ってないの!?」

 

『ゲゲ、どんなに凄かろうと死ぬ時は、死ぬんだ!!』

 

「…やっぱり悪魔ね」

 

『ゲゲ、悪魔だ。悪魔だから──一つだけ生き返らせる方法を知ってる』

 

それを聞いたリコは反応する。

普通死んだ人が生き返るなんて事は無い。魔法を使っても無理なものは無理

 

しかし悪魔であるゲゲが、たった一つだけ死者を生き返らせる方法があると言ったのだ

 

「そ、それ本当なの!?」

 

『ゲゲゲ、本当だ。けどな、オススメはしない』

 

「何でよ…その方法があるなら教えて!!」

 

『ゲゲ、まぁそう言うなら────』

 

 

 

 

 

「そのやり方…」

 

全ての説明を聞いたリコの表情は戸惑っていた

 

『ゲゲ、この方法はリコ坊、お前だから教えたんだ』

 

「わたし、だから?」

 

『ゲゲ、みら坊に言ったとして考えられる行動は限られる。迷わず実行するだろう。だがリコ坊は違う。お前は頭が良いからこんな状況でも正常な判断をすると思ったからだ』

 

その言い方に少し違和感を感じた。まるで、その方法をやって欲しくないみたいな

 

『ゲゲゲ、説明はした。後はお前が決めるんだなリコ坊』

 

「わたしは……翼の事が嫌いよ。でも、それでも友達なの」

 

リコはほうきを持ってゲゲを肩に乗せる

 

そしてそのまま窓から飛び降りて夜の空へ舞い上がった

 

 

 

 

 

////////

 

ほうきで夜の散歩をする事一時間程経過した。

リコは目的の場所へ辿り着きその場に着地した

 

その場所とはとある十字路の中心

 

『ゲゲゲ、良い場所を見つけたな。早速取り掛かるぞ』

 

リコはキュアップ・ラパパと魔法の言葉を唱え、十字路の中心に穴を掘った

 

「ねぇ、これで本当に大丈夫なの?悪魔は来るの?」

 

『ゲゲ、条件は全て揃ってる。それに呼び出すだけじゃない。ゲ、十字路は契約を結ぶ場所。呼び出す時には自分の写真を入れて埋める』

 

リコは言われた通り、魔法で自分の写真を作り、それをケースに入れて地面に埋める

 

「……出て来ないわね」

 

「失礼ね居るわよ」

 

「ッ!?」

 

リコの背後、いつの間にか大人の女性が立っていた

 

「貴女は悪魔よね?」

 

「そう。それに貴女の事も全て知ってるわリコ。伝説の魔法つかいプリキュアだって事も。私を呼び出した理由もね」

 

女性の目が赤く染まった。黒い目の悪魔とは違い、十字路の悪魔は目が赤いのだ

 

「なら話が早いわ。翼を生き返らせて」

 

「悪魔の取り引き、その代償が何なのか理解して言ってるの?処女の魔法つかいさん」

 

「…えぇ知ってるわよ」

 

間に触る言い方に腹は立つが、下手に怒って取り引きが出来なくなってしまえば全てが水の泡

 

それだけは絶対に避けたい

 

「わたしが払うのは──」

 

部屋での会話を思い出す

 

 

 

『──悪魔との契約って以外とあっさりとしてるのね』

 

『──ゲゲ、本番はここから先だ。何事も取り引きには何かを犠牲にしなければ成立しない』

 

『──じゃあ、悪魔の欲しいものをあげればいいのよね。やっぱりあっさりとしてる』

 

『──ゲゲ、そこが問題だ。先ず、悪魔の取り引きに「フェア」なんて言葉は無い。どんなに頑張っても得をするのは悪魔達だ。これだけは変えらない』

 

『──…いい加減教えなさいよ。遠回しに言ってばかりよ』

 

『──ゲゲ、リコ坊が払わないといけない代償は文字通り──』

 

 

 

「"魂"。文字通り自分の命よ」

 

「随分と勉強したのね。なら交渉に入りましょうか」

 

リコはゲゲに一度視線を向けて、お互いに頷き交渉を始める

 

「10年で──」

 

「それじゃあ赤字よ」

 

「……」

 

いきなり出鼻を挫かれた

 

当初の予定では10年で手を打とうとしたが、一瞬で受け流された

 

しかしこれは想定内

 

 

 

『──ゲゲ、内容によるが基本10年で手を打ってくれるが、死者を生き返らせるんだ。かなり削っていかないと応じてくれない。だが、削り過ぎも気を付けろよ』

 

 

 

「なら8年」

 

「…1930年、ロバート・ジョンソンと言う男と取り引きしたわ。内容はアコースティック・ギター一本で有名になれる様に」

 

クロスロード伝説。それはオカルトマニアの間や音楽界でも有名とされてる伝説

 

十字路で悪魔と契約して、その引き換えにテクニックを身につけた。

そう言い伝えられていたが、どうやらそれは本当の様だ

 

「その時取り引きしたのは確か…8年」

 

「……ご、5年」

 

「あ〜思い出した。魔法界で悪魔を一人殺したみたいね」

 

「さ、3年…」

 

(ゲゲ、マズい)

 

完全に悪魔のペースに乗せられた。徐々に年数が下がっていく。

無意識の恐怖か、リコの唇が震えていた

 

これ以上の吊り下げは割りに合わない

 

悪魔は未だにニヤけている。この状況を遊んで楽しんでいるのだ

 

「じ、じゃあ…その…えっと……」

 

リコもこれ以上は危険だと感じてはいる。

いるが、口が止まらない

 

「一、年は…ぁ?」

 

「もう一声〜」

 

心臓が高鳴る音が鮮明に聴こえる

 

呼吸すらままならい。それでもリコは止まらない

 

『ゲゲ!もうやめろ!これ以上は──』

 

「外野は黙ってなさい。この取り引きは彼女と私の間でしてるのよ」

 

悪魔はリコへ近付き、喉元から唇へと指をなぞり始めた

 

「いいの?死んだ人間を生き返らすには悪魔が必要。これを逃したら彼は戻って来ないわよ」

 

「ぁ…あ、い…ゃ、ぁ……」

 

自分の命と翼の命を天秤に掛けてるこの状況。リコ自身も命が欲しいに決まってる

 

その最後の一声を捻り出させる為に悪魔は耳打ちで提案した

 

「三ヶ月なら…いいわよ」

 

「三ヶ月……」

 

「えぇ三ヶ月。夏まではちゃんと待ってあげるわよ」

 

「それ…なら…」

 

『ゲゲ、やめ──』

 

「はい取り引き成立〜!」

 

悪魔は指を鳴らして契約を成立させた

 

「これで貴方の大切な人は生き返った訳で、残りの人生を楽しんでね〜」

 

それだけ言うと悪魔は消え去った

 

『ゲゲ、三ヶ月なんてあっという間だ!!』

 

「いいの……翼の所へ行きましょう」

 

 

 

 

 

////////

 

「────ッ!!!」

 

深く息を吸い込み翼は勢いよく起き上がった

 

「はぁ…はぁ…あ、れ?」

 

自分の体を弄り傷を確認する。血が止まっていれば、傷口も全部綺麗に塞がっている

 

「何か治療した形跡も無い何で…あ」

 

そして今度は喉を触る。貫かれた筈の喉までも元に戻っている

 

疑問だらけの事に困惑してると、林の中から誰か歩いて来た

 

「翼、目が覚めたのね」

 

「リコ…」

 

「ごめんなさい。目が覚めるまで動かすのは難しかったから」

 

「いやそれよりもだ。何で生きてる?」

 

『ゲゲ、それはだな…』

 

「フフよ!フフが治してくれたのよ!」

 

ゲゲが何か言う前にリコが遮って話した

 

嘘をついて

 

「そうか。まぁ一先ず何とかなったな。さて傷も治ったんなら帰るか」

 

「待って、帰るならみらいにも知らせないと。あの子も心配してるから」

 

リコはほうきに跨り後ろに乗る様に促す

 

「俺はお前のほうきに乗るの嫌なんだが。それに絶対乗らせないんじゃなかったのか?」

 

「つべこべ言ってないで乗りなさい!!」

 

何故か怒鳴られて、仕方なく翼はほうきに乗り、朝日奈宅へと飛んで行った

 

 

 

 

 

『フフ…』

 

「みらい……モフ!みらい窓の外見るモフ!」

 

部屋で蹲るみらいは、少し窓の外を見ると暗かった表情が段々と明るくなっていく

 

「翼君!!」

 

窓を開け、ベランダに降り立った翼を力強く抱きしめた

 

「良かった!本当に良かったよぉ〜!!」

 

『フフ、これは一体どういう…』

 

「フフありがとな。お前が治したんだってな」

 

『フ!?フ…それは良かった。体はもう大丈夫の様ね』

 

フフはチラリとリコとゲゲの方へ目を向ける

 

それに気付いたのか二人は目を背けた

 

『フフ、時間も時間だから帰った方がいい。フフ、ワタシはゲゲと皆んなで少し話をしたいからツバサは先に帰ってなさい』

 

「俺だけかよ!?まぁいいか。確かにこんな時間だし、お袋にも迷惑掛けるしな」

 

みらいに下まで下ろしてもらい、翼が帰って行くのを確認してからフフは部屋の中へ呼び集める

 

フフは険しい表情をして怒鳴り散らした

 

『フフ!やったわねリコ子!!自分が何をしたか分かってるわよね?』

 

「…何の事?」

 

『フフ、惚けても無駄よ。貴女が悪魔を呼び出して契約した事は明らか!』

 

「え、リコそれ本当なの…?」

 

何も知らなかったみらいはリコに詰め寄り真偽を問いただす

 

「リコ!!」

 

みらいの言葉に耐え切れず、リコはとうとうその事について全部話した

 

「…十字路で取り引きをしたわ。翼を生き返らせる為に」

 

「そんな…そんな事したって翼君は嬉しくないよ!!」

 

『フフ、何年なの?何年で手を打ったの?』

 

「……三ヶ月」

 

『フ、呆れてものも言えないわ。三ヶ月?フ、随分と値切られたものね!』

 

「どういう意味モフ?」

 

フフは少し言い難い表情をしたがいずれ分かること。その意味をそのまま伝えた

 

『フフ、悪魔との契約には自分の魂が必要。つまり命。それと引き換えに取り引きをする。フフ、三ヶ月というのは、リコ子の残りの人生……寿命なの』

 

「三ヶ月って…!」

 

『フフ、死者を生き返らせるくらいなら一年のところを三ヶ月。プリキュアだって事を知られて、色々と弱みにツケ入れられたね。ゲゲが付いていながら』

 

「リコ、居なくなっちゃうの…?」

 

「何で相談してくれなかったの?わたし達友達でしょ!?」

 

「友達だからよ!!」

 

今まで我慢していたものが込み上げてくる。涙を流しながらもそれを全て曝け出す

 

「みらいは友達だから巻き込みたくなかった…!翼だって友達よ…もう誰も失いたくないのよ!!」

 

「……ゲゲ、契約を辞める事って出来ないの?」

 

『ゲゲ、悪魔の契約は破棄出来ない。一度契約してしまえば……』

 

「……」

 

「皆んなお願いがあるの。この事、翼には何も話さないで。言ったら絶対怒るから…」

 

何もかも諦め、一人の友達の為に懸けた代償は予想以上に大きくなった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リコの寿命────残り三ヶ月




次回から本編へ戻ります

ヒロインのリコだけじゃなく、みらいにまで精神をゴリゴリ削っていく

それにしてもリコへのヘイトが凄過ぎる。可哀想だなぁ〜と思う反面、もっとイジメたい気持ちもある

ここまでの拝読ありがとうございます
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