魔法つかいプリキュア! 〜奇跡と魔法と幸福の翼〜 作:シロX
前回の話からどう気持ちを切り替えるか?
ではスタートです!
今日から本格的に授業もあり学校が始まる。
張り切る気持ちで、わくわくな毎日が始まる登校だが、みらいもリコも何処か上の空だった
「「……」」
昨日の夜の出来事をまだ引っ張っているのだ
「二人共おは……どうした揃って?」
そこへ背後から翼が挨拶をしたのだが、様子のおかしい事に気付いた
「あ…全然!何もないよ!」
「リコは?」
「えぇ大丈夫よ…」
「それならいいが。何かあったら言えよ」
これ以上の追求は失礼と察し、翼は話を切り上げて二人と一緒に学校へと急ぐのだった
「おっはよ〜!」
みらいは元気良く挨拶して、翼は無言で教室へと入って行く
そしてリコだが
「皆さん、おはようございます」
クラスメイトに頭を下げて挨拶したのだ。子供と言うより、大人の挨拶に近いものだった
席に着いてひと段落ついたのだが、リコは早速教科書を開けて読み込み始めた
「授業にはまだ早いよ」
「学校は勉強する所でしょ?授業前の予習よ予習」
「みらいおはよう!」
「おはようまゆみ!」
そこへみらいの友達である、まゆみが声を掛けてくれた
「十六夜さんもおはよう」
「えぇおはよう」
リコも挨拶を返したが、すぐに教科書へと視線を向き直した
「思ったが、十六夜さんってどっちの十六夜だ?」
「あ、そっか。翼君も苗字が十六夜だったね」
「まぁ、俺は普通に名前で呼んでくれ。まゆみ」
「そう?それじゃあ改めておはよう翼」
「ん」
翼は必要最低限の挨拶を終えると同時に鞄から枕を取り出した
「何で枕…」
「あ、みらい。お前日直じゃなかったか?」
「いっけない忘れてた!」
「わたしも手伝うよ」
日直という仕事を思い出し、落書きされてる黒板を消しに行ってしまった。まゆみもその手伝いをする為、その場に残ったのは翼とリコだけとなった
「ところで何よそれは?」
上手くはぐらかしたと思ったが、やはりツッコまざる終えなかった
「お前枕も知らないのか?」
「そういう意味じゃないわ。何で学校に枕を持って来てるのかって事よ」
「逆に寝る時以外何に使うんだ?」
「…もういいわ。何も言わない」
リコは呆れてこれ以上言う事はなく、授業が始まるまで予習に励むので合った
「では、この円錐の展開が書ける者?」
「「はい!」」
「じゃあ十六夜。前に出てやってみろ」
数学の授業が始まり、初めてナシマホウ界で教わる知識に触る
「出来ました!」
「正解だが…ちょっと大き過ぎるなぁ〜!」
正解はしてはいるが、数字通りの図形を書き黒板からはみ出していた
「リコぉ…」
「春の大三角と言われる三つの星が解る人はいますか?」
「はい!」
「では十六夜さん」
次は理解で星に関すること。
これに関してはリコ大得意。星読みでは魔法界ではトップの成績を残している
間違える筈も無い問題にリコは自信満々に答えた
「ピピロポラーナス、チャカチャカコナール、ピョンカドラールです!」
しかし周りの反応はイマイチだった
それもその筈、意味としては合ってはいるがリコが言ったのは魔法界での言葉。
ナシマホウ界とではまた別の言葉なのだ
「あれ?」
「あ、あの!リコの住んでた所での呼び方だと思います!」
「そ、そう?じゃあ大変だけど、此方での呼び方も覚えてくださる?」
「は、はい…」
なんとかみらいの起点で変な感じにはならなかったが、自信満々だった分失敗した時の落ち込みは酷かった
リコからしたら、ただ恥ずかしい目になっただけどなった
「じゃあ他には──」
「は〜い!はーちゃん解るよ!」
「「ッ!?」」
先生の受け応えに、まさかの鞄の中で大人しくしてるはーちゃんが返事をしてしまった
これにはみらいとリコは予想外だった
教室中、声のしたリコの方向へ注目が集まる。
またみらいがフォローしようと立ち上がろうとした時、それよりも早く一人の生徒が手を挙げた
「お、俺です…」
手を挙げたのは翼
「翼解るの?貴方普通に寝てたわよね?」
リコの言う通り翼は手を挙げるまでずっと寝ていたのだ。
それだけなら良かったが、ノートや教科書はおろか、筆箱すら出していない。
代わりに枕だけが机の上に出されている
まともに授業など聞いていないなら、到底答えられる筈なかったのだが
「アルクトゥールス、スピカ、デネボラ。欧米はデネボラの代わりにレグルス」
「正解よ」
着席すると、ひそひそとみらいとリコが話し掛けた
「翼君凄い!寝てたのに!」
「ちゃんと授業は聞いてる。ポンコツリコの解答が面白くて、答える時に起きていた」
「ムカつくわね〜!」
「ハッ、おやすみ」
////////
放課後になって、珍しくリコは一人で行動していた。
そして本屋でバレーボールの入門書を購入していた
本屋から場所を移して、河川敷でモフルンと一緒に入門書を読んでいた
「相手チームがサーブしたボールを、レシーブしてトスしてスパイク……まぁとにかく、ボールを落とさずに繋いでいけばいいのね」
本屋から出る時貰った風船を使い、基礎から練習を始めた
「行くモフ〜!それ!」
「アタック!」
「ナイスモフ〜!」
「"ナイス"?」
「上手くいった時、みらい達が言ってたモフ!」
「そっか!よし、モフルンもっとお願い!」
それからも二人でスパイクの練習していると、下校中の翼がその様子を見つけた
「リコ、モフルン二人共何してるんだ?」
「バレーボールの練習よ」
「ふ〜ん」
翼も興味深く見学する事にして、階段に座って見守る事にした
「モフルン次お願い!」
「モフ!」
「アタッ…ッ!」
腕を振り下げようとしたが、急に痛みを感じて肩をさする
「力入り過ぎちゃったかな…?」
「はぁ…俺の前に座れ。ほぐしてやる」
リコのブレザーを脱がして肩を軽く触る
「…凝ってるな。此処とか」
「痛たた!?」
「痛みを感じるなら相当だな。痛みがあまりない様にほぐすが、少しは我慢しろよ」
「ありが…ひゃん!?」
「今言ったばかりだろ。それに変な声出すな」
「そんな事言われても…」
リコはなんとか声を押し殺しながらマッサージを受け、そして段々と眠気が襲ってくる
(あっ…これ、気持ちいい…。それに眠くなって……)
「こんなもんだろ。やり過ぎも良くないからな……リコ?」
いつの間にか、疲れが溜まっていたリコは小さな寝息をたてながら、翼に体を預ける様にして眠っていた
「リコ、寝ちゃったモフ」
「…モフルン、俺の鞄から枕出してくれないか?」
「はいモフ」
翼はリコの隣に座った後、枕を膝に置いてリコを横にしてより休みやすくした
脱いだブレザーを体に掛け、更に翼の学ランも掛けて風邪を引かない様に温める
「翼優しいモフ」
「優しい、か。何でそう思う?」
リコの髪や頬を優しく撫でながらそう呟いた
翼自身、みらいやモフルンにはーちゃんには優しくしてるが、リコに対しては言われる程までしてはない。
寧ろ嫌がる事をしている
「ヨクバールが襲って来た時も、今日みたいにマッサージしたり寝かしたり、翼はリコに優しいモフ!」
「…優しくねぇよ」
「でも、顔が笑ってるモフ!」
モフルンの言う様に確かに、リコの寝顔を見て少し微笑んでいた
「…笑ってない」
「笑ったモフ!」
「笑って…リコが起きるからこれ以上は何も言わん」
「やっぱり優しいモフ」
「ん…ん〜……はっ!」
リコは飛び起きて、自分が寝てた事に気づいた
「え、夕方!?」
「やっと起きたか…」
「翼…ってどうしたのよ!?」
翼は座ったまま脚を抑えて蹲っていた
「いや、何でもない…」
「リコがずっと寝てて、翼が動けなかったから脚が痺れたモフ」
「翼が…ごめん!起こしてくれれば…」
「リコの寝顔があまりにも良かったら、起こすに起こせなかったモフ!」
「えっ///」
「モフルン、そろそろお口にチャックだ」
「もぎゅ!?」
口を塞がれてジタバタするが、これ以上変な事を言われても仕方ない為、今回ばかりは心を鬼にして離さなかった
「それとリコ」
「何…んふ!?」
翼は、空いてるもう片方の手でリコの頬を弄り始めた
「な、何するのよ!」
「表情筋も固い。もっと柔らかくなったらどうだ?唇の様に」
「ッ///」
頬を弄られながら、さりげなく唇を指で撫でられ思わずリコは頬を紅く染める
「帰るぞ」
////////
その夜、みらいに誘われてほうきで夜の星を見る為散歩する事となった
夜もあり、三人共魔法学校の制服に着替えていた
「そういえばリコ、翼君をほうきに乗せる様にしたんだね」
「え、まぁ…うん」
「俺は今でも嫌だ。モフルンがみらいのほうきに乗ってるから」
「そんな事言うなら振り落とすわよ?」
「ッ!」
それを聞いて翼は、リコの腰にがっしりとしがみ付いた
ほうきを飛んで、場所は翼とリコとモフルンがバレーボールを練習していた河川敷まで来た
しかし、ここまで来てあるトラブルが発生していた
「星見えないわね」
「そうだね…さっきの話、お父さんの話ね。あ、翼君は分からないよね。えっとね──」
みらいが話してくれたのは幼い頃のちょっとした話
朝日奈家三人で天体観測した時、山でみらいが迷子になってしまった
暗い山の中をぬいぐるみのモフルンと一緒に歩き回るも、元の場所に帰れず泣いてしまった
でも、モフルンが教えてくれた。空を見上げれば満天の星空が見えてる事に
「星がすっごく綺麗だったの!暗くて怖かったけど、キラキラして温かくて、同じ夜なのにね」
「見方が変わったのね」
「そうそれ!リコも同じだと思うの。真っ直ぐ前を見るだけじゃなくて、グル〜っと周りを見たら、星空みたいにキラキラでワクワクな事がきっといっぱい見つかるよ!」
「キラキラでワクワク?」
「うん!折角一緒に居られるんだもん。魔法界と同じ様に、二人で楽しい事見つけよ!」
「楽しい事…」
「ねぇ二人共、行ってみようよ雲の上まで!折角来たんだし星みたいじゃん!」
一人高く飛んで行くのに、翼とリコは呆れていた。
しかし、そういう所がみらいの良いところのひとつ
「みらいったら…」
「ほらペガサス行け。置いて行かれるぞ」
「誰がペガサスよ」
みらいに続こうとしたが、何故か途中みらいが空中でジタバタもがいていた
「「みらい!?」」
何かに絡まり、ほうきを制御出来ずそのまま落下してしまった
「リコ!」
「分かってるわよ!みらい!!」
リコも急降下しながら手を伸ばしてみらいの手を掴んだ
「リコ前前!!」
「ダメ!無理!」
急降下するほうきを上昇させようと引き上げるも、距離が足りず三人共河川敷の土手にぶつかり落ちた
「もう二度とリコのほうきには乗らねぇ……」
「不可抗力よ…」
「二人共ごめん。大丈夫?」
勢いよく落下はしたが、誰一人怪我をしてはいなかった
「こんな所で会うなんて、やっぱりアンタ達もエメラルド狙いだね」
声のする橋の上にはスパルダが立っていた。
みらいが落ちたのも、スパルダの糸が絡まったせい
「だがね、エメラルドはアタシの獲物。何がなんでも奪ってみせるよ!」
「魔法入りました!出でよヨクバール!」
「ヨクバール!!」
スパルダは雲と看板を使いヨクバールを生み出した
「こんな夜中に騒がないでよ!」
「皆んなが起きちゃうじゃない!」
「早いとこ蹴散らすぞ」
「「キュアップ・ラパパ!」」
「「ルビー!」」
「「ミラクル・マジカル・ジュエリーレ!」」
「ふたりの奇跡!キュアミラクル!」
「ふたりの魔法!キュアマジカル!」
「「魔法つかいプリキュア !」」
「
「ヨクバール!」
拳を振るってくるもヒラリと避け、ミラクルとマジカルはそこから反撃へと出るが
「えっ!?」
「なっ!?」
雲の特性をもったヨクバールには捉えられず、攻撃が全て空を切った
「全然掴み所がない!」
「折角のルビーのパワーが!」
「ならフフ!」
『フフ、電撃なら通じるかしら?』
大天翼之剣の刀身に雷が纏われ、そしてそのエネルギーを振り翳して電撃の刃を飛ばした
物理的な攻撃がダメなら、自然の力を借りての攻撃なら通じると思ったが、ミラクル達と同じくそのまますり抜けてしまった
「ヨクバール」
『フフ、全然効いてないわね』
「さぁ!一気に片付けてお仕舞い!」
「ギョイ!」
ヨクバールは大きく息を吸い、空にある雲を体内へと蓄え始める。
雲をより集めた事でヨクバールの大きさは、先程までより倍近くの巨体となった
「ヨクバール!」
「アレ食らったら痛いぞ」
ヨクバールは大きく腕を振り上げて襲い掛かって来るが、その動きにミラクル避けながらも気付いた
「マジカル、翼君!このヨクバール動きが鈍いよ!」
避けた事でヨクバールの腕に着地し、そのまま頭部の方へ駆け上って行く
走るミラクルを捕まえようとするも、大きくなった事で鈍くなったヨクバールは捕まえる事は出来なかった
これがミラクルが気付いたこと。動きの遅さ
「そっか、大きくて怖くても!」
「「見方を変えれば!」」
マジカルもミラクルと共に駆け登り、そしてジャンプでヨクバールの頭の上を陣取った
翼はというと、ヨクバールの足元へ潜り込んで軽く大天翼之剣を刺し込んでいた
「雲って要は水の粒の集まりだろ?冷やすとどうなるか実験といこうか」
大天翼之剣から冷気を発し、一気にヨクバールの体を凍らせた
「「ハァァァ!!」」
そこからミラクルとマジカルの、ダブルキックが炸裂してヨクバールはバラバラに砕け散った
「さてミラクル問題。雲は物質の三態で言うところの何に当たるか?」
「はい、液体!」
「そう液体。よく気体と答える奴がいるがそれは勘違い。さっきも言ったが、雲は水蒸気が纏まった小さい水の粒の集まりだ」
「二人共授業の続きは帰ってからね。行くわよ!」
「「リンクルステッキ!」」
「「ルビー!」」
「「紅の情熱よ!わたし達の手に!」」
「「フルフルリンクル!」」
「「プリキュア !ルビー・パッショナーレ!」」
////////
「気が付かなかった。星がこんなに綺麗だったなんて!」
ヨクバールを浄化した余波なのか、曇り空だった空が晴れて満天の星空がしっかりと見えていた
それは、固くなっていたリコの頬が緩む程の夜空
「良かった。いつものリコだね」
「リコ、ずっと『んー!』ってお顔してたよ」
「え、やだ。そんなに固くなって……あ」
『──表情筋も固い。もっと柔らかくなったらどうだ?唇の様に』
ふと、リコはみらいの隣で座る翼に目を向けた。
それに気付いた翼は首を傾げていた
「何だよ?」
「ずっとわたしの事見てたの?」
「何気色悪い事言ってるんだ?頭大丈夫か?」
「…」
一瞬ピシャリと目元がヒクついたが、ここは満天の星空に免じて怒らなかった
(まぁそれでも…)
それでも、いつの間にか気に掛けていた事を嬉しくも思い感謝の気持ちが溢れる
「まゆみ達がね、リコともっとお喋りしたいって」
「明日、なんて話し掛けたら良いかな?」
「一緒に遊ぼだ〜よ!」
「フフ、そうね。わたし見つけたい。この世界でも素敵なワクワクを沢山!」
夜空へ目を向けると一つだけ、大きく紫に光る星を発見した
「あの星!」
「すっごい綺麗だね〜!」
「やけに明るいな。何の星だ?」
「なんだか手が届きそう!」
「キラキラ〜!」
リコがその星に両手を広げると、気のせいか段々と近付いて来てる様に見え始めた
「モフ?」
それは目の錯覚などではなく、本当に近付いてはリコの両手に収まった
「星に手が届いちゃった?」
「くんくん、甘い匂いモフ!」
「おいそれって」
手にした星をよく見ると、それはリンクルストーンだった
「『タンザナイト』!宇宙のリンクルストーンモフ!」
「へくち!あ〜少し冷えちゃった!」
『ゲゲ、楽しいお喋りはここまでだ。ゲゲゲ、全員明日も学校があるんだ。続きはそこでだ』
翌日、肩の力を抜いたリコはまゆみ達とちゃんと話す事が出来た他、下の名前で呼び合える程まで仲を縮める事が出来たのだった
何やかんやリコとの距離を縮めてく
本編戻る言いましたが、次回から二話分使って自分の作品とのコラボをします。作品作る度の恒例行事なので。
二作品とのコラボです
ここまでの拝読ありがとうございました!