魔法つかいプリキュア! 〜奇跡と魔法と幸福の翼〜 作:シロX
ではスタート!
「翼君も一緒に来れば良かったねリコ」
「わたしは、みらいやモフルンにはーちゃんが居れば何も問題は無いけど」
只今みらいとリコは自然に囲まれた河原に来て、クラスメイトのまゆみ、壮太、ゆうとを引き連れてBBQをしに来ていた
しかしその場には翼の姿は何処にもない。今日の彼は、家での予定が来れないと連絡を受けたのだ
みらいは残念がるが、それに対しリコは来なくて良かったと安心していた
「みらい?リコ?」
その声を聞くまでは
名前を呼ばれて振り返ると、翼と魔法界に居る筈のリズが並んでいた
「翼君!?」
「お姉ちゃん!?何で二人が此処に?」
「俺は此処にBBQをしに来て…まぁ世界は案外狭いって事だな」
「わたしは皆んなに届け物はあるの」
翼に関しては本当に偶然
リズはリコに届け物である校長からの手紙を渡した
「中身は?」
「なんでも、探し物のヒントだとか?」
三人は首を傾げるが、中身の確認は一度落ち着いてからでそれぞれ準備を急ぐのであった
リズもみらいの父親「大吉」に挨拶をして後、共に参加する事となった
「そうだ!翼君も一緒にどう?」
「俺は自分のテントがあるしいいよ。気持ちだけ受け取っておく」
自分のテントに帰ろうとした矢先、翼の母親が大きく呼び掛けた
「翼〜!チャッカマン忘れちゃった!」
「え、忘れちゃったの!?」
一番肝心な火を起こす物をどうやら忘れてきたらしい。
これには翼も項垂れるしかなかった
「翼君、やっぱりわたし達と一緒に…」
「いや大丈夫だ!こんな時の為に密かに火打ち石を持って来たからな。取り敢えず今はお互いに準備しようか」
翼の言葉でお互いに、自分の所の準備をし始めるのであった
「あ、朝日奈さんに皆んな!」
「勝木さんも来てたんだ!宜しく〜!」
どうやら翼だけじゃなく、同じクラスメイトの「勝木かな」とも隣同士だった
「あ、また会ったね!」
「そうだな」
翼とみらい達、お米を研ぐ為に水道でまたも出会した
「じゃあついでだし、翼もさっき受け取った手紙読みましょう」
先程受け取った手紙の中身を確認すると、リンクルストーンに関しての手掛かりとなる文面だった
その内容とは
「『緑と水に囲まれた清らかな地。そこに、幸せを宿せし輝きがある。そうお告げがある』」
「普通の手紙だね。魔法じゃないんだ」
「水晶さんなら早いのにね」
「壊れたとか?」
「んまぁ、取り敢えずお米を研いじゃおう!」
手紙の事は一旦置いて、遅くなると心配するのでBBQの準備をする
「はい、リコもやってみて」
みらいが手本を見せてリコにやってみるように促したが、
「冷た!?」
注いだ水が思った以上に冷たい事に少々驚いていた
「このくらい、魔法を使えば簡単だし」
「分かってないな〜。こういうのは、自分の手で作るから楽しいんだ」
「楽しい?何が?」
苦笑いしか出ない。仕方ないとはいえ、そう考えるのが普通なのだろう
「お花〜!はー!」
するとリンクルスマホンからはーちゃんが出て来て、クローバーの花畑の上を喜んで飛び回る。
みらいもはーちゃんに続いて花畑に飛び込んだ
「クローバーがどうかしたの?」
「四つ葉のクローバーは、ラッキークローバーと呼ばれてて幸せのアイテムなんだよ〜……あった!!」
「リンクルストーン!?」
「四つ葉あったのか?」
翼とリコで反応が違った。どっちが正解かというと
「見て見て四つ葉のクローバー!」
正解したのは翼。みらいは自分の髪に四つ葉を付けて喜んでいた
「みらいったら…わたし達が探してるのはリンクルストーンよ」
「リコも探そうよ。良い事あるかも知れないよ?」
「良い事ねぇ…」
少しは納得してくれそうだったが、すぐさま魔法の杖を取り出して探そうとする
「また杖かよ!?」
「自分で探すの?この中から?それよりリンクルストーンを──」
「くんくん。山から沢山の甘い匂いがするモフ〜!」
そこで、リコが欲しかったリンクルストーンの手掛かりをモフルンが見つけた。
山というのは、すぐ近くにある山の事を言っている
「よし…キュアップ・ラパパ!ほうきよ、飛びなさい!」
「あ、誰かに見つからないようにね!キュアップ・ラパパ!ほうきよ、飛んで!」
「あ、おい米は!?」
「ごめ〜ん!翼君お願い!!」
翼の言う事など全く聞かず、モフルンが教えた山の方へ二人は飛んで行った
『ゲゲゲ、行っちまったな』
『フフ、どうするの?このお米?』
「俺は知らん!帰る!」
と言って歩き出したが、速度を落として最終的には止まり、ゆっくりと水道の方へと目をやる
「……あ〜もう!!」
結局、翼はみらい達のお米の面倒まで見る羽目になった
((なんだかんだで、面倒見があるなツバサって))
「それで?リンクルストーンは見つかったのか?」
「見つからなかった!」
「おい…」
結局みらい達はリンクルストーンは見つからず。モフルンの鼻が捉えたのはハチミツとのこと
色々と災難があったと思われたが、ようやく食事にありつける
「俺のテントあっちだから。また後でな」
翼も自分の所のテントへ帰り、母親と二人だけのゆっくりとした空間が溢れる
「お袋、肉ばっか焼いてないで野菜も食べないと」
「お母さんからしたら、お肉は野菜よ野菜!お母さんは今、野菜を焼いているのよ!」
「無茶苦茶言うな!玉ねぎやカボチャだって切っているんだから!」
「鬼め」
「お袋の子供だ」
文句を言いつつも口の中に運んでいく。
静かに食事をしていると、みらいとリコは申し訳なさそうにやって来た
「翼君、さっきはごめんね。全部任せちゃって」
「いいさ別に。それより美味しく出来たか?」
「うんバッチリだよ!リコも美味しいって言ってた!」
「そうね、何で便利な道具を使わずにするかの意味も分かったわ」
BBQも終わり、偶然にも三人で洗い物をしてる時の事だった
「お肉もお野菜もジューシーで、ご飯もふっくらで美味しかったね!」
「その上自分達で準備して外で食べたんだ。美味しさが引き立つよ」
「……」
「リコ、これあげる。ラッキーアイテムだよ。リンクルストーンもきっとすぐ見つかるよ」
みらいは、自分で見つけた四つ葉のクローバーをリコに差し出した。
中々上手くいってないリコを励ます為の行為だった
「ありがとう。でも、コレはみらいのものよ。わたしも自分で探してみる!」
「嗚呼、あんなに魔法に頼ってばかりのリコがこんなにも成長したなんて」
「翼、ちょっと馬鹿にしてるわよね?」
「俺がお前を馬鹿にしない日なんてないだろ?」
「フフ、じゃあ皆んなで探そっか!」
クローバーが咲く花畑に足を向けると、山の頂上から声が聞こえた
「プリキュア!!」
見上げるとそこには大きくマントを広げるバッティが浮かんでいた
「エメラルドは先にこの私が見つけますよ!」
「魔法入りました!出でよ、ヨクバール!」
「ヨクバール!!」
蜂の巣と飯盒を使ってヨクバールを生み出した。
それを見て、みらいとリコは手を繋いで急いで変身をする
「「キュアップ・ラパパ!」」
「「サファイア!」」
「「ミラクル・マジカル・ジュエリーレ!」」
「ふたりの奇跡!キュアミラクル!」
「ふたりの魔法!キュアマジカル!」
「「魔法つかいプリキュア !」」
「
「話に聞いた空飛ぶプリキュア。ですが、大空は私の舞台。絶対負けませんよ!」
『フフ、空なら天使の方が専売特許よ』
『ゲゲ、悪いが今日のお前の出番は無い。悪魔の俺に任せるんだな』
「馬鹿な事言ってないで…来るぞ」
ヨクバールは体から無数の弾を繰り出して来た。
だが、何の変哲も無い攻撃に臆することはなく冷静に対処する
「
黒い縦の斬撃が弾を全て撃ち落とし爆風が込み上げる。
その中からミラクルとマジカルが飛び出して、一気にヨクバールへと接近する
「「ッ!?」」
しかし、それを見てヨクバールは避けると同時に、更に高く飛び二人の真上を陣取った
「ヨクバール!」
両腕の鉄の飯盒が二人の頭から叩き、地上へと押し返した。
更に、尻から連続でミサイルバリを放って追い討ちを掛ける
二人はすぐさま飛び立ち回避し、ミサイルバリは無残にも地面へ被弾した。
けれど、幾つかは未だにミラクルとマジカルを追尾していた
「「あっ!!」」
「ミラクル!マジカル!」
翼は、悪魔の翼を広げて全速力で二人の元へ駆け付けては、少々強引だが蹴り飛ばしてまで二人の身代わりとなりその身に攻撃を受ける
「「翼(君)!」」
防御などしていなかった翼は、そのまま地面へと落下して行くが、ミラクルとマジカルが支え地上へと降ろした
「悪い…ゲゲ!フフ!」
『『ッ!』』
安心も束の間、上を見上げればヨクバールが飯盒の腕を振り下ろしながら攻めて来る。
誰よりもいち早く気付いた翼は、ゲゲとフフに指示を出してミラクルとマジカルを左右に突き飛ばした
またしてもミラクル達は無事に避けれたが、翼は攻撃するヨクバールの飯盒を煉魔之刀剣一本で受け切る羽目となる
「翼君!?」
「無茶しないの!」
文句を言いつつ、早く助けるべく左右から挟み込んで攻撃をするも、巨体に似合わずの反らしで攻撃は空を切る
「鬱陶しいんだよ!!」
煉魔之刀剣に悪魔の力を溜め込み、刀身が黒いオーラに包み込まれる
「煉魔之刀剣──侵食率、刀身50%!」
器用な事に、体を侵していた悪魔の力を全て刀身へと移し換えて攻撃のみと扱ってみせる
「食らえよ!!」
なんと翼は、ミラクルとマジカルごとヨクバールへ斬撃を放ち攻撃した
「ヨクバッ!?」
しかしダメージを負ったのはヨクバールのみ。
確実に体を斬られたミラクルとマジカルだったが、ダメージどころか傷ひとつついて無かった
これも因果の魔法の特性を活かした戦法
ミラクルとマジカルには"斬る"という原因を無くし、"斬った後"という結果だけにした為無傷。
しかしヨクバールにはそんな因果など発生させず攻撃した
これには事前の打ち合わせなど無く、ましてやそんな芸当が出来るなど伝える筈も無い為、斬られたかと思った二人は心拍数が一気に跳ね上がる
「なんてことするのよ!!」
当然、怒り狂ったマジカルは翼の襟へ掴みかかる
「言ったとしても怒るだろ!?」
「だとしても言わないよりかはマシよ!!」
「翼君、わたしも出来れば一言欲しかったなぁ…」
『ゲゲ、それよりどうする?サファイアにもう対応している』
「そうね…あっ」
マジカルは指を鳴らして何か作戦を思いついた
「翼、ちょっと耳を貸しなさい」
マジカルの作戦を聞いた翼の表情は、少し嫌そうに変わった
「え〜、それ下手したら俺だけ怪我するじゃん」
「何か言ったかしら?」
ニコニコと笑顔を作りながら、翼の頬を突いて来る。しかもその笑顔は、笑っている様で笑っていなかった
「行くわよミラクル」
「お願いね翼君!」
強制的に作戦を実行する事となった
飛び去って行くミラクル達をヨクバールは追い掛けて行く。
翼も溜め息を吐きながら、マジカルの言われた通り動き始めるのだった
「翼君、何とか動いてくれてるね」
「動かないとタダじゃ済まさないわ」
愚痴りながらも作戦通り動く
二人は山下にある川の上を飛ぶ。ちゃんとヨクバールも付いて来ているのも確認した
「ヨクバール!」
またも追尾するミサイルバリが飛んで来る
「やるわよミラクル!」
「うん!」
二人は手を繋ぎ、低空飛行から一気に飛翔して天高くまで飛び上がる
ミサイルバリが追尾に、ヨクバールもその後を追い掛ける。
サファイアのスピードについて来てはいるが、それでも差が開いてるくらいの速さはある
その差を維持しながら二人は方向転換して、上昇からの急降下する
当然ヨクバール達は追い掛ける。この行為に何の意味があるかはマジカルだけが知る
このまま降下し続けると川へと潜る羽目になる
「ミラクル!」
合図で二人は手を繋いだまま体を大きく回転させ、それがブレーキと制動距離を縮める役割りを果たす
そして、川ギリギリに止まった二人の目の前には翼が待機していた
二人はその場から離脱する。
ミラクル達を追い掛けていたヨクバールは翼の存在に気付いてブレーキを掛けるも、後に続くミサイルバリが背中に直撃して自滅する
「
翼は大天翼之剣に切り替えて、切先を川の水に浸して刀身に水を巻き付ける
「ウラァ!!」
充分に巻き付け力強く切り上げる。そうする事で、巨大な水の竜巻きを起こしてヨクバールを呑み込せる
水の竜巻きからヨクバールが放り出される。羽を動かしたいが、水浸しとなっている為思う様に動かせない
ここまでの行動は全てマジカルが思い付いた作戦。それを見事に成功させた
無様に空中にいるヨクバールへ向けて、ミラクルとマジカルはリンクルステッキを向ける
「「リンクルステッキ!」」
「「サファイア!」」
「「青き知性よ!わたし達の手に!」」
「「フルフルリンクル!」」
「「プリキュア !サファイア・スマーティッシュ!」」
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浄化を終えて、翼達は四つ葉のクローバーを探していた。
そんな中でリコは、今日経験した事を振り返る
「今日の事で気付いたわ。校長先生が水晶さんを使わずに、お姉ちゃんに手紙を渡したのは魔法を使わずに、リンクルストーンを探してみなさいっていうヒントなのかも。それにみらい達と一緒に頑張って探したら、見つかった時にとっても幸せになれると思うの」
「そっか、うん頑張ろう!」
手探りで探してると、一つのクローバーから光を放っていた
「甘い匂いがするモフ!」
「お花お花〜!」
その光るクローバーは四つ葉だった
「あったわ!」
リコが摘むと、そのクローバーの輝きは増して形を変えた
「『ペリドット』!草のリンクルストーンモフ!」
「わぁ〜!幸せクローバーがリンクルストーンだったんだね!」
「良かった……んっ」
喜ぶリコの頭の上に何かが置かれた。触れてみると、それは花で作られた冠だった
「頑張ったご褒美だ」
仕業は翼だった。花の冠に触れ、リコは微笑むのだった
「リコ、帰りが遅いから心配したのよ!」
川沿いを辿って帰る途中、心配で探し回っていたリズと出会した
「ごめんなさい。でも、もう大丈夫」
「…どうやら、探し物は見つかった様ね」
「はい!」
「お姉ちゃんが手紙をお届けたお陰で、魔法を使わなくても見つけれたの」
「校長先生の手紙の意味が分かった様ね……だから、リコに引き寄せられたんだわ」
リズは昔のある記憶を思い出した
リコが産まれたその日、庭の杖の木に流れ星が降ってその木から杖を授かった
「リコの力が星の杖を呼び寄せたのよ」
「わたしの…力?」
「お父様もお母様も、リコは素晴らしい力を持っていると信じているわ。勿論、私も信じてる」
「星の祝福を受けた魔法の杖。良いんじゃないのか?」
「そんな事があったんだ。やっぱり凄いんだねリコ!」
「そ、そんなわたし…」
突然そんな事を言われては、嬉しさと恥ずかしさで顔を背けたくなる
「今のリコなら、みらいさんや翼さんと一緒にもっともっと成長して、立派な魔法つかいになれる筈よ」
「ありがとうお姉ちゃん。わたし、きっと立派な魔法つかいになってみせる!」
ナシマホウ界での体験の日々は、リコの心身共に成長させ、いつかきっと立派な魔法つかいになると信じている
次回はテスト!!年末年始は一気に消化して行きたいと考えてる
ここまでの拝読ありがとうございます!